トロルお爺の”Satoyaman”林住記

生物生産緑地にて里山栗栄太が記す尻まくりワールド戯作帳

ジュズダマの抜去

2022-08-28 | 小人閑居して憮然
 もともとは小生が流域本流の河床から採種したのを蒔いたあと始末なのだ。10年ほども前の事でクロコノマチョウの食草にと10粒ほどをばら蒔いたのだが数年は大人しいままだったのに、ある時から俄然勢力が大きくなり様子を見ながら間引いて数を抑えていたものの勢いは止まらず草丈も株数も他を圧倒する有様で、遂に全草抜去し元の植生に戻す事にした。

 今期初夏の頃にジュズダマだけ刈り取ってあるのだが、こんなことではへこたれない性質でしっかりと復活している。やはり根茎ごと抜き取らねば衰退根絶は出来ないのだった。チョンチョン鎌を研ぎなおし、これを株もとに打ち込み根切りを行い引き抜く事1時間、思っていたより早い終了だった。
 と言うのも法面は全て浚渫土を重ねて構築した地盤なので土質は柔らかい。この法面形成するのに何年かかったか思い出したくも無いけれど、今ではしっかりとした植生の中に今期定植したハンノキが背丈を倍にして育っている。これを食草とするチョウは現在生息していないもののハンノキが成木になる頃までに飛来し定着すればこの上ない。

 今回のジュズダマの抜去根絶は小生の「不明の至り」なのであって、クロコノマチョウの食草はススキも葦もあるから不足はないと思いつつ「食の多様性」なんちゃって導入した結果なのだ。ジュズダマ自体は至近のY川河床にうんざりするほど繁茂しているから敢て持ってくるほどの植物ではないけれどそこはそこ、少しばかり浮気の虫が蠢いて手を出してしまった、と言う男の性みたいな顛末に近い。
 ジュズダマを抜去しても見た目は殆ど変わらず踏み荒らしたようにしか見えないが、植生の構成からすれば協調性のある植生群落になったと言うべきだろう。まあ、自分で自分の自らの不品行を是正した・・・てなもんや三度笠。
 もともと、本来、教科書や手引書なんてもんは無いのであって、とにもかくにも痒い蚊の跡、自行自得するしかないのだった。

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