トロルお爺の”Satoyaman”林住記

生物生産緑地にて里山栗栄太が記す尻まくりワールド戯作帳

優柔不断大敵「庇を許して母屋を取られる」

2022-08-10 | 今日は真面目に
 突端台地に設えたキッチンガーデン、と言うよりインセクトキッチンと言った方がより近い表現だろう。キッチンガーデンと称すれば何か「台所で使える食材」を育てている風に思われる。食材や食料の範疇には違いないが昆虫用の蜜や花粉が主なメニューなので今のところはノアザミ、フジバカマ、オミナエシ、ホトトギス、オイランソウが主ではあるが花壇としてより群落として景観の中に置きたいから定住可能かどうかの様子見の期間でもあるのだ。

 最初に定植したフジバカマの一画は昨年の開花で楽しませても頂いたしアサギマダラの訪問にも寄与してくれた。そのこともあり今期は更に株が充実して「花を楽しめる」と思っていたのだが食い意地を出したばかりに台無しにしてしまった。
 昨季の終わり頃、クサイチゴが数本姿を見せているのに気が付いたのだが「初夏にはイチゴを摘まめる」と容認したのだった。しかし今季に本数を増やして成長したクサイチゴは結実するのは来季である。そんな事で同居させていたのにこの盛夏にはフジバカマが見えなくなるほどの席巻ぶりだ。それでやむなく抜去する事にしたのだが唖然茫然愕然、驚き桃の木山椒の木。○○ブラブラソーセージ。全く持ってしょうもない。

 引き抜くたびに敷き落ち葉の下に張り巡らした地下茎がついてくる。おおよそ一坪ほどの範囲を抜去したのだが残ったフジバカマは弱り果てて葉数も少なく変色してしまっている。これでは今期の開花は絶望的で、でもまあ離れた区画は元気いっぱいだし今春に定植した株も開花は望めないまでも30cmほどに成長している。
 自種の群落形成するために他種を排除し易くする成分を持つのはイタドリがそうだと承知していたからイタドリは地下茎ごと抜き捨てていたのだが、まさかクサイチゴまでがそうだったとは知らなかった。「科学的にそうだ」という根拠は知らないまでも実体験としてそれ以外の作用は考えられない。
 隣りのオミナエシは影響を受けなかったのだがオミナエシも群落形成する傾向にある高生種・強健種だからそこそこ張り合える力はあるのだろう。
 こんな風に隙あらば現状変更・常態領有してしまうのは身近にある事でありクワバラクワバラでは済まず能天気はいかん。信義則や性善説など通用しない世界がそこにある。

 「花よりイチゴ」と思って選択した訳でも無いのだが正常性バイアスとでもいうべきか結果は油断大敵、根断最適のクサイチゴでありました。食い意地を出したばっかりに今までの苦労を台無しにした。
 写真のスカスカ状態を見れば被害が判ろうという物で「イチゴサッテモウシタモウシタ」は郷里の昔語りの最後の台詞だけれど今回は「イチゴ去らしてもうせんもうせん…」。

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今日のトンボ「オニヤンマのぶら下がり」

2022-08-09 | 小父のお隣さん
 日中の意気込みは「マルタンヤンマの産卵」を撮って載せる事だったのだがホバリング状態になるとシオカラトンボの追撃に遭って逃げ、20分ほど粘ったものの撮影できなかった。とは言え今期ようやくしっかりとマルタンヤンマの飛翔を見ていたのだったから許そう。
 もう一種はこのマルタンヤンマを注視している横に飛行して去ったトンボなのだが一見して水色と言うかルリ色と言うが体色の印象はそうだった。もちろん科も名も想定すらできず「アデユー」となった次第。シオカラトンボよりやや大きいサイズに見えたからサナエかエゾか。とんと不明なのに選択肢を出しても無駄と言うものである。

 今期は割合多くオニヤンマの飛翔を見ている。8月に入ったばかりと言うのにぶら下がりは既に数回は出会っているのだ。例年だと秋風が吹く頃にようやく撮影できたというのがオチである。この日はデジカメを忘れ已む無くスマホで撮影したのだがスマホの撮影は嫌いだ。今回もピンボケ。

           

