今なにしてる         (トミーのリペイント別館)

カメラ修理などについてご紹介します。
富塚孝一
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訳ありなPEN-D3の巻

2015年05月26日 20時46分02秒 | ブログ

MazKenさんの方のお仲間から訳ありで緊急なご依頼がありましたので白PEN-Fはちょっとお休みして作業をします。確かお父様のカメラとのことでしたが、急ぎの時にすごい個体が来ましたよ。真っ黒けの汚れ放題ですねぇ。だいたい動くのかなぁ・・

電池は入れっぱなしで液漏れを起こしており、電池蓋は固着して開かない・・。

 

では、ケースごと分離するしかありません。電池ケースはボタン電池が使えるタイプになっていますね。SSでも改造をやっていたようですけど。

 

電池蓋は腕力で開けるしかありません。

 

 

内部もホコリの混入が多いです。メーターが作動をするのかは不明。

 

 

レンズも厳しいですね。来週月曜日からの旅行に持っていかれるとのことですが、写るのかなぁ・・。

 

とにかく、すべて分解洗浄をしますが、劣化したモルトがダイカスト本体を侵しています。

 

うちじゃないと洗浄はしませんよ。長時間を掛けてすべて洗浄をしてあります。少しは見られるようになりましたかね? これで作業の半分は終わったようなものかも。

 

あっ、一つ洗浄するの忘れていた。しかし、納屋の軒下にでも吊るしてあったのかしら?

 

シャッターは過去に分解を受けていました。例の姑息なお呪いがしてありますのでプロでしょうね。ヘリコイド部にこれだけゴミの混入した個体は初めてかも知れない。ガリガリなので洗浄グリス交換。

 

ハウジングの鍔の部分が割れちゃっていますね。どんな扱い方をしたのでしょう? まぁ、これだけ保管環境が悪いとダイカストの風化も進んではいますが。

 

栄というよりは誉発動機かなぁ? 夜遅くまでかかってシャッターユニットまでは完成させておきます。きれいきれい。

 

急ぎの仕事で、画像を撮っている時間も惜しいのですが、ネタの宝庫のような個体なので。メーター窓と駒数窓が傷だらけ。

 

前玉に傷が多いですが、このレンズに多い曇りは少ないです。

 

 

電池室からのリード線は酸化をして半田付けが利きませんので、新しいリード線に交換です。

 

メーターと駒数窓の研磨。ファインダー接眼部のへこみを修正してあります。

 

 

電池は現行のボタン電池が使えますので便利です。オーナーさんは「裏蓋の外し方が分からない」とのことでしたが、そのはず、劣化したモルトで張り付いており、力一杯に引っ張って分離しました。なぜか、圧板が天地逆に取り付いていました。その方がセットするのに難しいと思うけどなぁ。

露出メーターもしっかりと作動します。

 

 

深いご事情がお有りのご様子ですので頑張って修理(というよりレストアだなぁ)をしました。しっかりと写真で記録されてください。

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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (茶暮れ)
2015-05-26 22:45:30
感動するくらいキレイになっとる!
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キレイ (TOMY)
2015-05-27 23:30:40
一般的に、一か所に住み着いていた個体は、外観はきれい物が多いのですが、こんなのみありますね。なぜ、この個体を治そうと思われたのか? カメラとしては、土俵際で踏みとどまったというところでしょうか?
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