TSUNODAの経営・経済つれづれ草

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ベイシアの諦めない経営-日経ビジネス2008.7.14の特集記事から-

2008-07-13 14:37:50 | 地域産業
 日経ビジネス2008.7.14号の特集記事に地元小売業の雄「ベイシアグループ」のことが掲載されています。内容は、国内消費の低迷と値上げ圧力の逆風下で、好調な業績を維持し続けるベイシアグループについてのその徹底したローコスト経営についてです。特集は土屋嘉雄ベイシア会長のインタビューも掲載しています。

 特集記事の核となっているテーマはベイシアグループの徹底した「安売りのシステムとその安売り魂」です。ベイシアグループは10期連続増益で、売上高7500億円を達成しています。特集記事ではベイシアグループ企業の安売りのシステムを記載しています。

 カインズは低価格なPB商品の開発に力を注いでいます。全売上高のPB商品の占める比率は25%になるといいます。カインズは売上日本一のホームセンターです。地元西部モールのカインズは伊勢崎オートレース場の隣接した場所に移転しましたが相変わらずの混雑です。下はそのカインズです。

 

 セーブオンは、ベイシアグループのコンビニです。セーブオンの特長は損益分岐点が日商30万円でも利益がでることです。店舗コストが競業他社と比較してローコストです。店舗はプレハブ工法でつくられています。下の写真はそのセーブオンです。売上高590億円で営業利益12億円、店舗数は558店舗です。地元群馬県ではどこにもあるコンビニです。



 ワークマンは作業服専門店です。売上高500億円、営業利益44億円、店舗数606店です。このワークマンは超優良なグループ企業です。ワークマンはメーカー直取引を実現して作業服小売店の価格破壊を実現しました。そして究極の鮮度管理として、店舗そのものを刷新するというから大胆です。600店にうち、古くなった店の5~10店を黒字でも閉店し、新たな立地で開設します。この手法で全店黒字化しています。あまり目立たない場所に立地していますが、確実に利益を上げています。下の写真は西部モールに立地するワークマンです。



 そしてグループの中核、ベイシアです。売上高2500億円、営業利益94億円、店舗数92店舗です。ベイシアの食品の価格は確かに安いです。また、店舗レイアウトも頻繁に変更します。組織として販売効率改善部という部署が坪当たりの売上、粗利益、経常利益などを見ながら、不振部門を常時チェックしています。下の写真は西部モールの中心「ベイシア」の店舗です。


 このほか、ベイシア電気、オートアールズ、清閑堂などが主なグループです。また、西部モールには「いせさきガーデンズ」というモールを創造して集客力を高めようとしています。



 私はベイシアが「いせや」という名前のころを知っています。近所にはいせやに勤めていた人もいました。そのころはまだほんとうに一地方都市の零細量販店ということでした。そのころから商品は安かったです。しかし、安かろう悪かろうでいせやで買うのはなにか気がひけたものです。

 しかし、そのロープライス経営に徹底したことが今のベイシアになったのです。土屋会長のインタビュー記事に、ベイシア本部の会議室「凡事徹底」という標語が掲げられてると書かれています。いせやが開業したのが昭和33(1958)年ですから、ほんとうに愚直に「凡事徹底」した50年だったのだなあと私はかつての「いせや」を知る者として思いました。