**日々是好日

2022-08-09 | 温故痴新
          忍ぶれど臭い出でけりわが身体災事あるらん問われ恥ずかし
           忍ぶれど色に出でけりわが恋は物や思うと人の問うまで     平兼盛

          何んとなし飽き間に宿る憑き見ればわが身ひとつも業の波間に
           難波江の葦間に宿る月見ればわが身ひとつもしづまざりけり   藤原顕輔

          盛り場の誰ムクドリの喚き酒帰ります間も広げるコロナ
           春山の友ウグイスの鳴き別れ帰ります間も思ほせ我を      柿本人麻呂

          老いた身の頭に生える白髪のさびしき秋になりにけるかな
           大比叡の峯に夕ゐる白雲のさびしき秋になりにけるかな     八田友紀

          この面はまだ乾かぬぞ腹立ちのゲリラ降雨の拠りし屋根下
           庭の面まだ乾かぬに夕立の空さりげなく澄める月かな      源頼政

夏草やいのししどもの夢の跡

2022-08-08 | 今日は真面目に
 草勢や植生の手入は多様で「生物生産緑地」としてのコンセプトやビジョンでの作業は時々の現場合わせに近い対応になる。だから草刈りは「全草刈り払い命」と言うような従来式を観念しているほど「なんやねん!」と思われてしまう。それは「しょうがない」と全草刈り払いからの圧力「そう、せい!」に抵抗はしてもそこは多勢に無勢「提灯に釣り鐘」に等しい。
 まあ、それはともかく「全草刈り払い必死」の場所も確かにあって、この日は久しぶりに作業した。やはり「必要に応じて」部分最適化の総和で全体最適化を図らねばならない。

 突端台地の辺縁部は「地拵え」したまま経過しているから野草の育ちは半端でない。踏み入る機会も少ないから威之志士様の跋扈蹂躙と言うより「お休み処」に簡単に模様替えされる。まだ豚熱が流行する前は「気が付けば威之志士様のベッドルーム」になり果てるのは毎期の事だったのだ。豚熱で数を減らしたとはいえ全滅した訳でも無いから見通しを良くしておかないと進出を許すことになる。
 そこでこの日は草丈は背丈と同じ程度に密生したススキとセイタカアワダチソウを刈り払ったのだ。5月の頃はまだ草丈も低く夜間演劇の会場の一つだったのだが三カ月足らずで面影さえなく、刈り払ってみれば椅子にした丸太が転がって夢の跡を示している。
 あの漂泊俳人の山頭火の作をもじれば「分け入っても分け入っても高い草」てなもんや三度笠。

 ここは全草刈り払いとして当たるを幸いバッサバッサとなぎ倒し刈り倒して一件落着。奥まった辺縁部までは燃料が足りず次回持ち越しとなったのだが、この日はワクチン接種日だから作業は軽めで短めで早めに帰宅しシャワーを浴びて休息をとり注射だっただY。

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今日のエッ!品「はったい粉のバテ緩和クッキー」

2022-08-07 | 何よりの楽しみ
 はったい粉をまとめ買いし妄想したレシピで遊んでみても生まれも育ちも米どころの雅な出自ではそうそうヒット作には出会えない。この日も猛暑日の予報なので蟄居を決めてみたけれど朝食後からこっくりさんで遊ぶのは何とも情けない。ともかく午前中はなにがしか身体を動かす必要がある。そこで「はったい粉のクッキー」に手を出してみた。
 参考までにネット上のレシピを眺めてみると相も変わらず「はったい粉モドキ」「羊頭狗肉」「誇大レシピ」のオンパレードだ。他人様のレシピに注文を付ける気はないもののはったい粉が入ってさえいれば「はったい粉」の冠を付けるなど詐欺に等しい。薄力粉の1割にも満たない添加で「はったい粉の何々」では上げ底も甚だしい。少なくとも半分以上でなければ冠は虚飾と小生は感じるのである。
 はったい粉の分量よりバターや砂糖の方が多いのに「はったい粉の〇〇」では「はったい粉」が泣く「はったい粉儀装」である。そんな事がまかり通るのであれば居直りも居座りも学歴詐称も嘘の弁舌もニギニギも「何が悪い!」と高を括られるはずだ。まあ、「みんなでやれば怖くない」類に近く敷居が低くなってかつ「もっともっと」が肥大した結果だろう。「信義と誠実の原則」は中枢からさえも見える事は無いのだ。

