物語・教え「小野道風とカエル」
幼心に教えられた物語です。
近くの公園を散策していたら柳が垂れ下がり、池に影が映っていました。
ふと思い出した、カエルは居ませんでしたが「道風&カエル」でした。
むかしむかし、小野道風という、書道の達人がいました。
その道風(とうふう)が、まだ書道の達人と呼ばれる前のお話しです。
ある日、一生懸命に字を書いていた道風は、書きあげたばかりの紙をクシャクシャに丸めると、壁に向かって投げつけました。
「駄目だ! これでは、駄目なんだ! なぜ書けない! ・・・ああ、わたしには才能がないのだろうか?」
道風が壁に投げつけた字は、とても素晴らしい字でした。
ですが道風は満足できず、それからは筆を持とうとはせずに、ただぼんやりと庭の方を見つめていました。
・・・・・・・・・・・・・略・・・・・・・・・
気晴らしに、散歩でもしてきたら」
「・・・確かに。では、ちょっとそこまで、ぶらぶら歩いてきます」
道風は傘を持って、外に出ました。
・・・・・・・・・・・・・・・略・・・・・・・・・・
外は、細かい雨が降っています。
道を下って行くと、いつの間にか池のそばまで来ていました。
その池には柳の木が生えていて、その柳の木の若葉が風にゆられながら池に影をうつしています。
「ああ、この柳の様に、やさしく生き生きとした字が書けたらなあ」
その時、柳の枝の下で、何かが動きました。
「おやっ?」
よく見ると、池のふちには一匹のカエルがいて、じっと枝を見上げています。
どうやら柳の葉先にとまっている虫を、狙っているようです。
「カエルは、あの虫を食べたいのか。しかし、あれほど離れていては無理だろう」
カエルは柳の小枝目掛けて、ピョンと飛びました。
でも道風の思った通り、カエルは小枝に届かずポチャンと池に落ちてしまいました。
「やっぱり」
でもカエルは、あきらめません。
池から出てくると、小枝目掛けてまた飛びました。
そして失敗して、またポチャンと池に落ちました。
カエルはまた飛びましたが、今度も失敗です。
道風は、カエルに大きなため息をつきました。
「駄目な事は、何度やっても駄目なんだ。カエルも、・・・わたしも」
しかしカエルは、何度失敗してもあきらめません。
七度目、八度目、九度目、そして十度目。
「あっ」
とうとうカエルは、柳の小枝に飛びつきました。
そして長い舌で、虫を捕まえたのです。
それを見た道風は、カエルに教えられた気がしました。
「あきらめては、駄目なんだ!
自分の字を書く事は、日本人の字を書く事は、とても難しい事だ。
だからと言って、あきらめては駄目なんだ。
いくら時間がかかろうとも、辛抱強くがんばろう。
あのカエルに、負けないように」
こうして道風は再び筆を取ると、あきらめずに字の練習を続けました。
それから何年も努力をして、ついに自分の字を、日本人の美しい字を書けるようになったのです。
誰でも困難な事にぶつかると、あきらめようと考えます。
でも、この道風やカエルの様にあきらめずに頑張れば、努力を続ければ、き
っと困難な事を打ち破る事が出来るでしょう。(おしまい)
参考
戦前の国語・修身の国定教科書から今読んでも心に残る名文を厳選し収録。日本全国
津々浦々、戦前の子供たち誰もが読んだ偉人伝や歴史物語など、戦前の日本人を育てた
名文から戦後忘れかけた日本人としての心を再認識する。
1 国語 小学校一・二年生(少彦名神;笛の名人;小野道風 ほか)
小野道風は花札にも~
鎌倉公園の柳
池に映った柳
諦めない 強き思いで こと動く(詠み人不明)
コメント欄は開いています。
柳は最近見かけないですがこちらの葉あるんですね
諦めない…そうですよね
今はちょっと事情が違うかな
私がやってたら頭使いなさいって言われそうです(笑)
あきらめず 続けるって 確かにいことだと思いますが
あきらめるのが楽なもんで・・・
丁度これから書道の稽古をしようとしていて尚更でした~
「努力を続ければ、きっと・・・」↑はい!
4月10日書道提出作品6点が何とか出来上がり、後は漢字条幅準師範検定の作品に取り組んでおります。
良いお話を熟読させて頂きました。
≫≫≫
昔はこれが通っていましたし、努力を続ける事は大事だと思うのですが
今はちょっと事情が違うかな
私がやってたら頭使いなさいって言われそうです(笑)
・・・の、御意見を見て大変に参考になりました。
仰る通り昭和と、平成の時代は全く違います。
以前は、忍耐自重、一生懸命、苦しさに耐える…の時代で何でもその人、人間に負担をかけて完遂する
「努力型」の人間形成であったのは確か。
現代は、いろいろな道具、機械等を利用して共に頑張ろうと言う考えそのものが代わってきています。
昨日の新聞が、
『AI、東大理3「合格」』英語は高得点、数学は苦手。
の記事を大学入試とてAIが試験的実施で合格ビックリです。
隠忍自重、頑張りなさい、一生懸命という言葉が通じなくなりました。
要は考え方、一つのことにとらわれずに別な方策を考える!!こんな時代なのだと思いました。
皆さんの、考え方、世間の見方見て大変に参考になりました。
子供の頃 父親が話してくれました。
「とーふ?」 といって笑いが止まらず 叱られたことがあります。
花札・・・ありますね。 雨って言ってたかな?
結構長期間 桜が がんばっています。
🌸🌸🌸🌸🌸🌸🌸🌸
皆さんへ
でチョイと書きましたが、滅私奉公、頑張る、一生懸命・・・・・なヌ言葉は消えつつあり、
発想の転換、次なる工夫、考え方、次なる手段の転換をした方が現代の生き方のようです!!
↑皆さんへをお読み下さい。
チーチーパッパの先生はみんなに拍手を求め
自らも大きな拍手をしましたとサ・・・。