夢発電所

21世紀の新型燃料では、夢や想像力、開発・企画力、抱腹絶倒力、人間関係力などは新たなエネルギー資源として無尽蔵です。

肩の荷がひとつ

2009-06-20 08:28:43 | つれづれなるままに
 長いと言う曖昧な言葉以上に、20年間という数量化した時間に置き換えればまたその鬱積した人生ということからもその長さがうかがわれる。17年間もの長い間、無実なのにその冤罪が晴らせずに牢獄で暮らすことはどんな心理的変化をもたらすのだろうか。
 私の人生にもいくつかの呪縛があって、その一つ。昨夜20年間自分でやむを得ず引き受けたとはいえ、「ボランティア会長」という一つの役職に私は引導を渡した。誰も引き受けたがらない役職を20年間、私なりに夢を持ち走った時期もあった。私が移住してきた地域の人々とつながりたかったこと。娘が障害を負って生まれたことを多くの人々に知ってほしかったこと。みんなが暮らしやすい地域を作るために、その中間に立った自由で柔軟な仕事をやってみたかったことが、その理由であった。そしていつかしら、自分の中でもっと自分の自由な活動を展開したいと言う思いが募った。しかし、それはなかなかその役職の中では果たせなかった。
 きょうその役職から離れたことによって、意識の中で肩の荷が下りたという感覚を持っている。呪縛の一つが解けたのだろうか。

自然農

2009-06-20 07:06:10 | つれづれなるままに
 「自然農」無耕機・無農薬・無肥料

 自然農とは
 
 奈良県桜井市の川口由一さんが探究・実践してきた農法です。川口さん自身、農作業で使用し続けた農薬で健康を損ねた経験をきっかけに、福岡正信さんの自然農法や、藤井平司さんの天然農法を参考にしながら試行錯誤を重ねて、自然界の生命力を殺さずに作物を栽培する手法をあみ出してきました。




 この農法の特徴は、自然の持つ仕組みや生命力を極限まで信頼すること。そして人間は必要な部分だけ手を貸して、後は自然に委ねること。

 例えば、この農法では田畑を耕しません。肥料も与えません。農作物には、ちゃんと自然界で逞しく生存して行く力があり、その力を存分に引き出すだけの条件を与えさえすれば、農作物は雑草に負けるどころか、雑草を圧倒するくらいの成長をして、雑草と共生しながら実を結びます。人間が手を貸すのは、雑草に負けそうな時だけです。

 『雑草』という言葉を使いましたが、自然農ではあまり使われない様です。単に『草』と言っています。自然農では草も重要な役割を担っています。農作物の成長を阻害しない範囲ならば、自然に生えて来る草には手を加えません。何故なら、それらの草も農地の持つ生命力をより豊かにしているからです。



川口由一 かわぐち・よしかず

1939年 専業農家の長男として生まれ、中学卒業と同時に農業を引き継ぐ。農薬を用いた農業の中で心身を損ね、いのちのいとなみに沿った農を模索。70年代中盤から、自然農に取り組む。
赤目自然農塾や、東京「賢治の学校」などで、自然農を共に学ぶ場を作りながら実践している。

著書
『自然農から農を越えて』
(カタツムリ社)
『妙なる畑に立ちて』
(野草社)

長編記録映画
『自然農 川口由一の世界
 1995年の記録』
(鳥山敏子・グループ現代作品)
 一例を挙げましょう。川口さんはこう言います。

『ほかの生命と競争しながら、あるいは助け合いながら、ほかの生命があるなかで逞しくなるというような関係があるなかで、どの程度に手を貸してあげたらいいか、どこ以上は手をだしたらいけないかということですね。

 で、普通に栽培する場合は、お米よりもヒエの方が強いと言われますが、こういう(自然農の)形だと、お米の方が遥かに茎が堅くて強いんです。肥料で作ったお米の茎は柔らかで、生命が軟弱になってしまう。それでウンカにおかされる。ウンカはヒエの方を好みます。お米についてもお米は損ねられない。ここではウンカが飛んできたらお米につかずにヒエの方につくケースが多いんです。

 それに、ウンカだけが異常に増えることは決して無い。ここではウンカはお米の害虫ではないんです。栽培の仕方で害虫にしてしまうんですね。本当は、害虫と益虫の別はないんです。もし害虫だというもとでウンカを無きものにすると調和が崩れて困った事が起る。ウンカもいてのこの自然界の調和なんですね。もちろんここで農薬を使えば問題を限り無く招いて行く・・・。』


 このようにして、耕さず、肥料も農薬も施さない、草や虫を敵としないで営まれた農地は、年々の夏の草、冬の草が積み重なり(稲も収穫後はワラを田んぼに戻します)、フカフカの草の亡骸の層が出来上がり、土地はますます豊かに生命力を強くして行きます。

 自然農は稲だけではありません。野菜も果樹も全てに適用されています。そしてこれらの取り組みが、生命に大切にし、生命に価値の中心を置く、新しい生き方の創造へと繋がって行きます。

 私がたまたま交流を持った「しらとり農場」が、今年からこの「自然農」に取り組み始めました。夫婦待望の二世が誕生したこの年、ますますしらとり夫妻の理念と言うのか夢と言うのか、厳しい道を切り開こうと言う気概が伝わってきます。わたしは法人としても、この農場を応援してみたいと思います。