あっという間にクリスマスかぁ、私には関係はないですけどね。ローライ35系もいろいろなコンデションで私のところにやって来ますけど、このローライ35Sブラック #2387XXXはちょっと厄介な予感がします。トップカバーにへこみなどはなく基本的には悪くはないと思いますが、保管の状態が悪いです。外観のメッキ部品はすべて腐食が出ています。う~ん、困ったね。
意外に露出計が動いたのはラッキーでした。その他はファインダー、レンズ汚れ。シャッター低速不良など定番の不具合がありますのでメンテナンスをして行きます。
一番気になったのは、沈胴部のグラつきです。フェルトも摩耗しているのですが(交換しました)、異常に首を振ります。また、沈胴のレンズ収納ボタンを押さなくてもレンズが回転してしまいます。これはおかしい・・。
沈胴チューブのロック爪が折れて無くなっていました。無理な操作をされた個体に稀に起きています。これは交換する以外に方法がありません。ローライ35ならストックは多くありますが、35S用はあまりストックがありません。
仕方がありませんのでジャンクではない個体から借りて来ました。12時位置の爪です。
露出が失敗していますね。シャッターとレンズをすべて分解をして清掃しておきます。レンズはチリは多いですが程度は悪くはありません。
完成したシャッターユニットを搭載してトンネルを取り付けます。
トップカバーを取付けて巻き上げレバーを操作すると金属の擦れる音がする。トップカバーを外して巻上げると全く音はしない。原因はチャージギヤがトップカバー(天井)と接触をしているためでした。チャージギヤが樹脂の場合は気にならないのです。なぜ天井に接触をするか? ←のトップカバーを支えるプレスのレバーが押されて下降気味に変形していたため。ローライ35の初期ではアルミの別部品がカシメめられていましたが。ローライ35Sでは工程の簡略化によりプレートにプレス加工でレバーを付けているため使用過程で変形下降してしまうのです。
巻き上げレバーの留めネジは緩みやすいですから必ずネジロックを塗布します。化粧ネジは交換します。
元は悪くはない個体でしたので不良部品の交換で良い個体となりました。