夢発電所

21世紀の新型燃料では、夢や想像力、開発・企画力、抱腹絶倒力、人間関係力などは新たなエネルギー資源として無尽蔵です。

タイムスリップ「車掌のいるバス」

2007-03-21 07:28:56 | 創作(etude)
 ぼくは5歳。町の幼稚園に通うために、自宅から歩いて30分のところに始発のバス停があり、山道をとことこと歩いた。そして体がぽかぽかしてくると、バス停が見えた。バスが到着すると、若い女性の車掌さんがぼくの手をとって座席に座らせてくれた。
 「発車オーライ」と若い車掌さんの声が耳に優しかった。車掌さんはいつもニコニコとしていて、笑顔が美しかった。次は○○、○○でーす。御用の方はいませんか?…通過します。」ざっとこんな感じでバスは走る。
 いつもぼくはバスに乗るとその揺れの中で5分もすれば眠りの淵にいた。だから車掌さんはいつも、目的の○○幼稚園前に近づくとぼくを起こして、バスから下ろしてくれた。
午後も4時になれば、ぼくはまたこのバスに乗り込む。帰りは幼稚園から先生と一緒に30分も歩いて、T電鉄の始発駅を目指した。先生はとなりのM市に帰るのだ。ぼくと手をつなぎながら歌を歌ってくれた。だから30分の帰り道はぼくにとって、とても楽しい道だった。
 先生はぼくをバスに乗せてくれると、車掌さんに「お願いします」と言って手を振って別れた。車掌さんはぼくを又いつもぼくが座る車掌さんの立つ入り口そばに座らせてくれた。するとぼくはまた、一気に夢の世界に落ち込んだ。このバス停から約1時間もすると、終着のぼくの降りる駅だ。車掌さんが「着いたわよー。」と言って優しく揺り起こしてくれる。ぼくは寝ぼけまなこで目覚め、そしてまたてくてくと家路を目指した。毎日の楽しみは行きと帰りのなかにあったような気がする。
 あの頃の車掌さんはぼくにとって、いつまでも優しい車掌さんとして心の中にあったかな思い出として、いまだにいきいきと生き続けている。

生きがいをもって生きる法則について

2007-03-21 07:01:44 | こころに残る言葉
 ★生きがいをもって生きる法則

 『理想(vision)+奉仕(service)+情熱(passion)=使命(mission)』

 「人はかけがいのない存在になるべく、生まれている。人生に使命があるということは、世界があなたを必要としていると言うことである。事実、世界は次から次へとあなたに信じられないような体験を課し、来るべき必要に備えて、あなたを鍛えているのだ。自分の潜在能力を知り、それを発揮することができれば、人生の最高レベルにある経験をすることができる。『自分には使命がある』とまず信じることだ。そう信じることで、自分自身の存在をかけがえのないものにすることができる」

 
 第二節 理想~目的地を決める

 (アンダーソンは「仕事」と「「使命」は同義語ではない」と前提しながらも、いきいきと働いている人々について、次のように語ります。)

 「理想を持った人ができることと、たんなる経営者ができることの違いを理解しておくことが必要だ。経営者が動かすことができるのは、物質的な資源だけである。それは「資本」「人の技術」「原材料」「科学技術」である。有能な経営者であれば、人々が生活できる程度の利益を上げることができる。また、優れた経営者であれば、品質を確保しつつ、予定通り、かつ生産的に仕事がなされることを見て取る能力に秀でている。
 一方、理想を持つ人は、仕事に「自尊心」「満足感」「思い入れ」「意欲」を盛り込む。人々が充足感に達するように鼓舞し、より高いレベルの成功を引き出し、やりがいのある目的を遂げることに貢献する。理想には、感情に訴える力がある。人間の欲求のうち根本的なもの…「重要でありたい」という欲求、「他人とは違う何かをしたい」という欲求、「役に立っていると感じたい」という欲求、「未来への遺産を残したい」という欲求を満足させるのだ。」

 「世の中や自分自身に対して自分なりにイメージした理想像を抱いて働く人々と、そうでなく漫然と働いている人々との間には、大きな違いがある…。理想を描くことは、目標を持つことであり、目的地を決めることです」と飯田氏は言う。

 (「生きがいのマネジメント」飯田史彦 第1節 確信的な性善説・ 第2節 理想 グレッグアンダーソン『生きがいをもって生きる』より飯田氏が引用。
 アンダーソンは自らが思いガンに冒され、それを奇跡的に克服した経験を元に、1万1千人のガン患者の中から「ガンからの回復」に関する体験談調査をした。その結果72%もの回答の中で、「人生における重要な使命を理解して生き抜くこと」と「回復」との間に関係があることが示されており、彼は上述の結論に至った。)