 これでは増々猛暑が堪えるから漢は黙って秤を見よう。小事は大事なのである。さて、その分量は以下の通り。写真にはゆで小豆は入っていないけれど、これは途中で「夏バテ防止クッキー」案に鞍替えしたためだ。ともかく様々な食材を「摂る」これに尽きるのであってサプリメントでは役立たず、というより王道ではないのだ。「武士は食わねど高楊枝」「男は黙って雑レシピ」。
              はったい粉     100g
              薄力粉        60g
              キビ糖        60g
              バター        20g
              卵           2個
              ゴマ      大さじ 1
              塩           3g
              ガーリック紛  中さじ 1
              ゆで小豆       190g

 生地をまとめ1時間ほど冷蔵庫で休ませる直前に庫内のゆで小豆を思い出して混入させた。生地の水分量は今まででの出色の出来栄えで、延ばせば型抜きも容易な性状になったのだが型抜きせず平焼きのつもりだったから少々緩くはなったものの小豆入りとしたのだ。
 結果的に生地の水分量が増して焼き上がりはレーズンクラッカーより柔らかめでシットリしている。味わいはさっぱりしつつもゴマと小豆の風味が口中に広がり、水分が多くなった事もあり猛暑日の喉の渇きを感じる日でも食べやすい。と言う事は「食欲が失せても食べられる」感触と言うか食べやすさが出た。
 今回はあてずっぽうのレシピであったものの出来上がりは久しぶりに💮であった。しかしなあ、はったい粉の一品は変わりなく色合いが悪い。この色合いで「食欲が失せた!」と言う向きもあろうけれど爺作爺食のエッ!品なので遠慮も弁解も羞恥も用無しである。
 かの禅僧曰く「クッキー焼成すれば猛暑もまた涼し」なんちゃってシンデレラ。エチゴサッテモウシタモウシタ。

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椿 賛樹労である・・・

2022-08-06 | 今日は真面目に
 今期、例年より刈り払いの労力が少ないのは伸ばして植生の状態を観察したいからである。かといって全く刈り払いをしなかった訳でも無く「ネザサ刈り」は年間数回は欠かせないしシュートを出して危ないノイバラなどはスポット除草をしてきた。
 突端台地の斜面に植えた椿は大きくなって樹下を日陰にしているから野草の伸長は遅いものの刈り払わないとネザサのシュートは既に1mに達している。「密度が薄いから…」なんて考えで後回しにでもしようものなら地下茎に養分を貯め込み株を大きくさせる事になる。それではネザサの藪を刈り払って植生を変えた意味が無くなる。根絶は出来ないまでも抑制は止めてはならない作業である。

 ツバキが成長し隣りと触れるようになって「椿の壁」みたいになっているが整枝剪定は幹の下部だけでそれも作業の邪魔にならないよう空間をとっているだけである。この整枝剪定を行わなかった当初、コガタスズメバチの営巣が毎期あって、翌期には巣のあってことなど忘れているので概ね「逃げ走る」事になっていた。低い位置に営巣する事が多いので刈り払いの時の刈り払い機の動線によっては巣を切り落としたり衝撃を与えたりすると突然の来襲となってしまう。
 フエースガードは黒色のネットで蜂の姿を発見し難いし発見できても足場の悪い斜面で草刈り機がベルトで装着されているから逃げるのもままならず慌てて転倒などしようものなら草刈り機の餌食もなりかねないのだ。こんな時は片手で追い払いつつ後ずさりするしかないのだが昨年は尻もちついて段々一段落下、幸いにもまだ生きている。

 そんな訳で時には思いだし作業前に「蜂の飛翔は無いかどうか⁉」の観察をするものの見落としすれば同じ轍を踏むのであった。幸い今期は下枝の処理をしておいた結果、空間がたっぷりあった事もあり巣は無く安全に作業できたのだ。ついでにインセクトガーデンも大雑把に刈り刃を入れておいた。ススキ、イタドリなどの他を席巻する植物が中心なので手を入れた範囲は雑然として見える。これはこれで生物多様性を寿ぐ環境に優しい「生物生産緑地」の姿なのだ。

