今なにしてる         (トミーのリペイント別館)

カメラ修理などについてご紹介します。
富塚孝一
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生存確認PEN-FTの巻

2023年08月05日 14時00分00秒 | ブログ

相変わらず危険な猛暑が続いていますが皆さん体調はよろしいでしょうか? 私のブログも「生存確認」のようになって来ました。この暑さの中で写真を撮ろうという方も少ないようで修理のご依頼も減っています。このカメラはPEN-FT #1916XX (1967年12月製造)と製造中期頃の個体ですが、いろいろな個所が変更前の仕様なので一般的には安定性に難があることが多いですが、この個体は外観も使用感も少なく作動も問題はありません。このままでも使用に問題は無いと思いますがオーナーさんのご希望によりオーバーホールをします。

この頃はスプール軸ユニットを本体に取付けるネジが真鍮の頭の大きなスリ割りネジで、しかも緩み止めを塗布されて締め込まれているので取り外しが非常に困難でスリ割りに力を掛けるとネジが折れてしまう危険が高いところです。充分熟知しているのに折ってしまいました。本体に残ったネジを削り取り、タップ修正をしました。本体は洗浄してモルトを貼ってあります。

シャッターユニットも変更前のシャッターバネが強化される前ですが、摩耗も無く問題はありません。洗浄とチャージギヤ軸にグリスを塗布しておきます。

 

画像では見えませんが、スクリーンは外から故意に傷を付けられています。これはファインダーから見えますが、それほどひどい状態ではありませんので再使用とします。

 

当初、この個体は未分解機と思っていましたが、ファインダーの無限調整を受けていました。

 

19万台としてはハーフミラーの状態は良い方ですが、メッキは薄くなっていますので新品に交換します。

 

これも良くあるアクシデントですが、メーターユニットをルーペに取付ける3本ネジのうち1本が斜めにねじ込まれていて正常に取付けできません。(は修正後) 米谷さん設計のアルアルで、メーターのの部分にドライバーのビットが干渉してビットがネジ頭に対して垂直に入らないのが原因です。+ネジになって電動ドライバーを使用する頃になるとモーターの強いトルクで斜めにねじ込んでしまうのです。生産後期はこの部分のネジを省略して2本留めとしています。

メカの組立はほぼ終了。

 

 

露出計の感度は低下気味でしたので調整抵抗で補正。ピントの確認などをして終了。

 

ストロボの発光テスト。

 

 

この頃はセルフタイマーは巻き上げがジジジッと言うタイプ。巻き戻しダイヤルのノブはローレットタイプ。

 

電池蓋は変更前のネジピッチが細かいタイプ。このタイプは間違ってネジを斜めに入れやすいので、この個体のすぐ後ぐらいの生産からネジピッチを粗いタイプに変更されています。見分けはピッチ細は電池蓋の表面が凸の段付き、ピッチ荒は円周に溝付です。

変更前の仕様機としては外観もきれいで状態は良好です。しかし、撮影は暑さが一段落してからの方が良いかも知れませんね。尚、ご依頼も少ないので更新は少なめになると思います。

 

トミーのリペイント (tomys800.sakura.ne.jp)

 

 

 

 

 

 

 

 



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