今なにしてる         (トミーのリペイント別館)

カメラ修理などについてご紹介します。
富塚孝一
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コダック・レチナⅡCの不動機の巻

2019年08月25日 14時13分43秒 | ブログ

専門ではないのでUP予定は無かったのですが間が開いてしまいますので・・レチナⅡC Xenon 50mm f2.8付ですが、巻上げも出来ない、当然シャッターも切れないという個体。シャッターはSYNCHRO COMPERです。独特のチャージ機構はこうなっているんですね。

 

過去に修理を試みた形跡があって、チャージギヤは沈胴のため2つの軸が伸縮するようになっていますが、それが正しく連結されておらず繋がっていない状態でした。何度も分解をされたと見えてスリ割りが壊れています。

 

ヘリコイドが非常に重くて擦れるような感触があります。グリスを塗布しながら回転を繰り返して行くと重さは改善方向ですが擦れる感触は収まりません。さて、どこが原因かな?

 

原因はこのネジが僅かな飛び出していて距離リングに接触をしているものでした。

 

 

接触して削れています。距離リングが変形したために接触をしたのでしょうか?

 

 

このネジはレリーズの戻りバネを留めているネジです。ネジにワッシャーを入れて先端が飛び出さないようにしました。

 

 

スムーズに動くようになりました。

 

 

底カバーは過去に乱暴に外されたのでしょう。変形しています。中央が抜けている形状ですから簡単に変形してしまうので注意が必要です。

 

 

後玉を清掃します。シリアル№は前玉と同一です。

 

 

 

リングナットには緩み止めのイモネジが付いています。

 

 

巻上げレバーの裏側には本体との接触部分のゴムダンパーが貼られています。すでに磨滅していますけど。

 

 

ファインダーの清掃、二重像の調整などをして完成。レチナは昔のカメラブームの頃に人気があって、よく雑誌に取り上げられていましたね。未だにファンが多いカメラのようです。

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