 ツバキそのものはまだ苗木の入手が容易でなかった頃に県の種苗生産場で「掘り取って行くなら無料で払下げ」との伝手で入手したのだが、結果的に花粉や蜜源となる草木の少ない時期の貴重な樹種になっている。そのことでも下草刈りは欠かせない。
 小さな写真の手前、刈り払いを始めてから思い出して撮影したから半分は刈り払ってしまった後である。奥の草丈が刈り払う前の姿だ。

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今日のトンボ「休戦共停」

2022-08-05 | 小父のお隣さん
 ほぼ一週間も続いた熱中症警戒アラート発令も今朝は27℃、相も変わらず熱帯夜だったとは言え涼しい一日の始まりである。小学生の頃の夏休みの事、あまりの暑さに寒暖計を見て「28℃ではなあ…」と思ったのをいまだに記憶しているが、その今は30℃で「涼しくなった…」と思うのだから惚けも極まれりである。

 さて猛暑日が続こうとも元気なのがトンボで、ヤンマにさえアタックしていく攻撃的なシオカラトンボの♂。それでも、時には母の無い子のように独りで歌を歌ってみたり…ではなく休まなくてはやってられんのである。
 いつもなら休んでいても近くに競争相手が来ても来なくても他種にだってアタックする暴れん坊勝軍なのにこの日はおとなしかった。カワセミの見張り台にと刺した竿に止まったまま他のトンボの休息を許していたのだった。この撮影でシャッターを押す直前まで三匹並んでいたのだがタイミングが遅かった。飛び立ったのはオオシオカラトンボの♂だったけれどよくもまあ、三匹並んだものだと感心してカメラを向けたのだ。

 しかし、人生はそうやすやすと思い通りに運ばない。今回も「マーフイの法則」通り貴重な機会を「まあ、フイ!」にされたのだった。喧嘩っぱやいシオカラトンボさえ無用な争いは避けるのにあの小仁やこの小仁はそれすら出来ぬ。それなのに自分の本性を他に塗り付けて糊塗して平気。もともと赤の他人ではあるが「嘘つきは他人に始まり」と言われているのに寄り合い所帯の場所もある。まあ、「ネコババとン?拾人の党族」か…
 名著に曰く「その以す所を視、その由る所を観、その安んずる所を察すれば、人いずくんぞ廋さんや、人いずくんぞ廋さんや」もってその通りである。「小人は必ず飾る」も付け加えよう。

       

       

細流の泥土に打産アカネかな

2022-08-04 | 水辺環境の保全
 上の池の法面に沿ってようやく細流を添わせるのが完成だ。本来の目的は池内の止水域に水流を作る事もあるが流入部に堆積する土砂の浚渫を容易にかつ搬出でき易い位置にまとめる事なのだ。今回の絞り水の流れは降雨で増して山腹からの地下トンネルから土砂を吐き出す。この量もバカにならず何とか林道に近い一画まで誘導したかったのだ。
 傍目から見れば「何たる愚行、無駄骨!」と思われる所業でも明確な意図はあるし「ベター」な造作でもある。

 堤は長柄のジョレンでの浚渫土なので前回の盛り上げ部もまだ足が沈む。この分だと年内は歩けそうもないのだが今回の延長で更に決定的になった。それでも細流が運ぶ土砂はバカにならないので林道至近に堆積させ浚渫搬出できれば池の浅くなるのを少しでも先に延ばせるだろう。
 過去、水深が浅くなる都度、オーバーフロー部を高くして水位を保ってきたのだが結果として池全体の泥の層は膝下までになっている。まだ水位を上げれる余裕はあるけれどそれに伴うオーバーフロー部の改修は土嚢頼りなのだ。正確には数えて無いけれど恐らく積み上げた土嚢の数は三桁になっているはずである。

 出来上がった細流、整えている傍からシオカラトンボが産卵していく。水面が広くても打水産卵する範囲は中央部ではない浅い部分で泥土か藻などに卵が落ちやすい部分で多い事から細流部は環境保全にも必要なのであると見るたびに思ってしまう。

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 ついでに林道からの集水路の浚渫も簡単に行った。今回、完成した細流はこの水路に接続し沈泥部に一括堆積させたかったのだが水傾斜が無ければ役には立たず、あと2m少々と言う距離で断念したのだ。

