ローライ35系は続いて作業をしましたが、特にお書きすることもありませんでしたので省略します。ローライ35のオーバーホールご依頼をお待ちしております。で、久しぶりにPEN-FVに行きます。外観はきれいですね。しかし、リターンミラーUPの症状があったために、シャッターとリターンミラーユニットのチャージのタイミングがズレたところにセルフタイマーを掛けてしまったのでニッチモサッチモの状態出来ました。画像は応急に復帰させたところ。大きな問題はないと思いますがフリクションが大きいので全体のオーバーホールが必要です。
セルフタイマーのボタンが固着していて分離が大変でした。(過去に分解を試みてあきらめた形跡あり)よって内部は未分解の状態。
吊り輪のネジは初期は接着剤で固定されていましたが、以後はそれをしていないので緩む個体があります。
残念なことにプリズムのコーティングは手遅れです。全反射ミラーは清掃できると思います。
この個体#1310XXのご依頼は北海道ご在住の方で、リサイクルショップでの入手だそうです。製造は1969年8月ですからFTで言うと#305000付近の個体と同じですのでシャッターユニットなどは変更後の仕様で信頼性は高いです。という訳であまり書くことはない気がします。まずは吊り輪のネジに緩め止めを塗布して締め込みます。
では、いつものようにダイカスト本体の洗浄をして組み立てて行きます。
おそらくほとんど使用されていないユニットです。チャージギヤや軸受けにも摩耗がありません。洗浄後メンテナンスをしていきます。
シャッターユニットが組み上がりました。シャッター幕の状態もよろしいです。
セルフタイマーリンケージのレリーズ部分の調整がきつ過ぎてタイマーが途中で止まる時がありましたので調整しましたが、他は問題はなく組立が終わりました。問題のフィルムカウンターギヤなどを洗浄して取り付けます。
カウンターギヤの戻りが悪いのはリターンスプリングの劣化と「オヤギヤ」に付いている「コギヤ」の動きが悪いため。洗浄して取り付けます。
底部はこのようになっています。リターンミラーユニットは変更後のタイプが使われています。
カメラに付属の38mmは#3819XXですから本体のセット品ですね。38mmは途中で内部の構造が変更されていまして、変更後のタイプは分解がし難いです。↓のカムのネジを取り外さないと絞りとヘリコイドの分離が出来ませんが、ネジは何度も分解するとネジ山が壊れます。変更前の部品設計の方が整備性は良いと思いますが、分解するなということでしょう。
レンズを分離して清掃をしますが、ほとんどの場合曇りは完全には取れません。
これは25mmですが、このレンズに多い症状は絞りリングの回転が異常に重い個体があります。これはカムと鏡胴の間にグリスが流れ込んで固まっているためです。分解洗浄をします。
という訳で、FVは変更前のユニットが使われている個体が多いのですが、この個体は変更後のユニット機で、長期放置によりフリクション増大のため不具合となっていただけの個体で、素材としては外観も含めてどこにも欠点がなく、非常に良いと思いました。
トミーのリペイント (tomys800.sakura.ne.jp)