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化学の研究には、様々な分析装置が必要であるが、国の緊縮財政と重点投資の政策のため、現在、国内ではとてつもないアンバランスが生じている。 どんどんと予算がつくところでは、聞いたところによると、しかたなく機器を更新したり、同じような機器を複数台購入し、結果的に、まだ使える機器や新品同様の機器が、部屋の片隅に眠っている。 一方、地方の中小大学では、古い機器をだましだまし使っているが、もう限界であり、結果、まともな教育もできなくなってきている。 日本の技術力の高さの要因の一つは、中間層の優秀さと思うのだが、今、その根底が、音を立てて壊れていっているのが、ほんとうに実感される。 競争的資金や重点配分など耳障りは良いが、そのまま、教育機関である大学に持ち込むべきではない。 このような状態が続くと、地方中小大学は疲弊し続け、それとともに、まともな教育を受けることができなかった膨大な数の若者が社会に出ていくことになることは明白である。 将来の工業界を考えるとぞっとする。 教育の観点から見ると、1億のお金を1ヶ所に投資するより、100万円を100ヶ所に投資したほうが、結果的に教育効果は上がることは間違いない。 このままだと、アジア諸国に追い抜かれる日はすぐそこである。
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