人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

梅田俊明✕東京藝大でバルトーク「管弦楽のための協奏曲」、北原幸男✕武蔵野音大でベートーヴェン「第九交響曲」を聴く~音楽大学オーケストラ・フェスティバル2018

2018年11月25日 07時24分33秒 | 日記

25日(日)。わが家に来てから今日で1514日目を迎え、2025年国際博覧会(万博)を大阪で開くことが23日、パリで開かれた博覧会国際事務局総会で決まった というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

      2020年の東京五輪 2025年の大阪万博 と浮かれてばかりではいられないと思うよ

 

         

 

昨日、ミューザ川崎で「第9回音楽大学オーケストラ・フェスティバル2018」の第1日目の公演を聴きました

自席は1階C4列29番、センターブロック右から2つ目です 他の会場だと4列目は前過ぎると感じますが、ミューザの場合は舞台が低いのでステージ奥の管楽器奏者の顔も良く見えます 会場は7割くらいの入りでしょうか

 

     

 

プログラム前半は、梅田俊明指揮東京藝大シンフォニーオーケストラによるバルトーク「管弦楽のための協奏曲」です  ベラ・バルトーク(1881-1945)は、ナチス・ドイツと手を組んだ母国ハンガリーを去り、1940年秋にアメリカに亡命しました アメリカでは経済的にも健康面でも苦しい状況が続き 作曲活動を休止していましたが、1943年に入り「管弦楽のための協奏曲」を作曲します 翌1944年が指揮者クーセビツキーのボストン交響楽団首席指揮者就任20周年にあたり、また生誕70周年にもあたるということで、それを記念する意味でバルトークにオーケストラ作品が委嘱されたのです

「管弦楽のための協奏曲」という意味は、特定の独奏楽器は持たず、オーケストラの各パート、各楽器が協奏的な性格を備えているということで、ソロあり重奏あり、合奏ありという形をとるものです 第1楽章「序奏」、第2楽章「対の遊び」、第3楽章「エレジー(悲歌)」、第4楽章「中断された間奏曲」、第5楽章「終曲」の5楽章から成ります

この音大フェスティバルでは演奏に先立って、お互いの大学へのエールを込めてファンファーレが演奏されますが、武蔵野音大2年の田中宏一君 作曲によるファンファーレ「L’Aperitif」が同音大ブラス・メンバーにより華やかに演奏されました

東京藝大のメンバーが入場し、配置に着きます オケは左から第1ヴァイオリン、第2ヴァイオリン、チェロ、ヴィオラ、その後ろにコントラバスという並びです コンミスは今年7月度藝大モーニング・コンサートでショスタコーヴィチ「ヴァイオリン協奏曲第1番」のヴァイオリン独奏を務めた学部4年生・内尾文香さんです

オケを見渡して感じるのは女子学生が圧倒的に多いということです とくにヴァイオリンとヴィオラは男子学生が合わせて3~4人しかいません 管楽器も女性が多いです これが現在の音楽大学の現況ということでしょうか

梅田俊明が登場し早速第1楽章の演奏に入ります この楽章ではフルート、オーボエ、クラリネットといった木管楽器群が素晴らしい演奏を展開しました 第2楽章ではファゴットの演奏が光りました 第3楽章では弦楽器の渾身の演奏が心に迫りました 第4楽章では再度オーボエ、フルートが冴え渡りました この楽章では中盤に、馬が高笑いして いななくような音楽が演奏されますが、そのユーモア溢れる演奏は見事でした 第5楽章は一転、高笑いしていた馬が疾走するかのような軽快な演奏が繰り広げられました この楽章ではトランペット、トロンボーンをはじめとする金管楽器群の活躍が目立ちました 全体的に弦楽器、管楽器、打楽器を問わずレヴェルの高い演奏だったと思います

 

     

 

プログラム後半は北原幸男指揮武蔵野音楽大学管弦楽団・合唱団によるベートーヴェン「交響曲第9番”合唱付き”」です この曲はルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン(1770‐1827)がシラーの「歓喜に寄せて」に基づく独唱と合唱を第4楽章に取り入れて1822~24年に作曲し、1824年5月7日ウィーンのケルントナートーア劇場で初演され、プロシア王フリードリヒ・ヴィルヘルム三世に献呈されました

第1楽章「アレグロ・マ・ノン・トロッポ・ウン・ポコ・マエストーソ」、第2楽章「モルト・ヴィヴァーチェ」、第3楽章「アダージョ・モルト・エ・カンタービレ」、第4楽章「終曲」の4楽章から成ります

演奏に先立って、東京藝大4年の大脇滉平君の作曲によるファンファーレ「成長の樹」が、東京藝大ブラス・メンバーにより鮮やかに演奏されました

武蔵音大オケのメンバーが入場し配置に着きます オケは左から第1ヴァイオリン、第2ヴァイオリン、チェロ、ヴィオラ、その後ろにコントラバスという並びです。コンミスは水地久留美さんです このオケも東京藝大ほどではないにしても女子学生が圧倒的に多いです

北原幸男の指揮で第1楽章が開始されます。冒頭、ホルンの音が若干大きすぎるように感じましたが、席が前の方だったせいかも知れません 第1楽章と第2楽章を通じてファゴット、オーボエが冴えていました

第2楽章終了後、男女混声合唱がオケの後方にスタンバイします ソプラノ45人、アルト54人、テノール16人、バス22人、合計137人の大編成です 合唱でも女性陣が圧倒的に多い状況は変わりません 学生オーケストラの宿命でしょうか 次いでソリストの4人、ソプラノ=山口遥輝(はるか)、アルト=杉山由紀、テノール=鈴木俊介、バリトン=井出壮志朗がステージ中央のオケの後方にスタンバイします

北原のタクトで第3楽章の演奏に入ります この楽章ではフルート、クラリネット、ファゴットの演奏が冴えていました 第4楽章に入ると、いよいよソリストと合唱の活躍が期待されますが、ソリストは4人とも素晴らしかったです 4人の歌には何よりも溌剌としたベートーヴェンらしさを感じました 137人の合唱は圧倒的で、武蔵野音大合唱団のレヴェルの高さを証明しました

演奏が終わってJR川崎駅に向かう途中、あの学生たちは数年後に卒業したらどうするのだろうか、と考えてしまいました プロのオーケストラは欠員が出なければ補充しないでしょうし、欠員が出たとしても厳しい実技試験と面接が待っていることでしょう 学校の音楽の先生という道もあるかもしれませんが、やはり定員があるでしょう わが家の娘は4年生美術大学を出ていますが、希望通りの就職は叶わず、まったく職種の異なる仕事に就いています。これは音楽大学出身者も同じような状況ではないかと推察します

ただ、だからと言って、最初から希望も目標も持たず学生生活を送るのは時間の無駄でしかありません 大事なことは、今やるべきことに全力を傾けることだと思います 結果は自分が評価するものではなく他人が評価するものです どんな分野でも、成功する人はあらゆる方向にアンテナを張り、チャンス到来に備えて常に準備を怠らず チャンスを逃しません 後で後悔しないように、今を一生懸命生きてほしいと思います

 

     

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