今なにしてる         (トミーのリペイント別館)

カメラ修理などについてご紹介します。
富塚孝一
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故障のデパートローライ35の巻

2022年08月01日 10時30分00秒 | ブログ

修理カルテに故障内容を書ききれないほどのローライ35ドイツ製が来ました。現状はシャッターも切れない沈胴も出来ない・・観察すると、トンネル部分に内面反射防止と思われる材料が貼られています。マニアさんの中ではローライ35の内面反射対策が研究されているようですので、各部の分解具合からしてマニアさんがバラシて組もうとして組めなかった? と言うような個体です。

電池を入れてみると露出計の針が受光窓を塞いでも左端に戻りません。これは初期型に多くなっているCdsの劣化です。Cdsを交換する必要があります。

 

トップカバーを開けてみると・・巻上げギヤの地板の留めネジが緩んでギヤが外れています。ここはネジロックをしておかないと緩むのです。この時は単純にギヤのタイミングを合わせれば正常に作動すると思ったのですが、それは甘かったのです。

そもそも二重巻上防止のロック機構が動いていません。これは前板を分離して調べる必要があります。

 

スローガバナーのリターンスプリングはゼンマイ式のものです。しかし、作動が粘ってゆっくりとしか動きません。洗浄します。これでチャージとシャッターは切れると思いましたがまだダメです。じつはスプールの巻上げカムとの連動が狂っています。タイミングを修正します。

次は絞りとシャッターダイヤルの回転が異常に重い。フィルムインジケーターも動きません。

 

固着の原因はシャッターカムと接するピンの錆による固着でした。研磨して潤滑をします。初期型ですのでカム位置の調整用偏心ネジが付いています。

 

作業は明日と思いましたが、修理内容が多いので頑張ってCdsの交換まで行って今日は終了しました。明日完成するか・・

 

それではシャッターとレンズ。前面の化粧リングは白化しているだけではなく、すり鉢状に変形しています。これの修正は非常に困難ですので別の部品を使う予定です。どなたか有効な修正方法をご存じの方は教えてください。

沈胴スリーブの裏側トンネルには内面反射防止と思われる植毛のようなものが接着されていましたので取り除きました。また、黒マジックのようなものでトンネル部も塗ってありましてので清掃をしました。沈胴がスムーズでないのでフェルトも調整してあります。

レンズにはカビがありましたが清掃しました。ヘリコイドグリスを交換した前玉を付けて本体に取り付けます。

 

初期型ですので巻き戻しダイヤル部は金属製ですが、古いグリスが粘ってスムーズに回転しません。

 

分解は4本のネジですので以後の樹脂部品のCリング留めより分解は楽です。古いグリスを清掃します。

 

これで終わってくれると助かるのですが終わりません。フィルムカウンターが全く動きません。

 

初期型はカウンターダイヤルの回転を止める爪に補助バネが入っていませんので、樹脂のバネ性が無くなり、ダイヤルの逆転を止められないのです。カウンター不良については、他にも原因があり、複合的に作用しているものもあります。

化粧リングは他の良品と交換しました。

 

 

最後にレバーアテの取付と右の欠落していた化粧ネジを取付けてやっと終了かな?いくつの不具合がありましたかね? すでに圧板は改良タイプとなっています。

 

なかなか良い初期型となりました。

 

 

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