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プライスウオーズ、王者陥落、吉野家の迷い-日本経済新聞.2013.1.24-

2013-01-24 22:00:56 | 経営全般

 今日の日本経済新聞に、牛丼の吉野家の迷いが記載されています。

 吉野家の迷いは、「価格設定」です。低価格で外食産業を席巻した吉野家が、低価格で勝負するかどうするかで迷っていると記載されています。迷っているのは、吉野家ホールディングスの安倍会長の迷いです。

 2001年に400円の牛丼を280円に価格設定し、デフレの勝ち組にのし上がった吉野家は、2003年、BSEが発生して、米国産牛肉にこだわり、価格競争力を失いました。2008年には、豪州牛肉を使い価格競争を仕掛けたすき家に店舗数で抜かれて、トップの地位か陥落しました。

 2012年秋には、480円の牛焼肉丼を販売、その後も390円の焼肉すくね丼を投入して価格訴求からの脱皮を図る方針を打ち出しました。しかし一方で、10月には、250円の東京都内最安値の牛丼を販売しています。迷いが出てます。

 政府は2%のインフレターゲットを打ち出しています。しかし、消費者は物価上昇を望んでいるのでしょうか。10年以上のデフレになじんだ消費者は、価格上昇に拒否反応を起こすのではないでしょうか。吉野家は、消費者の志向をつかめる力が薄れてきているのではないでしょうか。

 外食産業の「価格志向」は、当分続くのではないかと私は思います。吉野屋は結局、価値より価格を追求する道を近いうちに打ち出すのではないでしょうか。

 、政府がインフレに誘導しようと試みても、筋書きどうりには進まないと私は思います。なぜなら、消費者は、物価上昇、インフレなど望んでいないからです。そして、その消費者の志向を企業は敏感に察知し、「価格」に反映させるからです。