今なにしてる         (トミーのリペイント別館)

カメラ修理などについてご紹介します。
富塚孝一
(お問合せ)tomytmzk@titan.ocn.ne.jp
 

MINOLTA repo-S を起こすの巻

2018年12月16日 19時39分30秒 | ブログ

先日お譲りしますとご案内をしましたPEN-Sは無事に新しいオーナーさんの手元に届けました。ありがとうございました。

昔、ホンダS800やライフをレストアしている時に、自動車修理のプロに「起こし屋トミさん」つて言われてました。起こし屋とは一度、登録抹消で廃車された書類の無い車を整備をして新規に登録、現役復帰させる職業の人です。このミノルタ、レポS 2台は中古カメラ店様からの修理ご依頼ですが、普通の中古と言うよりは、故障廃棄されて長期に放置されていたと思われる個体ですね。シャッターは不動、外観のメッキ、裏蓋の塗装劣化、シボ革は剥がれまくりという状態です。しかし、二度と生産されないカメラですから、1台でも現役復帰させて市場に戻したいと思います。

まず1台目はトップカバーが凹んでいて他にも問題があります。私のところには、あいにく資料用の1台があるだけなんですね。どなたかレポSのジャンクをお持ちの方で譲って頂ける方はいらっしゃいませんでしょうか? よろしくお願いいたします。

では始めます。この個体は過去に分解をされています。シャッターやレンズにも分解キズがあります。

 

レンズは過去に清掃をされているのできれいですね。ヘリコイドグリスはカラカラの状態。

 

シャッター羽根も絞り羽根もがっちりと張り付いています。このシャッターSEIKOは張り付きが多いです。強制的に開いて状態を確認します。スローガバナー他、メカには特に問題は無いと思います。では分解して羽根の洗浄をします。

 

決まって遮光用のモルトがバラバラになります。

 

 

シャッターのO/Hとヘリコイドグリスの交換をして完成しました。

 

 

底部の巻上げリンケージのグリス塗布、アンダーカバーの洗浄をして組み立てました。鏡胴は特殊なEE制御方式ですので沢山のリングがあります。パールアルマイトが劣化気味ですので、一つずつ磨き出してから組んであります。

 

ファインダーのレンズを清掃して取り付けます。シボ革剥離の補修と裏蓋塗装の磨き出し、モルト交換をしてあります。

 

これで生き返りました。後はトップカバーが・・

 

 

こちらは2台目ですけど、1台目より製造は古いです。内部は全体的にこのような惨憺たる状態。カビなのか圧板も腐食しています。ふぅ・・

 

こちらもシャッター不動、ヘリコイド固着レンズ汚れがありました。本体にシャッターユニットを取り付けます。

 

問題はね。絞りリングを嵌めようとするとスムーズに入りません。上から力を受けたようで歪んでいるようです。よって回転が重いので修正を試みます。

 

清掃をしたファインダーと、露出メーターを取り付けます。

 

 

洗浄と研磨で内部もきれいになりました。

 

 

普通に現役として使われて来た中古機ではなく、一度、廃棄除外になった個体ですね。私は、このような個体を見ると可哀想で何とかしたいと思う性格です。経済の観点からは、使命を終えた製品は廃棄されないとダメなんでしょうけどね。

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