今なにしてる         (トミーのリペイント別館)

カメラ修理などについてご紹介します。
富塚孝一
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ミノルタ repo の巻

2020年10月10日 20時10分00秒 | ブログ

ミノルタ・レポが来ています。レポはセレンがダウンしている個体が多いですが、この個体はソフトケースに保管されていたせいか元気に作動します。セレン露出計の場合、レポのようなセレンがレンズ外周に無い設計では、常に露出メーターが作動していることになってコイルのピポットが摩耗をして作動不良になっている場合もありますから、その意味ではソフトケースに入っていたのはラッキーでしたが、セレンは定期的に太陽光に当てて活性化した方が長持ちするとかいう方もいますのでどうなんでしょうね。

内部はモルトが劣化している他は問題は無いようです。

 

 

このようにメーターは作動します。

 

 

しかし、シャッターは全く固着で後玉も曇りが多いです。

 

 

シャッターは絞り羽根とシャッター羽根共に固着していますが、その状態で無理に鏡胴のダイヤルを回したと見えて絞り羽根のリターンスプリングが外れています。

 

さすがに時計メーカーのシチズン製シャッターですから、スローガバナーもマイクロサイズですので時計の機材を使ってメンテナンスします。

 

絞り羽根とシャッター羽根の距離が近い設計のシャッターは固着し易いですね。すべて洗浄しました。後玉を清掃して取り付けます。

 

劣化したモルトを交換してシャッターを組み込みます。

 

 

レポは底部の巻上げ機構の設計は少しやぼったいですね。長いスプリングを多用して簡単に設計しています。洗浄とグリス塗布をしておきます。

 

巻上げダイヤル関係をグリスを塗布して組み立てます。

 

 

ファインダーを清掃してメーターと共に組み込みます。

 

 

レポの裏蓋のシボ革は殆ど剥がれかかっています。両面テープ貼りではないのですが糊が良くありません。シボ革の材質も柔軟性が無く、経時的に硬化をしているのも一因です。補修接着をしておきます。

 

レポにも製造時期でデザインに種類がありますが、個人的にはこのデザインはすっきりしていて好きですね。完調の個体は少なくなっていますので大切にされてください。

 

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