二眼レフを二台ほどやりますが、その前に、スイスで私の好きなドイツの大戦機のユンカースju52が墜落したそうですね。じつは数日前にYouTubeで遊覧飛行の様子を見ていたのですけど、いくら現在の整備を受けている機体と言えども、このような貴重な機体を遊覧飛行に使うのはどうかと思います。日本に里帰りをした零戦を遊覧飛行に使うようなものですからね。過去にも現存数の少ないイギリスのモスキートも墜落して失われています。まぁ、飛行機は飛んでなんぼ、博物館ではなく動態保存は賛成ですけど、お客を乗せた遊覧飛行はどうかと・・
https://www.youtube.com/watch?v=i7nYPzzOZE4&t=580s
で、リコーフレックスのダイヤというモデルでしょうか。撮影レンズとファインダーレンズをギヤで連動したカメラから高級機に脱皮をしたモデルですね。1955年ぐらいの製造のようです。
内部はほこり汚れと反射ミラーが曇っていますね。拭き上げてみましたが、全くきれいになりません。
アイレベルファインダー時の前板がロックされません。修正をしておきます。
ピントグラスとフレネルレンズは汚れていましたが、洗浄できれいになりました。
内部を清掃して新しく切り出した反射ミラーを取り付けました。
ヘリコイドグリスがスカスカに抜けていますのでグリス交換をしておきます。
ファインダー(ビュー)レンズは曇りはなく清掃できれいになりました。
撮影レンズも曇りはありませんでしたが、後玉に若干のカビ痕あり。シャッターユニットはメンテナンスで問題ありません。
細かいところが気になってしまうのです。ロックレバーの➡の色入れが抜けています。
まだ、半乾燥なので艶消しになっていませんね。
巻上げノブを回してもオートストップが作動しません。カウンターも動かない・・分解検証します。
ミノルタフレックスもやります。こちらは程度が最悪ですね。Ⅱbになるのかな? 私と同世代だから程度が悪くて当然です。レンズもしっかり曇っています。これ直すのかなぁ?
ビューレンズから磨いていきます。
二眼レフの反射ミラーはみんなダメですね。新製しておきました。
ピントグラスは、かなり汚れとガラスの黄ばみがあります。別にフレネルレンズは無く、ガラスの中央にレンズが鋳込まれています。
最初に見た時、ひゃーと思ったのです。バヨネット付きの二眼レフはオーバーホールには必ずシボ革を剥がさなければならず、それが苦手なんですが、このモデルはバヨネットが無いのでシボ革を作り直さなくても良いかというと最悪な状態になっています。各部にきっちりと合っていますのでオリジナル革と思いますが、過去の分離/再接着とビニール自体が変質して、しかも、その上から艶消しで塗装していますよ。仕事で無ければやりたくない~。
シボ革は1枚もので剥がれるのではなく、溶剤で溶けて無くなってしまう状態、あ~、それじゃ面倒な形状の型紙から作らなくてはなりません。盛大に塗料が剥がれていますが、私の仕業ではありません。過去の分解時です。
普通の二眼レフより面倒な形状。シューが変な位置に出っ張っているので、スキャナーで読み取ることも出来ませんので採寸して型紙を作ります。もう二度とやらないモデルかも知れない型紙作りはね・・
パターンの近いシボ革を選んでみました。似てると言えば似てる。似てないと言えば似てない・・
私の場合、穴位置から切り出して行きます。外形は合わせながらカットして行きます。苦労したシューの位置合わせは成功したようです。
こんな感じかなぁ。本当は下端が0.1mm程度長い。
シャッターはSEIKOかと思ったらS-KONAN RAPID。年代相応でかなり使い込まれていますが作動に問題はないようです。メンテナンスをしておきます。
フィルムの装填テストをしていると・・やけに巻き上が重い。
正規のバネの下にゼンマイをカットした板バネが仕込まれていました。これではフィルムが切れてしまいます。二眼レフの世界ではこれが裏技なんでしょうか?
巻き止めとカウンターは正常に作動します。
似てるかな? そもそもミノルタのオリジナルパターンは一般的な小紋より大きいようです。外観の黒塗装の剥離が目立ちましたのでタッチアップをして完成。これからはカメラ市用の作業が続いて忙しいのでUPは少なくなると思います。
二眼レフは若い世代にファンが多いと聞いていますので、なるべくきれいに修復してあげたいと思っています。