 泥にまみれた手足やジョレンなどを吐水口で洗っていたら擁壁に見慣れないカタツムリが居て首と言うか胴体が伸びる事伸びる事、マッチ棒のように伸びていく。「何だこれは⁉」と撮影したのだがどれもコケにピントが行ってカタツムリはピンボケばかり。泥にまみれて最後は虚仮にされて作業を終えたのだった。
 しかしながらこのカタツムリ、マイマイと言った方が適切かも知れないが「片瞑り」つまりウインクしてくれたのだった。でもなあ、小生の趣味ではないしタイプでも無かった。我が人生はこんなことばっかし・・・。

 それで思い出した。マイムマイムやオクラホマミキサーなどフォークダンス・テープレコーダーの音楽担当ばかりだった高校ワンゲル部歩こう会での役割。恥ずかしながら小生、意思とは反した意志を貫いたのだった。まあ、どっちに転んでも恥ずかしさは満載。今になって思えば「哀しい判断だった、愚かな行為だった・・・」マドンナの手に触れられる唯一の機会だったのにハイ、回想療法中。

心頭、滅却すれば真夏日もまた涼し…

2022-08-03 | 今日は真面目に
 毎日が日曜日、毎日が真夏日、毎晩が熱帯夜と高齢者ご優耐が続いておる「何をか言わんや!」ではなく「何も言えん」弱い齢なんぼの存在は唯々ひたすら凌ぐ事だけである。それでも姥捨て山の作業は「ハイ!、ハイ!、ハイ!」と餅つきの手返しのごとく行わねばならないのだった。「若き日、早や夢と過ぎ・・・」とフォスターの歌を口ずさんでも「老いたる日、葉や夢と杉・・・」へ現実と妄想がお雑煮状態、もうよそう、すぐもよおしてくるのも老いの路。

 この日の最高気温は33℃、蒸し暑く風もない。炎天下作業不向きだけれど社会的立場の弱い高齢者には抗議や苦情を受け付ける場所とて少なく、このコロナ感染爆発下ではお口チャックであろう。
 さて、先日来切断したままのナラ枯れで立ち枯れ、地下部分が腐食でこらえ切れなくなり倒れた太枝の部分を集積した。枝と言っても幹みたいな太枝がほとんどで細い先端部分はとうに落下し跡形もないのだ。

 集積はただひたすら抱えて運び、鳶口を打ち込み曳いて運びしてようやく目途がついたのだった。少し長めで「この炎天下では運びたくない重量」の太枝を更に半分にしている時にトラブルは舞い降りた。チェーンソーのアクセルレバーが戻らなくなったのだ。これでは手を放しても刃は回転しっぱなしで危険極まりない。ここで万事窮す、やむなく作業中止にした。拠点道具小屋に行き、分解整備すれば回復すると思いつつ「もう十分に動いた」感ありありだから「食べ残し放置」の気分で作業終了。
 まあ、難多溜痴吾、惨多溜痴吾、OH!それ見よ・・・。

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 しかし、帰宅して見れば唖然茫然愕然の事態が待っていた。留守電のメッセージランプが点滅している。高齢者となれば電話やメールは詐欺メール、詐欺電話間違いなしの登録なしの電話からがほとんどで、たまにメッセージがあっても自動配信音声の手あたり次第詐欺紛いばかりなのだ。
 今回も「そうだろう」と何気に再生ボタンを押したのだが凹んだ。ワンゲル部でリーダーだった友人の奥様からの訃報だったのだ。既に一週間は経っていたし、このコロナ禍では友人知人に連絡するのも差し控えての結果なのだと思うしかない。
 電話しようにも言葉が見つからないし弔問すら差し支えなければならない現実では暑さとは関係なく心は塞ぐだけで真夏日だって事さえ感じない。ご冥福を祈るだけである。
 前掲の歌詞の続きは「わが友 みな世を去りて あの世に楽しく眠り 微かに我を呼ぶオールドブラックジョー」だったか。
 「この世の朝 はやも過ぎて 黄昏る頃となりぬ・・・」もソノシートで聞いたアメリカ民謡の一節だが今は現実となって肉薄して来る。ましてや集積腐木材の小山を見れば嫌でも理解する人生成れの果て。すべては物質循環の中にあるのだ。塵は塵に、土は土に、命は命に、てなもんや三度笠。

どっちがツバメやら…ちょっとぉーっ!

