続いて遅れて来たペンマニアさんから期待の三光PEN初期ですが。。#1003XXと極初期の個体にはなっているのですけどね。書いても良いですからね・・
極初期の個体はFlashの色入れが白なんですね。しかし、三光PENの場合はいろいろ作り物も多くて、発売前に営業マンが持ち歩いてカメラ店様に見て頂いたダミー機というものありましてね。じつは昔に頼まれまして、それを実用機に改造したこともあるんです。今頃独り歩きしているんだろうなぁとか思うと少し罪の意識もあったりして・・
で、この個体はそうではなくて、側はオリジナルと思いますが中身が違うような気がしてならないのです。シュー下のネジは頭が折れていますね。普通はネジ部だけ回転させて取り出すのですが、この個体の場合ビクともしません。ルーペで観察すると接着剤を併用されているような、或はネジピッチの違うネジを無理にねじ込まれているのかも知れません。
オーナーさんには申し訳ありませんが、嫌な予感が当たりましたね。PENの発売は1959年10月(昭和34年)のようですが、このシャッターには9.12の捺印が、一見整合性がありそうですが、これは39.12と捺印されていたはずで、1964年製のシャッターです。そもそも三光の頃は、このような形式の捺印ではなく、8とか5のひと数字が捺印されているだけです。シャッターを分離する時に、4本の留めネジの頭が大きい(三光は小さい)ので、これは違うと思いました。
ファインダーも違いますね。三光の頃の金型は⇧の部分は段付きになっていないです。また、対物レンズもガラス製(三光は樹脂製)になっています。
この通りです。対物レンズも四角が墨塗りされていますのでガラスでも初期の物ではありません。
問題のM1.7ネジです。ダイカストと一体になっていて取り出すことが出来ません。
仕方ありませんのでドリルで削ってからタップを立てました。
裏蓋の内側に錆が出ていますので先に錆落としをしてから洗浄します。
全体の洗浄をしました。カム板(シャツターリング)は交換されたシャッターユニットに付いていたものに交換されたのでしょう。きれい過ぎます。初期はCOPAL-XのXはないです。
今日は外出して帰宅後は腕時計をやったので暑さ疲れのため作業は進みません。洗浄した裏蓋の錆部分のタッチアップと本体2軸の組立まで。
シャッターは何故交換されたんでしょう? 不調でしたら直せば良いのにね。
初期のレリーズボタンはストッパーが付いていますね。
レンズを清掃して取り付けますが、この頃のヘリコイドネジはピッチが細かいのでグリスは柔らかなものを使用します。
シャッタースピードの指標が赤になっていますが、本来は黒だと思います。ファインダーを研磨しましたのでヤケにきれいになってしまいました。本来この頃のファインダーは、角が丸くてシャープな感じではありません。そのうち適合する部品を見つけて交換したら良いです。みなさん夏休みのようですから、私も少しお休みをいただくかも知れません。
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