goo blog サービス終了のお知らせ 

旅はまだ終わらない(旧構造有機化学研究室)

構造有機化学研究室(1992-2023)のホームページを引き継いだものです。

2016年ノーベル化学賞

2016-10-07 12:39:01 | 大学のこと

       

今年(2016)のノーベル化学賞は、Jean-Pierre Sauvage氏(フランス ストラスブール大学)、J Fraser Stoddart氏(アメリカ ノースウェスタン大学)、Bernard Feringa氏(オランダフローニンゲン大学)に決まった。 受賞理由は「分子マシンの設計と合成への貢献」ということで、私の専門である構造有機化学の領域である「超分子化学」の分野で、馴染みのある内容である。 実際に、Stoddart教授とSauvage教授にはお会いしたこともある。 特に、Stoddart教授がUCLAにおられた1997年当時、ちょうど隣りの研究室のA先生がStoddart研に留学されていたので訪問し、1時間程度、研究の話をさせて戴いたのを憶えている。 当時はまだOHP使っていたような気がする。 もちろんこの3人の先生方の研究業績は素晴らしいものであることは間違いない。 しかしながら、以下は全く個人的な意見だが、この分野で大きな貢献をされた研究者の中で、上述の3人に全く引けを取らない人も少なくないような気がする。 例えば、現九州大学特別主幹教授のS先生(A先生の元ボス)は、分子マシンの基本となる多くの超分子的な特性を明らかにされており、今回の受賞メンバーに含まれても、何の遜色もないだけに、非常に残念であった。 全く余談だが、もし、福岡ご出身のS先生が受賞されていたら、今年のノーベル賞は福岡三昧であった。

From Face Book: 2016 Chemistry laureates developed the world's smallest machines.

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ノーベル賞受賞と現実

2016-10-06 20:21:15 | 大学のこと

       

今年のノーベル医学・生理学賞を大隅良典・東京工業大栄誉教授が受賞された。 特に、地元福岡出身ということもあり、これまで以上に受賞を嬉しく感じた。 日本人のノーベル賞受賞は3年連続で25人目であるが、ただ、将来的な見通しに関しては、必ずしも楽観できる状況ではないとの意見も多い。 

       

その一例が、先月、北大で発表された大幅な人件費削減である。 要約すると、
国立大の運営交付金ルールで年1.6%削減が課されており、平成29年度から平成33年度までの5年間で55億円が不足する見込みで、そのために、医学部、歯学部等以外で、一律14.4%の人件費を削減(教授だと205人分相当)するというものである。 すなわち、平成29年度から退職者の不補充、任期付き教員の雇い止め、昇任の停止、経費カットなどで対応していくようである。 旧帝大である北大でさえ、このような厳しい状況であることから、他の多くの国立大学はさらに深刻な状況であることは間違いない。 

       

本学においても、大学における教育・研究組織として機能しうる最低の人的パワーさえなくなりつつ状況であり、組織をいじったり、規則を変えたりすることでは、もうどうしようもない状態にまで悪化している。 本学科も、教員の数は、一時期の三分の二以下、さらには機器分析センターの技官の補充もなく、研究基盤の弱体化が急速に進んでいる。 大学で研究職について30年になるが、これまで以上に、強く閉塞感、停滞感を感じている。 今は、まだ多くの先生方が、何とかしようと頑張っておられることは間違いないが、ただ、これ以上、状況が悪化してしまうと、そんな意欲も削がれ、「あきらめ感」になってしまうかもしれない。 そうなったら、ほんとうに大変である。 南カルフォルニア大学では、同時期、化学科のファカルティメンバーの数は約1.8倍に増加している。

       

From Face Book: We are facing a severe budget cut for universities ever.

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

複雑化していく学年歴

2016-09-29 12:50:55 | 大学のこと

       

他学科「化学Ⅰ」の再試験を行った。 最近は、学力再確認と呼ばれているが、実情は従来のものとそんなには変わっていない。 これまでの前期、後期に加え、クォーター制も部分的に導入されたため、学年歴が複雑になり過ぎている。 新しい制度が次々と導入されるが、そうかと言って、これまでの学年進行のカリキュラムを急に変えることも難しく、そもそも、統一的な思想がないため、増改築を繰り返しているバランスの悪い建物のようになってしまっている。 例えば、前期は、本試験から学力確認試験まで1ヶ月半もあるが、後期の場合は本試験の次の週が学力確認試験である。 そこには、科目の特性などの考慮は全くなく、たまたま、前期か後期に組み込まれているというだけの話である。 クォーター制についてもほぼ同じような事情である。 難しい面も多々あるとは思うが、できるだけ早急にゼロベースから構築していく必要を強く感じている。

We are suffering from the complicated schedule of classes without basic and principal concepts.

