前期型#2146XXのPEN-FTですけど、外観もきれいでメカもファインダーの汚れ以外は良好な個体です。付属の40mmは〇部分にアタリがあって、フィルターがねじ込みにくくなっています。
20万台前半の個体はフィルムレールが腐食している個体が多くなりますが、この個体はきれいです。
気になったのは裏蓋のラッチがスライドせず、長い間、飛び越して使用されていたようです。➡部分が摩耗しています。
では、洗浄のため分解をして行きますが、まずは曲げないためにフィルムコマギヤから取り外していきます。
状態は良いので書くことはあまりないと思います。すでにスプロケット軸、スプール軸とギヤを組み立てています。
前期型なのでシャッターユニットは改良前のメインバネが強化される前タイプが使われている関係で巻上げは軽いのですが、オーナーさん曰く「巻き上げが重いので・・」え~、後期型を操作してみたらどれだけ軽いのかお分かりになるのですけどね。じつは、この点検でバネが弱いと感じましたので、バネを1段張りたいところですが、巻き上げか重くなるのでこのままとします。
この個体は未分解機と思いましたが、チャージギヤを分離して行くと↑のグリスの中からM1.2のネジが出て来ましたよ。私はネジを見ればどこに使われているのかは分かるのですが、このネジは分かりません。M1.2は画像のバネカンに付いている(ネジロック塗布)ネジがありますが、ちゃんと付いていますよね。はて??
元々が巻上げが軽い個体でしたが、グリス交換によってスムーズさが増したように思います。
20万台初期の個体としては非常に保存が良く、ハーフミラーも劣化は少ない方かなと思います。しかし、交換が必要です。
意外に忘れられるのが露出計指示窓の表示光路の清掃です。プリズムや反射ミラーが曇っていたりチリが付着しているとファインダー像から非常に見にくくなります。これらをすべてクリーニングします。
状態が良いという先入観から、スクリーンも無傷と思い込んでいまして、組立ててみると水滴のような点々が多数見えました。取り出してみると・・あ~、(上部の白点)これは表面からの傷ですね。拭き傷もあります。これは修復できません。洗浄に留めておきます。
セルフタイマーが不調でした。21万台ですでに改良型のユニットが使われています。↙の内部が3つのコロによるクラッチになっています。
リターンミラーを駆動するミラーユニットはまだ改良前ですが、これも巻上げの軽さに影響しています。右端のボトムキャップはアルミのキャップを接着されていますが、後期ではシール式となります。
付属の40mmはヘリコイドガタが大きく出ています。また、フィルター接続部に打撃を受けて変形しており、フィルターが半分程度しかねじ込めません。本来は指標環とは固定されていませんが変形のため外れませんね・・
こんな工具もありますが大まかに変形は直せてもフィルターマウントとフィルター両方がアルミ製のため、ねじ込むと噛み込んでしまいます。その他、ヘリコイドグリスの交換とレンズ清掃をします。
きしみながらもフィルターがねじ込まれましたね。ヘリコイドのガタも無くなっています。21万台の前期型としては露出計の作動も良く保管と扱いが素晴らしかった個体でした。