人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

アシュケナージ✕庄司紗矢香✕ヴィキンガ-・オラフソン✕N響でメンデルスゾーン「ヴァイオリンとピアノのための協奏曲」、コダーイ「ハーリ・ヤーノシュ」、ヤナーチェク「タラス・ブーリバ」を聴く

2018年06月16日 07時58分19秒 | 日記

16日(土)。昨日は娘が1泊旅行に出かけたので、夕食は作りませんでした 自分だけのためには作る気がしません。私にとって料理は家族のために作るものです

料理と言えば、昨日の朝日朝刊の料理欄に「食中毒を防ぐ」として、食中毒予防の視点からは「加熱せずに食べる食品を先に調理すること」と書かれていました 例えば 肉魚料理と野菜サラダを作る場合、野菜サラダから先に作るということです。これは肉を切った時に包丁や手に着いた菌が野菜に移らないようにということです   私はいつも野菜サラダ ⇒ スープ・味噌汁 ⇒ 肉魚料理の順番に作っているので、衛生面からは合理的に調理をしていたことになり、安心しました ただ、記事に「まな板は野菜用と肉魚用と2枚を用意する」と書かれていましたが、そこまでやるか と思いました

ということで、わが家に来てから今日で1353日目を迎え、カジノを含む統合型リゾート(IR)実施法案が15日の衆院内閣委員会で、自民・公明両党と日本維新の会の賛成多数で可決された というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

       火事の法案じゃないんだから そんなに焦って強行採決しなくても 火種が残るぞ

 

         

 

昨夕、NHKホールで第1889回N響定期演奏会を聴きました プログラムは①メンデルスゾーン「ヴァイオリンとピアノのための協奏曲ニ短調」、②ヤナーチェク「タラス・ブーリバ」、③コダーイ:組曲「ハーリ・ヤーノシュ」です ①のヴァイオリン独奏=庄司紗矢香、ピアノ独奏=ヴィキンガ-・オラフソン、指揮=ウラディーミル・アシュケナージです

オケはいつも通り、左から第1ヴァイオリン、第2ヴァイオリン、チェロ、ヴィオラ、その後ろにコントラバスという並びで、コンマスは伊藤亮太郎です

 

     

 

1曲目はメンデルスゾーンの「ヴァイオリンとピアノのための協奏曲ニ短調」です この曲はフェリックス・メンデルスゾーン(1809‐47)が自宅でのサロン・コンサートで演奏するために1823年に作曲した作品です この時 彼は弱冠14歳でした 友人でヴァイオリニストのエドゥアルト・リーツのヴァイオリン、メンデルスゾーン自身か姉ファニーのピアノを想定して書かれたと推定されています 最初に弦楽オーケストラ版が、その後フル・オーケストラ版が作曲されました 私は6月3日にサントリーホール  チェンバーミュージック・ガーデンの「アジアンサンブル@TOKYO」で弦楽オーケストラ版による演奏を聴いたばかりです

この曲は第1楽章「アレグロ」、第2楽章「アダージョ」、第3楽章「アレグロ・モルト」の3楽章から成ります

拍手の中、ピアノ独奏の1984年アイスランド生まれのヴィキンガ-・オラフソンとヴァイオリン独奏の庄司紗矢香が登場します 背の高いオラフソンと小柄な庄司とはまるで大人と子どもです アシュケナージの指揮で第1楽章が開始されます この曲は”神童の先輩”モーツアルトのピアノ協奏曲がそうであるように序奏が長く、主人公のピアノとヴァイオリンはまるで女王のように「お待たせ~」とばかりにおもむろに出てきます ヴァイオリンとピアノの登場は短調特有の衝撃があります 不思議だったのは、この序奏部を聴いていたらモーツアルトを聴いているような感覚に陥りました アシュケナージは1962年のチャイコフスキー国際コンクールで第1位を獲得している実力派ピアニストでしたが、モーツアルトも得意にしていました それがタクトに現れたかのようでした。多分、ほかの指揮者だったらこういう経験はしなかったと思います

第2楽章を経て第3楽章に入ると独奏ピアノ+独奏ヴァイオリンとオーケストラとの丁々発止のやり取りが激しく展開し華やかなフィナーレを迎えます 全3楽章を聴いて思うのは、庄司紗矢香のヴァイオリンが活気がなかったのに対し、オラフソンのピアノは絶好調だったということです