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

大学入学希望者学力評価テスト

2016-08-20 14:13:25 | 大学のこと

       

2020年度に導入が予定されている新テスト「大学入学希望者学力評価テスト」の記述式問題に関し、文部科学省は受験生の出願した大学が採点する案を検討しているらしい。 何でも国語の採点を念頭に検討しているということだが、本学のような工業系の大学で、一体、誰がどうやって国語の記述式問題の採点をやれというのだろうか? あるいは、本学希望者には記述式問題は必要ないのだろうか? 何十万人が受験するテストに、記述式問題を導入すれば、その採点が大変なことなど最初から分かっていたはずである。 全くお粗末である。 

       

そもそも、「大学入試センター試験のどこに問題点があって、だからどの部分を変える必要があるのだ」という議論がほとんどない。 大学の改組と全く一緒である。 変えることありきで、何か新しくて耳障りの良いコンセプト(最近は、日本津々浦々、“グローバル”三昧である)を持ってきては、いかにも新しくなったようなふりをしているが、ほとんど失敗である。 その証拠に、改組した組織は、また10年もしないうちに改組である。 こんな非生産的なことを繰り返している間に、国際的な日本の大学の評価は下がり続けている。 まあ必然である。 

       

最近、受験生の思考力や表現力を見るために新テストで国語と数学に記述式問題の導入や、またAO入試などの議論が盛んだが、ちょっと理想を追い求めすぎてはいないだろうか。 今後、18歳人口が減少し、また海外からの学生も期待できない中、地方大学を中心に、入試倍率が2倍以下の大学が続出してくるだろう。 現場の感覚としては、旧帝大などの一部の大学以外では、優秀な学生を入学させる選抜試験ではなく、学力の足らない学生を落とすだけの資格試験的なものに変わってくるような気がする。 そんな状況で、記述式問題の導入やAO入試などの議論が必要だろうか、素朴な疑問である。 まあ、簡単なマークシート方式の問題で十分ではないだろうか。 

       

私がいた南カルフォルニア大学の平均志願者倍率は、6-7倍で、膨大なスタッフによってAO入試が長い間、マイナーチェンジはあったものの実施されている。 その間、日本では、入試制度が何回変わったことか。

       

From Face Book: Is it really necessary to change the current national center test for university admissions?

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ほんとうに良いのだろうか?

2016-08-11 15:00:54 | 大学のこと

       

最近、特に気になるのが大学での人事のあり方である。 その背景には、「女性教員を増やす」「外国人教員を増やす」ことが、大学の評価を上げることに直結している事実があることは間違いない。 敢えて言うと評価が上がれば運営交付金も上がる可能性があるということである。 本学でも新規採用教員の数が減らされていく中、女性、外国人というキーワードがなければ、人事を行うことすらできない。 教員の選考には、教育、研究における素養等において、かなり細かく選考基準を決めている。 もちろん、そこには、女性や外国人を優先するなどという文言はない。 それにも関わらず、現実的には、「女性」「外国人」がファーストプライオリティとなっている。 明らかに変である。 

       

女性がダメだとか、外国人がだめだとか、そんな下らないことを言っているのではない、極端な話、優秀な方なら、学科全教員が女性だろうと外国の方だろうと、全く問題はない。 しかしながら、現実的な教員候補者の男女比や国籍比を考慮すれば、圧倒的に多いのは、日本人男性である。 化学の教員募集にも、堂々と「女性限定」の文字が躍っていることも珍しくはない。 さらに、本学では若手優先とも言われている。 このことを、ボストン在住の友人に話したところ、アメリカでは絶対に有り得ず、「性差別」「国籍差別」「年齢差別」のオンパレードだと酷評された。 当たり前である。 教員に「女性」や「外国人」を増やすこと自体には大賛成である。 しかし、方法が安直である。 まずは、大学院博士課程に多くの女性が進学するような環境、さらに、多くの留学生が進学し、日本に残れるような環境を整備することが、時間はかかるかもしれないが、重要ではないだろうか。 そうすれば、自ずと、女性教員の数も外国人教員の数も自然に増えていくはずである。 そもそも、人事(良い教員を採用すること)は、学生の教育や研究のためで、役所からの評価を上げるためではないであろう。 他の先進国では有り得ないような事が、どうしてこの国の最高学府で、何の疑問もなく行われているのだろうか、これが一番の不思議である。

       

From Face Book: The open position might give priority to women or foreign people in the university?

