少し間が空きました。遊んでいたわけではなくてローライフレックス2.8の特別仕様機なのかな? 金ピカのモデルが来まして、しかし、分解をすると茶色のシボ革を剥がさなくてはならないし、巻き上げクランクの接合ピンもきれいに金メッキがしてあるのにポンチで打ち抜くとメッキは剝げるし傷もつく。特に大きな不具合もないのでご相談の上作業はしないことにしました。では、通常の作業です。PEN-FT #3482XX(1970年3月製)と良い頃の個体ですが、外観はきれいなので使用は少ないと思いますが巻き上げがゴリつくのが気になるのと巻き上げレバーがトップカバーに接触しています。
相手がいくら硬い梨地クロームであっても、そのまま使用を続けると接触面のへこみや傷も付いてしまいます。これはレバーストッパーのダンパーが経時的に変形したためです。
34万台としてはハーフミラーの腐食が激しいです。これは放置期間が長かったのです。
内部は未分解のようですが、裏蓋に55.5.13と鉛筆で記入が有ります。何をしたのでしょうね。メーターユニットはぎりぎり変更前のものが付いています。
保管が良くなかったが基本的にはあまり使用されなかった個体です。おそらく問題になるところはないでしょう。チャージギヤと軸の摩耗もありません。すべて洗浄して新しいグリスを塗布して組み立てます。
先日の個体と違ってテンションシャフトも僅かな偏摩耗はありますが、巻き上げフィーリングに影響があるほどではありませんので当然再使用です。
10万台など前期生産機の場合はスプロケット上にウェーブワッシャーは入っていません。フィルムの上下安定を改善するためでしょう。ご自身の愛機を確認してください。
最初に書きました巻き上げレバーを受ける樹脂ダンパーです。裏蓋を下にして置くとレバーに押されてダンパーがへこみトップカバーに接触するようになります。パイプ状のダンパーを回転させて位置を変えることにより改善することが出来ます。
保管状態が悪い割にはプリズムはコーティングも完全に残っていました。清掃をして本体に取り付けます。
あまり書きませんが、露出計ユニットの清掃もしています。メーター針像は矢印の光路によって情報窓に導かれます。プリズムとミラーを清掃します。
裏蓋の記入は何だったのだろう? どこにも手を入れた形跡はありませんでした。最後にセルフタイマーのレバーロックに不良がありましたので清掃で改善させ組立しました。この後は調整作業をして完成です。
トミーのリペイント (tomys800.sakura.ne.jp)