足が冷え性の私としては、やっと足元の電気ストーブがいらなくなって来ました。長い冬がやっと終わりますかね。ブログの閲覧ランキングを見ると、意外にも上位は腕時計のページなんですね。最近は目がきつくて腕時計を組んでいませんけど、トレーニングで私の生まれた年代の精工舎の懐中時計でも組んでみましょうかね。で、先日、PEN-FのO/Hをご依頼頂きました方から、もう一台PEN-F #2156XXが来ています。シャッターは不動状態ですが、過去にメンテナンスを受けているようです。
事前に「シボ革が縮んでいるので修正希望」とのことでした。殆どの場合は、過去にシボ革を剥がされて、両面テープで再接着をされている個体に多いのですけど・・やっぱりです。
両面テープがはみ出していますよね。貼った時は縮んでいなかった証拠です。本来はグッドイヤーの強力な糊で貼ってあるので、剥離をしなければ縮まないのですが、両面テープの接着力では縮みを止めることは出来ません。ですから、私は必要最小限の部分のみしか剥がさないのです。
シャッター不動の原因を探ると・・チャージが完了していませんね。画像↘のブレーキが固着気味で右側のブレーキ領域まで動いていないためです。
はしょって、シャッターユニットはO/Hを終えました。ブレーキの動きを見ます。やはり固着状態。
ブチルゴムと金属は相性が悪いようでOリングが嵌っていた部分が錆びています。錆が膨張してブレーキ固着となります。
錆が発生しているOリングホルダーを研磨して新しいOリングをセットします。
全反射ミラーは再使用も可能ですが、ご希望により新品をセットしました。
シボ革の塩化ビニールは古くなると軟化成分が生地から流失して硬化や縮みが発生するようです。乾燥や紫外線が劣化を促進するので保管には注意をします。洗濯業界では、軟化剤が使われているようですが、手に入れることは出来ません。