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愛媛の伝承文化

大本敬久。民俗学・日本文化論。災害史・災害伝承。地域と文化、人間と社会。愛媛、四国を出発点に考えています。

温州みかんSatsuma

2011年01月04日 | 日々雑記
2010年12月8日付の日経新聞に、宇和島市の南四国ファーム・松山市のJAえひめ中央、宇和島市のJAえひめ南が、温州みかんの販路開拓のため、香港や台湾向けに輸出をはじめたという記事が載っていた。この記事を目にして、温州みかんは海外ではどのように呼ばれているのか、気になった次第。satsumaについて、少し情報を整理しておきたい。

<温州みかんsatsuma>
アメリカ合衆国での最初の記録は、1876年にジョージ・ホールがフロリダにもたらしたというもの。「サツマ」の名前の由来は、1878年に、アメリカの日本大使だったバン・バルケンベルグの妻が薩摩(鹿児島県の前の地名)から温州みかんを送ったことによる。現在、温州みかんが栽培されているのは、温帯地方で、日本、スペイン、中国中部、韓国、トルコ、ロシアの黒海沿岸、南アフリカ南部、南アメリカ、カリフォルニア中央部、フロリダ北部である。そして世界最大の生産地は日本で、温暖な気候条件の中、高品質の温州みかんが生産されている。アメリカ合衆国では、ルイジアナ州が主産地となっている。(以上は、フロリダ大学食糧農学研究所(Institute of Food and Agricultural Sciencesの解説)

「海外では、温州みかんはサツマ(Satsuma)と呼ばれています。明治の初めに日本に来ていたアメリカ大使館員の夫人が、みかんの苗を薩摩国(鹿児島県)で買って、本国に送ったのが最初でそのためサツマと呼ばれるようになったそうです。「温州みかん」という名前が全国的に定着したのは、明治時代になってからです。それまでは「李夫人(リュウリン)」とか唐(から)みかん、各地でさまざまな呼び方をされていました。李夫人とは、愛媛県の宇和島地方の呼び名で、中国の絶世の美女として名高い李夫人にあやかったもののようです。李とは、すもものこと。形、色がおいしい、みかん美人という意味を込めたネーミングであったとも言われています。」(JAにしうわのホームページよりhttp://www.ja-nishiuwa.jp/hanbai_03.html)

さて、温州みかんの輸出といえば、その8~9割近くはカナダに輸出されている。香港、台湾、アメリカ、シンガポールなどにも輸出されているが、シェアはカナダがダントツである。カナダでは温州みかんは「クリスマスオレンジ」とも言われ、明治時代から日本からバンクーバーや北米のシアトルに輸出されていた関係で、日本の温州みかんが定着しているらしい。また、温州みかんは寒い時期に太陽を想起させ、チョコレートやキャンディなどの菓子とともにプレゼントとして交換しあう慣習がある。韓国産の温州みかんもカナダに輸出されているが、クリスマスのシーズンに合わせるには極早生である必要があるため、極早生の少ない韓国産は厳しく、日本国内でも和歌山や愛媛よりも極早生の盛んな佐賀の温州みかんの輸出量が多いようだ。


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