ローライ35のシリアルは普通7桁の頭が3だと思いますけど、この個体は6桁の#247XXX です。補修部品などに交換されたのでしょうか? ご存じ方は教えてください。レンズのシリアルから推測すると#3020000付近の個体ではないかと思いますが・・で、この個体も色々あります。画像のようにカウンターが戻らずシャッター不調のほかに絞り羽根が動きません。何があるのでしょうか・・
トップカバーの裏側は特に気になるところはないですが、メーター窓は通常両端2か所の接着ですが、全周接着されていますね。しかし、これだけでは判断は出来ません。メーターに47.6.22と記入されています。修理記録でしょうか? 昭和46年とすれば西暦1971年です。ローライ35の発売は1966年(昭和41年)ですから修理をされても不思議はない頃です。メーターは当初作動と思っていましたが、実際には明暗による変化がありませんでしたのでCdsの交換が必要でした。何か重修理の予感・・
とりあえず絞り羽根の作動不良について調べます。右のレバーが上下してシャッター側の絞りと連動しますが、上側には動かないようです。
シャッターユニット側を見ます。あらら、連結の樹脂部品が破損しています。↑のレバーの動きが不良で、この部品に負荷が掛ったものかも知れません。樹脂の色が透明ですが今まで見た記憶がありません。普通は黒です。
絞りの作動レバーの動きが良くありません。これがすべての原因かも知れません。メンテナンスをして正常に作動するようになりました。
シャッターを分解して清掃をしていきます。破損した樹脂部品は使えないのでストックの部品(黒)を使います。
洗浄をした裏蓋。前回の個体と同じでカウンターが戻りません。初期のドイツ製に多い不良。巻き戻しダイヤルは初期の金属製ですが、回転がゴリゴリのため分解清掃をします。
最後になってメーターの感度不良が判明しましたのでCdsを交換しました。丸一日休みなしの作業で完成しない重修理になりました。
これで終わりと思い、巻き上げのテストをしていくとフィルムカウンターが途中から進まない。原因は↘のLOCKING SPRING というカウンター盤の逆転を止める樹脂製の爪ですが、これがへたっていて逆転を止められないのです。以降はこの爪の下に板バネを追加して爪のへたりを防止する処置がとられていますが、ドイツ製の初期製品には板バネが入っていないのです。これは製作して追加しておきます。なんでもドイツ時代の製品が良いわけではありません。
こちらも前面の化粧プレートを貼るのに苦労しました。いずれ皆さんのカメラも同じ症状となりますので対応部品を考えおく必要があります。ということで「やれやれ」完成です。販売のためのメンテナンスで済む個体もありますが、今回のような個体もありますね。
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