2022-08-02 | 感じるままの回り道
 「ツバメ」なんて言ったところで通じない世の中になってしまった。低草地で人知れず舞っている小型のチョウ類は刈り払いされるとものの見事に姿が消える。全草刈り払いされればそこは単なる砂漠でしかなくなるのだがでもでも「きれいさっぱりした」が大方の満足度で「刈り払う」が目的になっている事が多い保全活動なのである。「生命生産緑地」なんて概念は無い。

 それはともかくこの日、足元で休息していたカップルをSさんが見つけた。小生としては「このクソ暑いのに・・・」の思いで凝視してしまったのだがこのカップル、何を思ったのか小生の腕に舞い上がって舞い降りたのだった。これ見よがしに見せつけたが実態は言葉には出せない文字でも表記できない姿のままだ。
 その昔、「チャタレイ夫人の恋人」とか「黒い雪」などが「映倫カット」や「刑事訴訟」になった歴史を鑑みると隔世の感がある。まあ、長生きはするものと言いたいけれど、わが皮膚の上でこうでは嘆きもひとしおで「あーあ、世も末」である。

 しかし、こんな機会はまたとない千歳一遇なのだからじっくりと鑑別する事にした。「ツバメはどっちだ⁉」しかし眼鏡をかけても小さすぎて老眼と乱視では判明しない。そこで自宅のPCモニターの出番だったのだが拡大しても判別できなかった。
 小生の名誉にかけて事実を記載するが「拡大はツバメの判定」のためであって、けっして悪い意図や指向はありません!。ここはキッパリと断じたい。図鑑対照してようやく翅の朱色の様子で双方とも「ツバメ」だったのだが、それはともかく図鑑を開いても「ツバメ」は探せない。傷心・撃沈・沈々・・・。

         

今日のエッ!品「摘果リンゴのはったい粉ムースもどき」

2022-08-01 | 何よりの楽しみ
 「ムース」と言ったところでおフランス料理やスイーツなどとんと縁のない小生なのでどういう物か知らずして放言するのである。
 摘果リンゴを腐るに任せるのも「もったいない」から漬物やコンポート風に仕立ててみたもののそうそう消費できるエッ!品にはならなかった。今般、はったい粉を購入してパン作りをしてみたもののグルテン不足でまとまらないし膨らまず撤退。捲土重来、粉もんの良さを生かすべくチャレンジしたのが「混ぜ合わせ」の合わせ技なのだった。

 最初はヨーグルト、次に摺り下ろした林檎でどれも美味しい。そこでまだ縁台に転がっている摘果リンゴを摺り下ろしてはったい粉を加えてみたら摘果リンゴを食べるより美味しくなった。冷やせばそのまま「冷菓」である。あの宮沢賢治の「冷菓の夏はウキウキ食べる」は本心なのだったね。
 そこで妄想が進む。バナナ、桃、梨と合わせてみたらどれも美味しさが爆発だ。「調理は爆発だ!」と言った画伯の一発もまた真理だったのである。しかしなあ、桃やナシを購入したばっかりに我が巾着も爆発してしまった。残りのはったい粉は水で溶いて食べるしかないか・・・。

 そんなこんなでも思った事は「この粉もん、もっとメジャーになれるはず!」と言う事で、離乳食から栄養食、病人食から老人食、お八つからスイーツまでと多彩なアレンジが出来そうだ。行動食から飢餓食までもカバーできる優れもののはったい粉はどうして脚光を浴びないのか不思議でもある。
 結局は「古臭い・貧乏くさい」範疇なのかも知れないが生産者の奮起とバリエーションの付加を期待したい。キャンペーンには「はったい粉は人類を救う!」を使おう。
 そのままでも食する事が可能だし水分のある食材を加えれば更に美味しい一品が即席で出来、栄養価も高いはず。はったい粉にミドリムシと昆虫粉末を加え飢餓地帯の食糧支援に加えれば「絶対粉」となると、いつも通りの妄想世界に脳味噌がトリップするのはホント、いつも通りなのだった。そしてドリップされたのは自己嫌悪オォーッ。

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