山本周五郎の小説「樅ノ木は残った」で有名になったもみの木は、現在船岡城址公園のお山の一角に立っている(たしか河畔に立っていたものが何年か前に落雷で消失したと思いましたが)。
木の前には、小説のエンディング部分の文学碑も建っていました。
その手前には、伊東七十郎重孝(伊達兵部の暗殺を図った罪で斬首刑)の辞世の碑もあります。
最近も田村正和(原田甲斐)、山本耕史(伊東七十郎)出演で、テレビドラマの放映があった。
城址公園は小高い山全体で、山頂には観音像が建っていて、そこへはレールの上を走るスロープカーなるものが往復していた。
小説では、主人公の原田甲斐は伊達藩取り潰しを阻止した忠臣として描かれていて、悪役は一ノ関藩3万石の初代当主伊達兵部と、大老酒井雅楽頭となっている。
伊達騒動の後、伊達兵部宗勝は土佐へ配流、酒井雅楽頭忠清は9年後犬将軍綱吉就任で失脚、翌年急死、伊東家の再興等、謎めいた雰囲気から推理創作した小説も、実体に近い気が。
今月で閉場する歌舞伎座4月公演で上演されている「実録先代萩」では、亀千代(4代藩主伊達綱村)の命を狙う悪人として家老原田甲斐の名前が出てくる(浅岡役で中村芝翫、片倉小十郎景長役で松本幸四郎)。
同じく歌舞伎の演目、「伽羅先代萩」(足利(室町)時代に設定)でも仁木弾正は悪人です。
斬殺事件のあった酒井雅楽頭上屋敷跡は東京駅から和田倉門に向かう途中にある。
そこには将門塚(神田明神の氏神)があり、その向かいに先代萩ゆかりの立て札が立っている。
余談ですけど、神田明神下の長屋には、銭形平次(野村胡堂作)が住んでいました。