これでやっと完成。いくつ不良項目がありましたかね。次の個体はもう少し古い#3022XXXですが問題がありそう・・
ギヤは金属製の頃です。過去に分解されていまして、恐らく露出計ユニットは交換されていると思います。(作動します) 湿気が入ったか錆が発生しています。
事前のテストでシャッターが止まる。低速が切れない症状がありましたが、ガバナーのアンクル規制バネが無くなっています。これでは低速は切れません。
複製も作れますが、シャッタースピードに関係する部品でもあるので純正を使っておきました。
シャッターとレンズをメンテナンスしておきますが、前面のプレートが白く劣化していておちょこに変形もしています。これは古いジャーマニーに多い劣化で平らに接着をするのが非常に困難です。複製を作りたい部品です。
シャッターは比較的きれいで問題はありませんでした。新しいヘリコイドグリスを入れて前玉を取り付けます。
このまま問題が無く終了するかと思いきや、そうは問屋が卸しません。古いジャーマニーに多いですがB(バルヴ)が止まらず切れてしまう時があります。連続の時は作動をして、しばらく放置すると再発する。このような故障が非常に厄介です。ピンセットのレバーが上方に動いてシャッターの走りを止める原理ですが、↑のカシメ部分の固着が原因のことが多いです。しかし、この個体の場合は作動バネの張力が弱っていてレバーを押し切らない時があるのです。ローライ35系はこのように髪の毛の太さ程度のバネが多用されており、脚が長いので経時的に張力が弱ってしまう傾向があります。バネを矯正します。
それで解決と思いましたら、今度はシャツターが閉じない現象が出ます。これは、裏側のチャージレバーを戻すバネが弱いのです。右がこの個体のバネ、左は別の個体のバネ。線径は同一ですが強度が違います。自由位置の違いでヘタっていることが分かります。
これで良いかと思いましたら、今度は絞りスライダーのバネが付いていません。どうもこの個体はバネが鬼門のようです。追加をして組みます。
もうないよねと思いましたがありました。巻上げレバーのネジ孔とレバーの小判孔が合っておらず、1本が留まりません。初期型ですから本来はレバー側に落し込み加工があると思いますが、この個体はプレーンの変更後のレバーです。恐らく交換されたものではと思われます。露出計ユニットも交換されていることから、過去に大きな修復を受けた個体のようです。
で、B20は№プレートが赤の時代もあったようですので朱色に塗って取り付けます。
自然故障でなく、過去にいじられた個体は、思わぬところに不具合が隠れていたりしますから厄介です。これで良好になりました。
トミーのリペイント (tomys800.sakura.ne.jp)