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

何のための改組なのか?

2016-07-27 12:09:59 | 大学のこと

       

ある記事を見て改めて感じたことは、「ここまで来てしまったか! 数字はごまかせない」である。 大学に職を得て30年以上になるが、ここ十数年、とにかく「大学にお金がない」というセリフを毎日のように聞くようになった。 人は減らされ、予算も減らされ、機器もほとんど更新なし、1年生の大事な基礎実験も縮小や廃止、感覚的には大きな危機感を持ってはいたが、以下の数字を見て改めて愕然とした。 1)日本の高等教育機関への公的研究資金(人口あたり)は停滞し、多くの先進国との差が開き、何と日本より下はチェコ、スペインだけ。 2)人口当り学術論文数で世界37位まで落ちている。 3)理系の落ち込みもさることながら、文系に至っては人口が半分以下の韓国、5分の1の台湾に研究論文数で劣っている。 こんな状況にも関わらず、年中行事のような「大学改革」の名の元、さらに予算の選択と集中(多くの大学が更なる予算減)が進んでいる。 某国立大学では、一人あたり研究費3万円、2年間教員の補充なし、という噂もある。 特に、最近、教員の疲弊感がキャンパス内を覆いつつあるような気がしている。 本応用化学科でも、教員の数は20年前と比較してほぼ三分の二である。 こんな状況なのに、本学でもまた「改組」「改組」である。 多くの時間と労力を、ほぼ希望のない改組の話し合いに取られてしまう。 組織を少しくらい変えてもどうしようもない段階に入っていることに、何故、トップは気づかないのだろうか。 ある意味不思議でならない。 ちなみに、理系、文系問わず、全ての分野でトップの座を占めているのはアメリカである。

From Face Book: What will happen to universities in Japan in the near future?


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

夏休みはどこに行った?

2016-07-22 14:46:32 | 大学のこと

       

梅雨も明け、夏らしい青空が広がっている。 我々が学生の頃は7月10日前後から、約2ヶ月の夏休みが始まっていたので、ちょうどこの時期は、まさに“青春の夏”であった。 ところが最近は学年歴の大幅な変更により、来週まで講義があり、その後8月に入ってから期末試験というスケジュールである。 ほぼ1ヶ月夏休みが遅くなっている。 
この青空を見ると、学生だった約40年前、ユースホステルを利用して長期の旅をしていたことを思い出す。 1泊2食で1000円ちょっと、いろいろ規則は厳しかったが、何よりも同世代の人との出会いが楽しかった。 今のように、メールもソーシャルメディアもなかったので、ほとんどの人とは一期一会のそれであった。 お金はなくても自由な時間が山ほどあった、そんな夏休みであった。 現在と比べると、社会も人も大学もおおらかであった。 

       

もちろん大学である以上教育が重要であることは論を待たない。 ただ、人生でこの時期だけの長期の休みに、もっと違う世界を体験することも今後の人生において非常に大事であると思っている。 皆、同じようなスーツに身を包み、型通りの就職活動を見るにつけ、将来の日本が心配である。 ちなみに、学生時代、100泊以上して何かバッジを戴いた記憶があり、お世話になったユースホステルであるが、我々の時代が全盛期で、1974年に全国で600軒近くあったユースホステルが、いまは220軒ほど。 63万人いたユースホステル会員が、現在は3万5000人と、20分の1程度に減ってしまっている。 これも時の流れであろう。

       

From Face Book: A long summer vacation has gone.

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

明専会100年の歩み

2016-07-20 12:30:01 | 大学のこと

       

本学の同窓会組織である「明専会」が100周年を迎え、その記念誌が届いた。 本学の前身である明治専門学校にちなんだもので、大学のこのような同窓会組織としては、間違いなく全国トップレベルの組織力とそして行動力がある。 各企業内での先輩後輩の結束は強く、また、就職担当をしているがOBの方の種々の配慮にはほんとうに感謝している。 ただ、最近は卒業生の本会への加入数が減ってきているようで心配である。 

       
現在もほぼ原型をとどめている本学の正門

From Face Book: Our alumni association “Meisenkai” has celebrated the 100 years’ anniversary.

