今日も新宿の病院まで出掛けていました。何とか大丈夫でした。新宿は外国人観光客で一杯です。並んでうどん食べて来ました。これから桜目当てで、もっと増えるでしょうね。で、2つ目の時計は部品が揃わないので後回し。このPEN-EES2は先日も瑞古洞にもご一緒したMazKenさんのところのグループの方がオーナーさんです。EE系はあまり使われずにきれいな個体がありますね。これもその1台ですが、画像を見て「んっ? 何か変しい」と思った方はするどい。
テスト撮影では写らなかった由。シャッターが固着していますからね。で、トップカバーを開けてみると・・あら、ストロボのターミナルが故意に配線されていませんね。
変なところは巻き戻しダイヤルが飛び出しているところです。(↑の画像をもう一度見る)原因は、巻き戻し軸のホルダーが天地逆さまにセットされているから。これでは、軸が回転しないのでは?
で、モルトをやり直していない個体は内部が汚らしく汚れていますね。
画像より実際の方がカビも発生して汚れています。ばっちいニダ。
結局のところ修理屋は殆ど掃除屋なんですね。この頃のモルトの接着剤は強力ですのでアルコールでは落せません。完全に取り除かないと新しいモルトがきれいに貼れないのです。で、こんな感じ。また手が荒れました。
モルトの貼り替えスプロケット軸とスプール軸を組み立てたところ。次はシャッターです。
絞りは完全に固着しており、開いても戻らない状態。
レンズも各面に盛大なカビが発生してます。すべてクリーニング。
その他、シャッター羽根関係は問題なく組み上げています。シャッターユニットを仕上げた本体に組み込みました。順調とこの時は思ったのでした。
どうも、赤マークの制御が変です。原因を探っていくと・・針オサエが上の真鍮受けに衝突して赤マークが上昇できない。(時がある)その時とは針オサオにガタが多く、カメラを上に向けた時に受けと衝突するようです。後ろのEE2と比較すると針オサエと受けの距離が少なすぎるのが原因です。また、レリーズ棒(後ろ)が後期のEES-2では板材に変更されており、使用過程でレリーズの圧力により変形(曲がる)したことによって、針オサエが受けに接近するように作用するためです。
針の受けには接触で出来た円弧状のキズがありますね。ピンセットの部分が平板なので曲がってしまうのです。コストダウンのための変更と思いますが、元々のレリーズ棒(パイプ)なら曲がることはないので、このような不具合も発生しなかったのです。
曲がりを調整をして、レリーズボタンを押した状態で不具合が出ないようにして解決しています。内部もきれいに仕上げてあります。特に圧板の腐食は研磨清掃しました。
比較的簡単に作業が終わるかと思ったのですが、そうは問屋が卸さない。EE系はベースの相場が崩壊していますので、なるべくお安くオーバーホールをして差し上げたいのですが、かといって、作業自体の工数は変わりませんので、そこに悩みがあります。費用を掛けてEE系を修理に出してくださるファンの方はえらいです。PEN-FTに代わる携帯カメラにしたいとのことですので活躍を願っております。