人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

ジョナサン・ノット ✕ ダニエル・ホープ ✕ 東響でブリテン「ヴァイオリン協奏曲ニ短調」、ショスタコーヴィチ「交響曲第5番ニ短調」を聴く ~ 終始 熱量の高い演奏で聴衆を圧倒!

2019年05月26日 07時22分48秒 | 日記

26日(日)。わが家に来てから今日で1696日目を迎え、来日中のトランプ米大統領が国技館で今日の大相撲を観戦する というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

        飛んできた座布団を警護のSPが地対空ミサイルで撃ち落としたら 座布団3枚!

 

         

 

昨夕、サントリーホールで東京交響楽団の第670回定期演奏会を聴きました プログラムは①ブリテン「ヴァイオリン協奏曲ニ短調作品15」、②ショスタコーヴィチ「交響曲第5番ニ短調作品47」です ①のヴァイオリン独奏はダニエル・ホープ、指揮はジョナサン・ノットです

 

     

 

オケは左奥にコントラバス、前に左から第1ヴァイオリン、チェロ、ヴィオラ、第2ヴァイオリンという対向配置=ノット・シフトをとります コンマスは東響の顔、水谷晃氏です。会場はノット人気の為せる業か、かなりの聴衆が入っています。いつもこうだと良いのですが ステージ上には そこかしこに収音マイクが林立しています 演奏記録として楽団内部で使用するのか、定期会員特典CDのような形で生かすのかは不明です

1曲目はブリテン「ヴァイオリン協奏曲ニ短調作品15」です    この曲はベンジャミン・ブリテン(1913-1976)が1939年に作曲し、翌1940年3月28日にニューヨークのカーネギーホールで、アントニオ・ブローサのヴァイオリン独奏、ジョン・バルビローリ指揮ニューヨーク・フィルの演奏で初演されましたが、その後1958年に改訂されています 第1楽章「モデラート・コン・モート」、第2楽章「ヴィヴァーチェ」、第3楽章「パッサカリア:アンダンテ・レント」の3楽章から成りますが、切れ目なく演奏されます 井上征剛氏のプログラム・ノートによると、「ブリテンは1930年代後半、当時活動を共にしていた詩人オーデンの影響もあって、自らが社会的・政治的姿勢を強く押し出した作品を多く書いていた 『ヴァイオリン協奏曲』は器楽曲の形式の中に作曲家の政治理念を凝縮させた、この時期のブリテンを代表する作品のひとつである」とのことですが、「政治理念を曲の中に凝縮させる」と言われても、音楽として聴いている側としては、何が何だかさっぱり分かりません 続いて「スペイン内戦で敗れた反ファシスト派への共感の表明として、しばしばスペイン舞曲風のリズムが現われる」と書かれていたので、何となく分かったような気になりました 曲はヴァイオリンの技巧を極めたもので、ダニエル・ホープが極めて優れたヴァイオリニストであることは演奏を聴けば理解できました それとヴァイオリンの音色がとても美しいのが印象的でした

アンコールにシュルホフのヴァイオリン・ソナタの第2楽章を演奏し、満場の拍手を浴びました

 

     


プログラム後半はショスタコーヴィチ「交響曲第5番ニ短調作品47」です   この曲はドミートリ・ショスタコーヴィチ(1906-1975)が1937年に作曲し、同年11月21日にエフゲニー・ムラヴィンスキー指揮レニングラード・フィルにより初演されました 共産党による批判に対する名誉回復を成し遂げた傑作と言われている作品で、「社会主義リアリズムの偉大な成果」と賞賛されました  しかし、ショスタコービチの本心は未だに解かっていません 第1楽章「モデラート~アレグロ・ノン・トロッポ」、第2楽章「アレグレット」、第3楽章「ラルゴ」、第4楽章「アレグロ・ノン・トロッポ」の4楽章から成ります

ノットの指揮で第1楽章が開始され、荘重なカノンが展開します ノットは全体的に速めのテンポでグングン引っ張っていきます 左右に分かれたヴァイオリン同士の対話や、第1ヴァイオリン対第2ヴァイオリン+ヴィオラの対話が目で見ても楽しむことができ、対向配置の成功事例として記憶に残りました やはり、弦楽器の配置にはそれなりの合理的な理由があるものです 第2楽章はスケルツォですが、この楽章でも小気味の良い速めのテンポでサクサクと進め緊張感を持続させます 中盤でのコンマス・水谷晃のソロは素晴らしかった 第3楽章は一転、ゆったりとした葬送音楽となりますが、ここでは相澤政宏のフルート、荒木奏美のオーボエ、福井蔵のファゴット、吉野亜希菜のクラリネットが冴えわたりました ティンパニの連打で開始される第4楽章は、まるでオーケストラ総動員による”怒涛の快進撃”です

東響は終始 熱量の高い集中力に満ちた演奏を展開し、聴衆を圧倒しました あらためてジョナサン・ノットの非凡な統率力を感じさせるコンサートでした

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