その前に、先日やりましたセイコーマチック6216-9000ですが、回転錘のベアリングが摩耗していて地板に当たっていたのですが、オーナーさんが執念で純正部品を入手されて来ました。良く見つけましたね。交換すると回転錘の回転する「ゴロゴロ」という音がしません。これが本来の姿なんですね。
で、本題のクラウン・スペシャルです。初代キングセイコーより小ぶりですが、風格のあるモデルで人気がありますね。ケースはJ14100金張り80ミクロンですが、流石に摩耗も激しく良好とは言えません。
人気モデルなので、何度も修復をうけていますね。SD文字盤にもキズか多く乱暴に分解をされて来たようです。チリの混入も確認できます。風防は当然交換されています。
ラグの摩耗も進んでいます。当時は流行った金属ベルトを着けたようです。
問題は裏蓋です。右側が激しく摩耗していますが、本来はリューズの位置に来る部分で、リューズを巻く時の摩擦で削れたものでしょう。手巻きはこれがありますね。
時計師さんはどのように修復されるのか知りませんが、カメラ屋がやると半田で塞いでおきます。(応急処置)
Cal.340の機械は意外にきれいです。しかし一難去って、あれれ、機械留めネジの頭が折れていますね。ネジは入ったままです。
文字盤の脚が折れていまして↓の両面テープで固定してあります。
香箱は金メッキ仕様なんですね。フタが何度も分解を受けて緩いです。
超音波洗浄をして組み立てて行きます。とくに普通のクラウンと変わりませんので簡単に。
歩度調整後、ケーシングをしますが、このベゼルはすごいね。歪というより曲がっているレベルです。分解か風防を入れる時に無理をしたのでしょう。修正はほぼ出来ませんので、衝撃でベゼルが外れてしまう危険があります。
このケースでは意味はないかも知れませんが、パッキンをセットして裏蓋を閉じます。
私が所有の普通のクラウンと。あら返ってケースは小ぶりなんですね。
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