SEARSAUTO 35と一緒にFOCA SPORT Cが来た居ましたので簡単にUPしておきます。ご常連さんは一体何台のFOCAを所有しているのでしょう? この個体はシャッター低速不調とフィルムカウンターが動かないとの不具合ですが、全体のメンテナンスをします。
フィルムカウンターは非常にシンプルな部品構成です。駒数板と板バネのみ。それがなぜ動かないかと言うとギヤの歯と送り爪がくっついている。接着をされた? いや、両面テープの糊のような硬化しない粘々の物質が歯車全周に点いています。すべて取り除いて正常に作動するようになりました。粘々の意味は分かりませんが・・
シャッターはセルフタイマー付きですが、スローガバナー共々作動がスムーズではありませんので洗浄注油をして動きを見ます。
その他、ファインダーの調整、レンズの清掃をして終了。コの字型の本体枠を取付けます。
そこで、しばらくの間、来月10/14~開催の「世界の中古カメラ市」用のカメラを整備するためブログは最小限とさせて頂きます。このローライ35はメーター内塗装が劣化しているなぁ・・
画像にするとそれほどでもなく見えますが、白の色入れが黄ばんでいるものが多いですね。これはこのままの方が良いのか? 入れ直した方が良いのかな? ちょっと考えてしまいます。
別の個体ですけどね。巻上げのフィーリングが「カクカク」した感触で直らない。この個体はチャージギヤを途中で交換されているようです。同じように見えますが、このギヤには外径の違いで3種類ありまして、21.6mm 21.8mm 22.0mmがあって製品仕上がりの個体差によってギヤ間の隙間が違ってくるので、それを適正な隙間(間隔)にするため組立時に選択使用したのでしょう。21.6mmのギヤに交換して良い感触になりました。
これも別の個体。この個体には元箱があるようで、たぶん元箱に長期に仕舞われていて湿気により盛大なカビが発生したのでしょう。このカビは完全に清掃出来ました。
これはローライフレックス3.5。シャッターをメンテナンスするために前面カバーを外したいのですがMXの切替レバーを外さなければなりません。しかし、ナットのスリ割りの片方が完全に裏側に廻っていて工具が入りませんね。レンズ凸部との隙間は0.2mmぐらいです。これどうやって締めたのかな? CRCやいろいろ試みて、最後はゴム板で開けることに成功しました。
巻上が重いとのことです。巻上げクランクのピンをポンチで抜いて取り外します。
流石にギヤ類の材質と工作精度は素晴らしいと思います。ギヤを分離洗浄をして新しいグリスを塗布して組み立てます。
シャッターのメンテナンス、ビューレンズの分解清掃、ミラーの清掃などをしてあります。
これは同型の別個体。本革のシボ革はヨレヨレで、過去に何度も分解を受けているようです。シボ革は作り直しますが、シンクロ接点のMX切換ですがレバーの下にあるはずの↘(MX切換)と接続する金具部品が入っていません。この個体はMX切換が出来ないのを知らずに使われていたようです。まっ、分からんよね。どうするかな? 真鍮板から作りますかね。
この個体はかなり使い込まれたようで、フィルムの巻上げギヤ(スプール右側)の摩耗が激しいです。歯の形状に注意。
1台目の個体はガラス製のスクリーンでしたが、こちらには樹脂製のスプリットが付いていました。ガラス製より明るくてスプリットですからピント調整が楽ですけど傷が付きやすいのか難点です。洗浄をして取り付けます。
シボ革は本革のため何度も分解を受けてバリバリに硬化をしていますので交換しました。このモデルは5ピースに分割されていますから製作は楽です。寸法を間違えてもその部分だけ作り直せば良いですからね。本革は感触は良いですけど経時劣化をすると、どうにもならなくなりますから合皮とどちらが良いのかです。