人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

カーチュン・ウォン ✕ 小山実稚恵 ✕ 読売日響でモーツアルト「ピアノ協奏曲第20番」、ブラームス「交響曲第4番」、バーバー「弦楽のためのアダージョ」を聴く

2019年02月28日 00時18分03秒 | 日記

28日(木)。「二月は逃げる」と言いますが、早いもので2月も今日で終わりです 今年も残すところあと305日になりました。明日から3月です

 

         

 

昨日の夕食は「寄せ鍋」にしました 何しろ時間があまり無かったので、鍋スープに材料をぶち込むだけでいい鍋料理(料理と言えれば)は簡単で助かります

 

     

 

         

 

昨夕、池袋の東京芸術劇場コンサートホールで読売日本交響楽団のコンサートを聴きました これは2019都民芸術フェスティバル参加公演です。プログラムは①バーバー「弦楽のためのアダージョ」、②モーツアルト「ピアノ協奏曲第20番ニ短調K.466」、③ブラームス「交響曲第4番ホ短調作品98」です ②のピアノ独奏は小山実稚恵、指揮はカーチュン・ウォンです

指揮者カーチュン・ウォンは1986年シンガポール生まれ。2016年第5回グスタフ・マーラー国際指揮者コンクール優勝者です

 

     

 

自席は2階K列5番、左ブロック右通路側です。会場はほぼ満席。読響+小山実稚恵の組み合わせはよく入りますね

弦楽セクションが配置に着きます。左から第1ヴァイオリン、第2ヴァイオリン、チェロ、ヴィオラ、その後ろにコントラバスという いつもの読響の編成。コンマスは小森谷巧氏です

1曲目はバーバー「弦楽のためのアダージョ」です    この曲はアメリカの作曲家サミュエル・バーバー(1910-1981)が26歳の時、1936年に作曲した「弦楽四重奏曲ロ短調 作品11」の第2楽章を弦楽合奏により演奏するものです   葬儀の時に流されるクラシック音楽といえば、ベートーヴェンの英雄交響曲の第2楽章「葬送行進曲:アダージョ・アッサイ」か バーバーの「アダージョ」か というくらいよく聴かれます    ひと言でいえば「静謐な音楽」です

カーチュン・ウォンの指揮で演奏に入りますが、極めてゆったりしたテンポで丁寧に音を紡いでいきます   悲しみを感じるというよりは、純音楽的に美しいと思います

2曲目はモーツアルト「ピアノ協奏曲第20番ニ短調K.466」です   この曲はウォルフガング・アマデウス・モーツァルト(1756‐1791)がザルツブルクを離れウィーンに出てきて4年が経とうとする1785年(作曲者29歳)の時に作曲されました モーツアルトのピアノ協奏曲で短調の曲はこのK.466と第24番ハ短調K.491だけですが、両曲とも名曲です 第1楽章「アレグロ」、第2楽章「ロマンツェ」、第3楽章「アレグロ・アッサイ」の3楽章から成ります

グリーン系の衣装に身を包まれたソリスト、小山実稚恵が指揮者とともに登場、ピアノに向かいます 数少ない例外を除いて、モーツアルトのピアノ協奏曲はオーケストラの序奏が続き、ピアノは女王の如くおもむろに登場します この曲も例外ではありません。ピアノが登場してからのオケとのやり取りはデモーニッシュでドラマティックです 第2楽章は穏やかに始まり中間部で嵐となり、再び穏やかに終わります。この楽章は好きです 第3楽章は音楽がドラマティックに疾走します この楽章の終盤でソリストは比較的長いカデンツァを弾きましたが、ベートーヴェンだろうか、ブラームスだろうか、はたまたフンメルだろうか 聴きごたえのあるカデンツァでした

カーチュン・ウォンの指揮は指示が適格で、楽員やソリストは演奏しやすいのではないかと思いました

ソリストのアンコールは同じモーツアルトかと思ったら、得意のショパン「ノクターン第21番ハ短調”遺作”」を鮮やかに演奏し聴衆のクールダウンを図りました


     


プログラム後半はブラームス「交響曲第4番ホ短調作品98」です この曲はヨハネス・ブラームス(1833‐1897)が1884年から翌85年にかけて作曲し、1885年10月25日にブラームスの指揮、マイニンゲンの宮廷管弦楽団により初演されました 第1楽章「アレグロ・ノン・トロッポ」、第2楽章「アンダンテ・モデラート」、第3楽章「アレグロ・ジョコーソ」、第4楽章「アレグロ・エネルジーコ・エ・パッショナート」の4楽章から成ります

カーチュン・ウォンの指揮で第1楽章の演奏に入ります 冒頭のため息のようなメロディーを聴いた時、この曲に合わせて1曲目のバーバー「アダージョ」をプログラミングしたのだろうか、と思いました 第1楽章が終わってもタクトは下ろされず、そのまま第2楽章に入りました こういうやり方はあまり見たことがありません。第2楽章が終わるとさすがにタクトは下ろしましたが、ほとんど間を置くことなく第3楽章に入りました この楽章ではトライアングルが活躍しますが、ステージを見てもどこにもトライアングル奏者がいません 音のする方角を見ると、2階左サイドのバルコニー席の扉近くにスタンバイしていました トライアングルを2階に上げるという試みも初めて見ました 別のアングルでトライしようとしたのでしょうが、これは効果的でした また、この楽章では固いマレットによるティンパニの打ち込みが爽快でした また、第3楽章から第4楽章にかけても間を置かず続けて演奏しました このことから分かるのは、カーチュン・ウォンはこの曲を大きく前半と後半の2つの塊りと捉えて演奏したということです その意図は本人にしか分かりませんが、楽員の集中力を維持するためには有効な手法だと思います

演奏では木管楽器、とくにフルートのフリスト・ドブリノヴ、クラリネットの藤井洋子、オーボエの蠣崎耕三、ファゴットに吉田将の演奏が際立っており、金管ではホルンの松坂隼の演奏が冴えていました

アンコールはブラームスの「スラブ舞曲」の何番かと思いきや、エルガーの「愛のあいさつ」でした カーチュン・ウォンはゆったりしたテンポでたっぷりと歌わせ、聴衆のクールダウンを図りました

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