人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

カザルス弦楽四重奏団「ベートーヴェン・サイクルⅤ~弦楽四重奏曲第3番、第2番、第7番”ラズモフスキー第1番”」を聴く~サントリーホール チェンバーミュージック・ガーデン

2018年06月11日 07時40分47秒 | 日記

11日(月)。わが家に来てから今日で1348日目を迎え、米メディア大手ウォルト・ディズニーは8日、「トイ・ストーリー」「カーズ」「アナと雪の女王」などで知られる同社のアニメーション部門の責任者ジョン・ラセター氏がセクハラ問題で今年末で退社すると発表した というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

      穴があったら入りたいって?「穴と雪の女王」があるよ ありのままで入ったら?

 

         

 

昨日、サントリーホール「ブルーローズ」で、午後1時からカザルス弦楽四重奏団「ベートーヴェン・サイクルⅤ~弦楽四重奏曲第3番、第2番、第7番」を、午後7時から「同サイクルⅥ~同 第6番、第16番、第15番」を聴きました これはサントリーホール  チェンバーミュージック・ガーデンの一環として開かれたコンサートです   ここではサイクルⅤ(弦楽四重奏曲第3番、第2番、第7番)について書きます

 

     

 

この公演の共通テーマは「4人の理想的な人々の対話」です。これは全公演に共通するテーマではないかと思います

1曲目は「弦楽四重奏曲第3番ニ長調作品18-3」です 1798年から1800年までに作曲され、ベートーヴェンの後援者フランツ・ヨーゼフ・フォン・ロプコヴィツ侯爵に献呈された6つの弦楽四重奏曲作品18の一つです 第3番となっていますが、作曲順からは一番最初に作曲されました

第1楽章「アレグロ」、第2楽章「アンダンテ・コン・モート」、第3楽章「アレグロ」、第4楽章「プレスト」の4楽章から成ります

第1ヴァイオリンのアベル・トマスの合図で第1楽章に入ります 初期の作品の中でも一番最初の曲ということで、ハイドン風の雰囲気を感じます これは第1楽章に限らず、すべての楽章について言えることです。珍しいのは第4楽章「プレスト」が弱音で終結することで、ハイドン流のウィットを感じます

この日は朝から梅雨前線と台風の影響で小雨模様だったことから湿度が高かったせいか、4人は楽章ごとにチューニングをしていました 前の3日間はこうしたことはありませんでした。スペインからやってきた4人にとって、日本の梅雨は初体験なのではないでしょうか


     


2曲目は「弦楽四重奏曲第2番ト長調作品18-2」です 第3番と同じ作品18の一つとして作曲されましたが、作曲順からは3番目の曲です

第1楽章「アレグロ」、第2楽章「アダージョ・カンタービレ」、第3楽章「スケルツォ:アレグロ」、第4楽章「アレグロ・モルト、クアジ・プレスト」の4楽章から成ります

この曲は第1楽章冒頭の旋律が挨拶を交わしているような印象を受けることから「挨拶四重奏曲」の愛称があります しかし、実際に聴いてみると、第1楽章に限らず第3楽章、第4楽章の冒頭も、別の言葉で挨拶を交わしているような印象を受けます 全体を通して生気溢れるメロディーとウィットに富んだ作品という点で、この作品の方が第1番よりハイドン流の音楽を感じました


     


休憩後の3曲目は弦楽四重奏曲第7番ヘ長調作品59-1「ラズモフスキー第1番」です ウィーン駐在ロシア大使ラズモフスキー伯爵の依頼により1805年から06年にかけて作曲した作品59の3曲の弦楽四重奏曲の最初の曲です

第1楽章「アレグロ」、第2楽章「アレグレット・ヴィヴァーチェ・エ・センプレ・スケルツァンド」、第3楽章「アダージョ・モルト・エ・メスト」、第4楽章「テーマ・ルッセ:アレグロ」の4楽章から成ります

中期の第1作ということで、第1ヴァイオリンはヴェラ・マルティナス・メーナーに代わります 第1ヴァイオリンを除く3人によって雄大なテーマが奏でられ、第1ヴァイオリンが加わります この日演奏された第2番、第3番の作品とはまったく別の新しい世界が開けたという印象を受けます ハイドン流のウィットに富んだ作品も確かに魅力ですが、それを踏襲していたらベートーヴェンではありません 従来の型をぶち破るのがベートーヴェンです この作品は「弦楽四重奏のエロイカ」と称されています。交響曲第3番作品55「英雄(エロイカ)」はこのラズモフスキー第7番の直前の1803~04年に作曲されたので、スケールの大きな明快な精神を受け継いだように思われます

この曲は当時としては革新的な四重奏曲だったため、「シュパンツィク四重奏団が初めてこの曲を演奏した時、人々は笑い出し、ベートーヴェンが冗談のつもりでこの曲を書いたのだろうと思い込み、ラズモフスキー伯爵と約束したものとは別の四重奏曲を持ってきたのだと信じた」とベートーヴェンの弟子のチェルニーが伝えているそうです 今では信じられないことですが、それほど斬新な音楽だったのでしょう

ラズモフスキー四重奏曲全3曲の中で一番長い第7番は演奏時間にして約40分ですが、4人は集中力を切らすことなく素晴らしいアンサンブルを奏でました

 

     

コメント
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