夢発電所

21世紀の新型燃料では、夢や想像力、開発・企画力、抱腹絶倒力、人間関係力などは新たなエネルギー資源として無尽蔵です。

光る砂漠/矢沢 宰(おさむ)

2009-06-17 13:08:35 | 私の本棚
津軽では太宰治の生誕百年記念の事業が花盛りである。私の心の中に宿っていた「矢沢宰(おさむ)」は「光る砂漠」という詩集を死後残した詩人である。しかし、彼は21歳で夭逝したのだから、自分の詩集の存在については知らないはずである。かれは私の卒業した高等学校の8年先輩である。そして今も心の中に残り続ける詩人である。


     <少年>

  光る砂漠
  影をだいて
  少年は魚をつる
 
  青い目
  ふるえる指先
  少年は早く
  魚をつりたい


 
 
     <小道がみえる>

  小道がみえる
  白い橋もみえる
  みんな
  思い出の風景だ
  然し私がいない
  私は何処へ行ったのだ?
  そして私の愛は



     そして終わりに
     (一)
  いい人になってください。
  幸せになってください。

  私だってあなたに負けないぐらい
  いい人になります。
  幸せになります。

      (二)
  しかし
  私は予感していた。
  首飾りをした美しい
  あなたが
  黙って椅子にかけていた と。
  とおい国を想っていた と。

      (三)
  秋の日の中で
  あなたと会う約束はもうはたせない。
  風は泣くだろう。
  野菊は飛行機雲を見あげないだろう。

      (四)
  俺が悪かったな
  欲情な言葉
  愚劣な行為
  俺が悪かったな
  悪いことをした
  利己主義だった

      (五)
  よくわかった。
  私はよくわかった。
  私はまだやれる。
  私はやってみせる。
  そしていつかきっと帰ってくる。

      (六)
  それでも秋の夕暮れに淋しいときは
  夏の日のよみがえる想いを許してください。


☆作者・矢沢宰(おさむ)について
1944年、中国江蘇省で生まれる。父の現地応召で日本に引き上げるが、小学校二年にして腎結核を発病。
療養生活を繰り返し、新潟県立三条結核病院小児科に入院。14歳から詩や日記を書き始める。
病を克服し、新潟県立栃尾高校に入学するが、2年生で結核を再発。1966年、21歳の若さで永眠。
詳しい年譜や詩・日記などの遺稿は、こちら(http://www11.plala.or.jp/y-osamu/)で見られます。





POEM/見果てぬ夢

2009-06-17 07:09:55 | 創作(etude)

 自閉症の青年
 回廊をぐるぐる
 いつも
 同じことばかりを
 繰り返している
 スタッフは
 安心して
 彼を
 放任している
 彼は
 ぐるぐる
 回廊を
 きょうも

 ある日
 回廊を
 回っているはずの
 彼の
 すがたが
 忽然と消えた
 スタッフは
 大慌て
 ぐるぐるぐるぐる
 スタッフは
 回廊を回る
 
 彼は
 初めての
 冒険を
 ぐるぐるをやめて
 ぶらぶらに
 切り替えた
 30分後
 彼の
 居場所を確認したと
 報告があった
 10年前の
 自閉症の青年
 I君の記録は
 7時間
 この記録は
 不滅だろうか

 問題は
 彼ではなく
 彼がどこに
 行こうとしたか
 それを
 見極められなかったこと
 ぶらぶらの
 散歩すらできないなんて
 あまりにも
 つまんない
 ぐるぐるを
 ぶらぶらに
 ぶらぶらを
 すたすたに
 すたすたを
 たたたたに
 変えていくのも
 成長なんだろうな

 

一進一退

2009-06-17 06:53:55 | 福祉について
 ケアホームの整備で市とやりとりをして、少しずつ全容がわかってきた。ケアホームのクリアしなければならない要件で、消防法がある。消防設備屋さんの見積もりでは、設備費で230万円もかかってしまうという。更に青森県では新築の場合を除けばこれまでの実績において、補助金交付は難しいとの市の見解である。更に追い討ちをかけるように、法人の持ち物でない物件は対象外とのご託宣。
 ケアホームを1軒整備するだけで、こんなにも負担があればなかなか整備が進まなかった背景も理解できる。このほかにバリアフリー化を進めるとすれば一千万円を超えるのは明らかだ。
 それでも進めるしかないのが、今の心境である。

6月のブルーベリー畑

2009-06-17 06:13:58 | ブルーベリー畑
 相変わらず気温が20℃を下回る日々。通年の気温から云えば、きっとかなり低いのではないだろうか。原ヶ平農場の野菜もジャガイモはまずまずの生育ぶりで、ほっとしている。しかしきゅうりやオクラ、モロヘイヤなどは軒並み元気がない。
 暑くなるのを皆待ち望んでいるのだ。
 そんな中作業を終えて、ブルーベリー畑に足を向けた。観賞用の苺畑には赤く色づいた苺が実っている。つまんで口に入れると結構な甘さである。車椅子の人たちでも、手が伸ばせるように高いところにこの苺はしつらえてある。
 ブルーベリーはと見れば、ノースランドとジャージーは早成種と晩成種の2種類。いくらか生育に差があって、ジャージーはまだ花をつけている。ノースランドは果実はまだ白く、7月20日の試食会に間に合うだろうかとやや心配な感じを持った。まだまだ観光果樹園を開くまでは、道のりが遠い。