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

連休中の大学院入試

2016-07-18 07:05:24 | 大学のこと

       

この3連休の土日に大学院の一般入試が行われた。 昨年からこの時期に前倒しされたのだが、多くの大学は以前のように8月後半である。 ここ数年、大学院の入学定員管理が厳しくなっている。 そのため、一人二人の合格者数をどうするかで、多くの教員が会議、会議である。 何か空しさを感じるが、最近は諦めムードである。 そもそも、修士修了という位置付けをきちんと設定し、欧米のように出口を厳しくするはずではなかったのだろうか? そんな正論も飛んでしまっている。 学科全体で、修士が1、2名増えようが困ることなど何もない。

       

From Face Book: We had the entrance exam for graduate school during three-day holidays.

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

アジア大学ランキング

2016-06-23 12:44:07 | 大学のこと

       


イギリスの教育専門誌「タイムズ・ハイヤー・エデュケーション」が今年のアジアの大学のランキングを発表した。 去年まで3年連続でトップだった東京大学が7位に転落し、その他の主要大学も順位が後退した結果、上位100位以内の大学は去年より5校減って14校となってしまった。 このように日本の大学が順位を下げたことについて、「
シンガポールや中国の政府が大学に潤沢な資金を投入し優秀な人材を集めているのに対し日本では20年間にわたって大学が資金の制約を受けており世界の大学との競争や国際化のための支援が少ない」ことが指摘されている。 当たり前のことで、ずっと20年言われ続けていることである。 大学に使う予算が減れば、それに伴い相対的なレベルは下がっていく。 ただ、それだけである。 さらに予算減の中で特に問題なのは「大学間での選択と集中」と「大学内での選択と集中」である。 これらによって、選択と集中からはずされたところは、非常に厳しい状況である。 とにかく教職員を補充することさえできず、その結果いよいよ基礎科目の実験、実習の削減である。 目立つところばかりにお金を使い、その結果地味だが大切なところがどんどんとやせ細っている。 ほんとうに取返しのつかないことになってしまわないだろうか。 非常に心配である。

From Face Book: Asia University Rankings 2016

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

盲導犬に修士号

2016-06-14 16:47:49 | 大学のこと

       

名門大学の一つであるアメリカメリーランド州にあるジョンホプキンス大学で、盲導犬に名誉修士号が付与されたということである。 

       

目の不自由な学生と一緒にすべての授業に出席しており、 さらに
グラデュエーションガウンとキャップを着用し、きちんと正装して卒業式に出席したとのことである。 

             

アメリカらしいなあと思うのと同時に、日本でこれをやれる大学も学長もないだろうし、必ず、反対する人も出てくるだろう。 

         

この記事で思い出したのは、確か3年ほど前に白血病の少年が「バットマンになりたい」という夢を叶えたというものである。 当日は、サンフランシスコ市街地で1万人を超えるボランティアだけでなく、地元警察署も全面強力し、現職の警察署長も登場しての大掛かりなもので、街中のいたるところにバットマンのサインも施されたそうである。 こんなことができるのもアメリカだけであろう。 

       

日本では、これまた、「警察がなにやっている」とか、「渋滞が起きるだろうが」、なんて苦情殺到ということだろう。 オランドーでの悲劇的な銃乱射事件が起きても、今後も世界中から人が集まることは間違いない。 やはりアメリカの多様性と包容力の魅力は大きい。

From Face Book: Johns Hopkins awards Honorary Masters Degree to guide dog who sat through all of owners classes.

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

クォーター制

2016-06-08 12:17:56 | 大学のこと

       

今年度から本格的にスタートしたクォーター制の最初の期間が終了した。 導入の経緯は、集中して講義を行い、空いたクォーター期間内に短期留学や海外インターンシップ等を行えるようにすることであった。 ただ、現実的には、学生実験はクォーター制にすることは困難であり、また、多くの必修科目も従来のセメスター制のままである。 何か中途半端である。 約2ヶ月で講義は終わるが、やはり週に同じ科目2回は予想以上に大変である。 これが3科目になると、毎日、講義ということになる。 今後、いろいろと改良していく必要がある。

 
From Face Book: The quarter system has just started.