二人はアンコールにパラディ―ス「シチリアーノ」を演奏し聴衆のクールダウンを図りましたが、庄司はこの演奏で名誉回復しました

休憩後のプログラムは順番が入れ替わり、1曲目はヤナーチェクの「タラス・ブーリバ」です この曲はレオシュ・ヤナーチェク(1854 -1928)が1915年に作曲(初稿)しましたが、その後抜本的な改訂を加え1918年に完成した作品です ニコライ・イーゴリの小説「タラス・ブーリバ(隊長ブーリバ)」に基づく標題音楽で、ウクライナを舞台に、ポーランド人の支配に反旗を翻したコサック隊長ブーリバと彼の息子たちの活躍を描いています

作品は第1曲「アンドレイの死」(次男アンドレイはポーランド人総督の娘と恋に落ちて仲間を裏切るが、コサック兵の攻撃を受け、父親に射殺される)、第2曲「オスタップの死」(長男オスタップは勇敢なコサック兵として頭角を現すが、ポーランド兵に捕らえられ殺害される)。第3曲「タラス・ブーリバの予言と死」(捕らえられたブーリバは火刑台の上からロシアの輝かしい未来を予言する)の3曲から成ります

アシュケナージのタクトで第1曲が開始されます 冒頭のオーボエ首席・茂木大輔がロマンティックな演奏を繰り広げましたが、彼の独奏は久しぶりに聴きました。やっぱり上手いです 第2曲では、終盤のクライマックスにおける伊藤圭のクラリネットの”最後の叫び”が印象に残りました 第3曲では、フィナーレにおける打楽器と金管楽器との対話が、村上春樹の小説でお馴染みの「シンフォニエッタ」にちょっとだけ似ているな、と思いました

最後の曲はコダーイの組曲「ハーリ・ヤーノシュ」です ハンガリーの国民的作曲家ゾルタン・コダーイ(1882‐1967)は1926年にオペラ「ハーリ・ヤーノシュ」を作曲しましたが、この組曲はその中から6つの音楽を選んで管弦楽用に編曲したものです 主人公のハーリ・ヤーノシュは19世紀初めの歴史上の人物で、ナポレオン戦争の退役兵士です。日がな一日 村人たちを相手に空想から生まれた手柄話をして聞かせるという内容です この曲は次の6曲から構成されています

第1曲「おとぎ話が始まる」、第2曲「ウィーンの音楽時計」、第3曲「歌」、第4曲「合戦とナポレオンの敗北」、第5曲「間奏曲」、第6曲「皇帝と廷臣の入場」。

ハンガリーの民族的な打弦楽器ツィンバロン(チェンバロの弦を耳かきの親分みたいな棒で叩くような楽器)が指揮台の左サイドにスタンバイします

第1曲「おとぎ話が始まる」は、R.シュトラウスの「ティルオイレンシュピーゲルの愉快ないたずら」の冒頭のような位置づけにある音楽です 第2曲「ウィーンの音楽時計」は楽しい音楽です まるでアニメやメルヘンの世界です 子供にこういう音楽を聴かせたら一度に音楽好きになるでしょう 管楽器群が大活躍します。第3曲「歌」では、冒頭のヴィオラ首席のソロが素晴らしく、中盤では茂木のオーボエが美しい音楽を奏でていました 第4曲「戦争とナポレオンの敗北」では、金管楽器群が大活躍します この作品の一番の聴きどころは第5曲「間奏曲」です ここではツィンバロンが大活躍します。オケの音が大きいのであまり良く聴こえないシーンが少なくなかったのが残念でした 第6曲「皇帝と廷臣たちの入場」では金管楽器と打楽器が戦勝に湧く宮廷を描きます

以上のようにプログラム後半は物語性を持った作品を2曲揃えたプログラムでしたが、聴いていて面白いのは断然「ハーリ・ヤーノシュ」です 要するに夢物語なので肩の力を抜いて気軽に聴ける音楽です

この日指揮をとったアシュケナージは今年81歳とのこと。ステージへの入退場に小走りしたりしているのを見ると、大丈夫かな、と心配になりすが、指揮台に上がるとシャキッとするのはさすがです

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする