もう一つ時計をやります。私のストックのセイコー・ビジネスA 8306-8001です。機械は8306Aで1967年12月の製造。ケースは酸化で曇っていますが大きな傷はありません。文字盤外周にケースとの擦れあり。一番の劣化はプラ風防で黄ばんで中央に細かなクラックが入っています。これは交換しかありません。
機械をO/Hする前にケースを仕上げておきます。ケースは全て手磨きです。
風防ですが、先日やりました27石の8346-8000と同じ315W02ANが指定ですが、右のオリジナルと比較すると角が角ばっています。8346-8000にも手巻きの頃のようなドームが強い風防がセットされていましたので、途中で補修部品として統一された可能性がありますね。私はドームの強い方が腕に馴染んで好きですけど仕方ありませんね。
では、機械を洗浄して香箱の注油から始めます。
二番車、二番車受をセットして秒針カナ押エバネを組みます。
巻上げ機構と繋がる二番伝エ車です。
輪列をセットして一番受を取り付けます。
丸穴車にはS-4ウォッチ油を塗布して取り付けます。
ダイヤショックを洗浄注油します。
日の裏側は先日の8346Aと同じ。最後に曜車をセットして文字盤を取り付けます。
文字盤の外周はケースとの擦れで塗装が剥離していて黒く目立ちますのでタッチアップをしますが、シンナー系の塗料を使うと文字盤のニスを痛める危険性があるのでアルコール系のペンを使います。私はガンダムマーカーです。https://amzn.to/2SqEqZP
針とインデックスが立派で良い感じです。
ケーシングをして注油をした回転錘を取り付けます。
左が先日仕上げた8346-8000 27石で右が8306-8001 30石です。日本人は時計の高級度を石の数で測るので、これは準高級機になるんでしょうかね?
風防の角が現代風でイマイチ気に入りませんね。
文字盤の擦れも殆どインナーリングに隠れるので気になりません。83系は今、私のお気に入りです。