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日本の奇祭39「一人相撲・うなごうじ祭・こじき祭り」

2015年01月19日 | 日本の奇祭

一年を通して日本全国の各市町村で何らかのお祭りが必ずあります。

故郷を思うとき、まず思い出されるのが祭りではないでしょうか?

 

ただ世の中には、地元の人には普通で真剣なんだけれど、

外部の人から見ると摩訶不思議な世界に見えてしまう祭りがあります。

これを世の人は「奇祭」と呼びます。

 

奇祭とは、独特の習俗を持った、風変わりな祭りのことと解説されています。

 

これを、人によっては「とんまつり(トンマな祭)」

「トンデモ祭」とも呼んでいるようで、

奇祭に関する関連書物も数多く出版されています。

よく取り上げられるのは、視覚的にインパクトがある祭り

(性器をかたどった神輿を担ぐ祭りなど)がよく話題になりますが、

ほかにも火を使った祭りや裸祭り、地元の人でさえ起源を知らない祭りや、

開催日が不明な祭りなど、謎に包まれた祭りはたくさんあるようです。

 

これから数回に渡って奇祭を特集していきます。

その多彩さに驚くとともに、祭りは日本人の心と言われるゆえんが、

祭りの中に詰まっていることが理解できるでしょう。

 

特に言う必要はないと思いますが、

以下にふざけて見えようと馬鹿にしているように見えようと、

れっきとした郷土芸能であり、

日本の無形民俗文化財だということは間違いありません。

 

今回は、愛媛県の一人相撲、愛知県のうなごうじ祭、岐阜県のこじき祭りです。

 

 

一人相撲(大山祇神社:愛媛県今治市大三島町宮浦)

 

一人相撲は、愛媛県今治市大三島の大山祇神社で

毎年春の御田植祭(旧暦5月5日)と

秋の抜穂祭(旧暦9月9日)の行われる相撲神事です。

 

 

見えない田の神を相手に、

「一力山」(人間)が秘術を尽くして相撲を取る、珍妙な祭事です。

相撲は三番勝負で行われます。

相撲の盛んな大三島ならではの祭りです。

 

 

三番勝負のうち、田の神が二番勝つ慣わしになっています。

田の神が勝つことで、春には豊作が約束され、

秋には収穫を感謝するといわれています。

 

 

いかにも相手(田の神)がいるように思わせる一人相撲と行事もユーモラスです。

境内には隣り合う御神田では、16名の早乙女が白衣に赤襷、

手甲脚絆姿で御田植えを奉仕します。

 

【交通アクセス】

電車:JR山陽本線「尾道」駅または「福山」駅から

   しまなみライナーで「大三島BS」下車、

   島内バスに乗り換え「大山祇神社前」下車。

車 :瀬戸内しまなみ海道「大三島IC」から国道317号、

   井之口港、県道21号経由約10分。

船 :今治港から大三島ブルーライン「宮浦港」下船、徒歩約10分。

 

 

うなごうじ祭(牛久保神社:愛知県豊川市牛久保町常磐)

 

うなごうじ祭は、例年4月の7、8日に一番近い土・日曜日に

愛知県豊川市の牛久保八幡社で行われる祭礼です。

正式には「若菜祭」ですが、

地元では「うなごうじ(うじ虫)祭」と呼んでいます。

豊川市の無形民俗文化財に指定されています。

 

 

この祭りは、若宮殿に参詣した一色城主・牧野成時が、

駿河の領主・今川氏親に馬見塚(今の豊川市)に築城を命じられたことを喜び、

社前で御神酒を献じて祝いました。

その時、境内の若葉の美しさに、

句を詠んだことから若葉祭と呼ぶようになったそうです。

 

 

その若葉祭がなぜ「うなごうじ祭」と呼ばれるようになったかというと、

牧野成時はじめ、代々の牛久保城主は、領民を大切にしました。

ある若菜祭の時、領民を城中に招き、酒食を振る舞いました。

酒に酔った領民は真っすぐに歩くことができず、

帰る途中ごろごろと路上に寝転んだといいます。

その様子を今に伝え、

領主に対する領民の感謝の気持ちを表すのが「やんよう神」なのです。

 

 

彼らが笹踊りの歌に合わせて、ところ構わず地面に寝転ぶ様子が、

うじ虫に似ているところから「うなごうじ祭」と呼ばれるようになったのです。

この「うなごうじ」とは、「おながうじ(尾長蛆)」という言葉がなまって

「うなごうじ」というようになったそうです。

 

 

まつりは、山車4台、笹踊り、やんよう神が勢揃いし、

牛久保八幡社から御旅所の天王社までを往復します。

 

 

見どころは、

祭りの最後尾を受け持つ笹組の笹踊りの周りを取り巻く年行事の一行が、

笹踊りの歌を歌いながら随行し、

この歌の尾張の囃子言葉を歌い終わると

4.5人が一組になり路上に寝転び仲間が起こしてくれるまで

寝ていなければならないしきたりになっているそうです。

 

 

【交通アクセス】

電車:JR飯田線「牛久保」駅から徒歩5分。

車 :東名高速「豊川IC」から約10分。

 

 

こじき祭り(県神社:岐阜県加茂郡川辺町下麻生)

 

毎年4月1日に岐阜県加茂郡川辺町下麻生の県神社で行われる「桶がわ祭り」は、

通称「こじき祭り」とも呼ばれ、

乞食の前で赤飯をひっくり返し豊作などを祈願する祭りです。

 

 

江戸時代この辺りが飢饉に見舞われた時、住み着いた乞食に、

農民が食べ物を恵んだところ、豊作になったといわれ、

実は乞食は神様の使いだったと言い伝えられています。

 

クライマックスは「おこわかけ」で、

男衆が赤飯のおこわのたっぷりと入ったたらいを担ぎ、

鳥居とこじきの間を何度も往復します。

その後、氏子らが二升の赤飯を乞食の前に敷かれたビニールの上に

「エイヤー!」の掛け声とともにひっくり返します。

この赤飯を食べると安産などご利益があると言われ、

参拝客らが競い合うように奪い合います。

 

【交通アクセス】

電車:JR高山本線「下麻生」駅下車、徒歩20分。

 

いかがでしたか。

祭りには底知れない魅力と気分を高揚させる何かがあります。

長年にわたって受け継がれてきた祭りには、

理屈では割り切れない人々の思いが詰まっているように思います。

たかが祭り、されど祭りといったところでしょうか?



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