今なにしてる         (トミーのリペイント別館)

カメラ修理などについてご紹介します。
富塚孝一
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委託品を入手されたPEN-FT(B)の巻

2015年12月04日 21時07分15秒 | ブログ

何だか、久しぶりにPENに戻って来たような気がしますね。この個体は、有名中古屋さんの委託品だったPEN-FTブラック #2757XXです。結構ラフに使い込まれた印象の個体で、トップカバーがヨレヨレにへこんでいます。ご依頼にはないですが、ちょっと手を入れておきますか・・

なるべく修正をしてみました。歪はありますよ。画像の撮り方で見え方が変わります。そこで、色入れの塗料が劣化をして、上から艶消し白をタッチアップされています。FTの色入れ塗料は完全な艶消しではなく半艶です。また、経時により白は若干黄ばみを帯びているのが普通です。

そこで、すべての色入れをやり直しておきました。

 

 

本体は分解歴があって、露出計ユニットは基板別体タイプに交換されています。

 

ギヤ受けのネジロックが外されているということは・・

 

 

シャッターユニットとシャッター幕も分離されていると・・

 

 

シャッターバネのテンションを上げているようです。ネジロックに注意。疑問は、シャッターバネが変更前の条数の少ないタイプが付いています。早い個体は23万台でも変更後のタイプとなっており、27万台では、ほぼ間違いなく変更後が付いているのが普通です。さて?

まぁいいや。本体の洗浄をして、巻上げ関係を組み立てて行きます。

 

 

 シャッターユニット完成。結局この個体はシャッターバネを強く張って、露出計を補修用の基板別体タイプに交換されて、最後はピント調整をされています。たぶんSSでのフルコース修理ではないのかな? ハーフミラーも交換されたかも知れません。全然フルコースになっていないけど・・

 前板関係は特に問題はありませんが、スクリーンが最後期に使用されたツノ無しタイプになっていました。各部の使用部品が何か引っかかるのですね。君は何をされて来たの??

 

前板を留めるネジが変です。中期までのスリ割ネジを使用していた時は、使用個数5本のうち2本(シャッターダイヤル側)は長さが短いネジが使われていますが、後期の+ネジに変わった時点で、すべて長いネジに統一されました。ところが右の2本は完全に短く表面処理も異なりますので明らかに規格外。このネジでトルクを掛けるとねじ山を壊します。また、左の4本も微妙に寸法が違います。なぜ短時間のオーバーホール中にネジを紛失するのか? 私には理解できません。

 付属の38mmは#4050XXと設計変更後のタイプです。すでに分解歴がありますが、ヘリコイドの回転重いとガタのお訴えがあります。両方ともヘリコイドグリスの硬化と抜けが主原因ですので、グリスを入れ換えますが、ガタは構造上、摩耗もあって完全に消すことは困難です。グリスがホワイトグリス以外のグリスを追加されたものか、摩耗によって色が変質しています。

 

 

露出計は補修部品に交換されていましたが、すでに感度低下がありました。なぜか、調整されていたはずのピント調整がずれていました。他の色入れに合わせてタイマーレバーの色入れもやり直して完成。

PEN-FTのカタログ。国内フォーミュラカーの歴史には詳しくないが、黎明期の葉巻型は好ましいスタイル。鈴鹿開催の風景かな? 車体カラーのセンスは良いとは思えないが・・

http://www.tomys800.sakura.ne.jp/


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