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

改組、改組

2016-05-31 12:39:59 | 大学のこと

       

また、学部改組、大学院改組の季節がやって来た。 大学に職を得て約30年になるが、ずっとこの改組と付き合ってきた。 最初の頃は、旧態依然とした機能しなくなった大学システムからの脱皮の意味合いが強く、それなりにインパクトもあり重要なことであったし、他の社会通念とあまりにもかけ離れた部分の是正は必要であったことは間違いない。 

       

しかし、その後の、特に最近の改組等には、達成感もほとんどなく、徒労感のみ残ってしまう。 とにかく、何か新しい組織ありきで、どこに問題があり、将来はどんな問題が待っているのか、だから、どこを変えるのかという基本的な議論はほとんどない。 敢えて聞くと、決まって返って来るのは、グローバル社会だとか、少子高齢化社会だとか、非常に抽象的なことが多く、それらと改組を繋ぐ、より具体的なものが何もない。 そもそも、ほとんど同じ顔触れの教員が移動するだけなので、そんな大きな改革はできない。 また新しく作った学部が、10年以内で消えてしまう例も少なくない。 明らかに失敗であるのだが、誰も責任をとることもない。 

       

笑い話ではないが、度重なる改組で、所属している組織名が複雑になりすぎて、自分の所属がよく分からない人も多い。 例えば、私の研究室だが、教員は「工学研究院物質工学研究系応用化学分野」、4年生は「工学部応用化学科」、修士の学生は「大学院工学府物質工学専攻応用化学コース」、そして博士の学生は「大学院工学府工学専攻物質工学領域」に、それぞれ所属していることになっている。 英語に訳しても、日本以外の研究者は誰も理解できないので、すべて「Department of Applied Chemistry」を使っている。 やっぱり、笑い話である。

       

From Face Book: Who knows the reasons why we have to reform our departments so often.

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

消え去った合成化学科棟

2016-05-16 12:23:25 | 大学のこと

       

九州大学の伊都キャンパスへの移転が進んでいるが、それと並行して箱崎キャンパスでは、建物の解体が行われている。 

       

       

そんな中、私の出身学科である合成化学科の建物が解体され、完全な更地になっていた。 

       

       

昭和30年代の初期の建物なので、歴史的な価値もなく、壊されることはわかってはいたが、こうやって、何もなくなった場所に立つと、30年の時間を越えて、当時の様々な思い出が蘇ってきた。 当時はパソコン、インターネット、メール、スマートフォンも何もなかったが、今より自由に楽しく研究活動ができたような気もする。 もしかすると、情報が多すぎるということが、ほんとうに良いのかも疑問である。 

       

       

歴史ある応用化学科や航空工学科の建物も、すでに塀に囲まれており、解体も近いようである。 

       

       

       

すでに広大な更地になっている電気、機械等の建物後。 

       

       

40年前に入学試験を受けた防音教室、多分プレートは当時のままである。 

       

以前、工学部食堂があった建物 

       

       

キャンパスの真上を飛行する航空機は、昔と変わらない。

From Face Book: The building of Department of Synthetic Chemistry in Kyushu University has been completely demolished.

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

予算削減、削減、そして削減

2016-02-14 11:12:42 | 大学のこと

       

今年度、応用化学科の学科長をしているが、最近、特に頭の痛い話が多い。 その中の一つが、次年度のTA経費20%削減である。 TAとは、ティーチングアシスタントのことで、主に、修士の学生が学部学生の実験や演習の補助を行うことで、同時にそれに見合った給与をもらうことができる。 また教えるという経験を積むこともできることから、制度としては悪いものではない。 しかしながら、助教(従来の助手)が減り続ける中、TAがいなければ、学生実験自体が成り立たなくなっているのが実情である。 さらに、数年前、種々のアクティブラーニングを取り入れた際、結局、TAを増やすことに頼るしかなかったはずである。 それが、わずか数年で削減である。 教育の長期展望などあったものではない。 法人化後、ずっと続いている経費削減は、もはや効率化等で吸収できる範囲を越えている。 本年度で、2名の先生が退職されるが、補充もできない。 私が、本学に赴任した頃と比較して、教員数は3分の2以下に減少してしまっており、個々の教員がカバーできる限界を越えつつあるように思える。 教育に資源(人的、経済的)を投下しなくなった国の将来は厳しいことは明らかである。

From Face Book: A university budget is cut, cut and cut.

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする