トロルお爺の”Satoyaman”林住記

生物生産緑地にて里山栗栄太が記す尻まくりワールド戯作帳

ハイサイ散歩

2021-09-26 | 水辺環境の保全
 「ハイサイ沖縄」だったか歌う歌詞があったような気がするが小生的には「排砂沖縄」と漢字が浮かぶ。まあ、考えてみるまでも無くさぞかし砂を噛む、あるいは臍を嚙む思いで綴られてきたのが沖縄の現実史なのだ。それを想えばステイホームなぞは戦禍を避けてガマの中に避難した事と比べればどうってことは無いはずなのだが、耐えうるハードルは消石灰の白線程度になってしまい「線引き?ハードル?規制線⁉」みたいな受け止め方で、まあ、これが浮世の現実だろう。
 小生の郷里は豪雪地帯だったから集落の二階家さえ雪の下に埋もれ雪っ原にしか見えない積雪は普通だった。半年は暗い室内で冬籠り、娯楽と言えばラジオだけ、食べ物は漬物・煮物など限られた「ばっかり食」だった。こんな生活が半年続いても「ストレス」なんて思わなかったものだが・・・。

 さて先日の事、朝から雨模様で仕方なく座布団二枚重ねで壁に寄りかかり録画していた映画1本を早送りで見たのだが、そのあとがいけない腰痛が始まったのだ。昼にかけて段々と痛みが増す。湿布を貼りたくても手持ちがない。購入に出たくても腰をかがめた不自然な姿勢で店内を歩けば万引きの不審者に思われかねず断念して翌日まで我慢した。
 翌日は暑いくらいの快晴、痛みはあるも姿勢は我慢すれば平常姿勢をとれそうだからドラッグストア開店時間に合わせて自宅を出発し湿布を購入しフイールドへ行った。フイールド駐車場には会友のYさんだけだからズボンを下ろしシャツをたくし上げてまずは湿布貼り、こうでもしなければ動きが取れない。人目など気にするもんか!。

 もちろん腰痛の状態では作業は出来もしない。自宅で椅子に座しているよりは歩いている方が楽なので、この機会にしばらく行わなかった「排砂作業」をすることにしたのだ。強いて言わずとも「排砂散歩」である。作業前の吐水量計測では毎分18リットルで最大吐水量の7割弱だった。この数値では緊急事態でも無いけれど散歩がてらの排砂作業に出かけた。
 ショルダーバックに砂浚いの柄杓、携帯スコップ、菊ハンドル2種、それに飲料水1本を入れ、今まで使った事も無く死蔵していたステッキをついての歩行だ。下半身が不如意でとっさの動きが難しいと判断した安全策である。

 まず最初は尾根越えする道の分岐にあり吐水口まで上昇していく送水管の排砂バルブを開けた。この排砂バルブで尾根をまたぐ逆U字に敷設された範囲の排砂が出来る。バルブはそのままにして尾根越えし隣り沢まで歩くのである。道中ついでに尾根上端部にある溜め桶もチェックする。ここは昨季にアマゾンフロッグビットを投入され繁殖していたスポットで、しばらくぶりの道中なので確認に行った。あらぁ見た事か!、全面がアマゾンフロッグビットに覆われているではないか。
 春にも撤去しているが水草は細胞の一片でも残っていると復活するので厄介この上ない。それでもここは独立した溜め桶だから排除しておけば当座は安心である。それにしても盗掘する輩、導入する輩入り乱れての闊歩ぶりには憤りの持って行き場も無い。小網で水中を掬ってみたがボーフラやユスリカの幼虫1匹さえ見つからなかった。アマゾンフロッグビットの繁茂で暗黒の世界だったはずだ。食物連鎖にさえ悪影響を及ぼしている。
                      ➡   

 尾根を越え沢筋の標高最低部にある排砂バルブを開放する。ここもそのままにして取水部の手入を済ますのだ。久しぶりの取水部、取水升のフイルターは土砂で覆われて落水音だけが聞こえる有様だ。取水升満杯にはならずほとんどが流れ去っていく状態だった。
 とりあえず取水路を手入れして奔流時に流れを離れた枝水路を潰し本流1本にしてから取水升周辺の砂泥を取り除き、フイルターも外し取水升内の砂泥を柄杓で掬い取った。以前、設えた二重の透水壁が役立って、取水部が土砂で埋没するような事態は減ったもののフイルター部の手入は必要である。それでも豪雨さえ無ければ数カ月は手入不要になったし、断水でエンジンポンプを持ち込み「強制排砂」の回数も減ったから楽にはなったのだ。
                   ➡   清掃完了
           

 帰路は順路とは逆に最低部のバルブを閉めてから尾根の向こう側、上昇部のバルブを締めなけらばならない。この間の時間差で尾根をまたぐ送水管部の排砂が進むという塩梅予測である。
 帰路は尾根を越える道を通らず沢の接続するY川沿いを歩いた。フイールドとは異なるトンボ相があるからだが三面張りの川いっぱいにツルヨシが密生して流路は見えなくなっていた。これではカワトンボは寄り付かない。仕方が無いから休耕畑の上を舞うウスバキトンボを眺めていたら一匹だけ大型トンボが混じって盛んに採餌飛翔をしているではないか。胸のグリーンが鮮やかだからクロスジギンヤンマだと思って眺めていたのだが、近くに寄った折りに腹部の小豆色を確認できた。ギンヤンマのメスに間違いないだろう。産卵時ではない採餌行動のメスは恐らく初の観察だ。腰痛に悩んでいても楽しみは向こうから来てくれた。腰痛でも歩けばトンボに出会う・・・。

 翌朝、流量測定を行う。毎分22ℓなので2割増しと言うところで最大吐水量26ℓ/分の8割程度だ。これ以上の増量を望むにはエンジンポンプを運び強制送水を小一時間ほど行わなばならない。流速と水圧を高める事で送水管内壁で成長したバイオフイルムが除去出来て初めて可能になる量なのだ。しかしながら腰痛状態ではこの作業は不可能で年内に実施する程度のつもり。
 まあ、自業自得と言うべきなのだが、悪い姿勢と認識していてもこの手太楽で、10日間くらいはブラブラ病状態だ。やりたいことは多多あるのにも関わらず…我が身の不始末わが身で始末、ため息になる。

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