今なにしてる         (トミーのリペイント別館)

カメラ修理などについてご紹介します。
富塚孝一
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RICOH CADDYをやってますの巻

2019年07月23日 19時28分48秒 | ブログ

しかし、梅雨明けはいつになるのでしょうね。庭仕事も1カ月止まったままです。で、特に書くことも無いと思いますが、アクセス解析を見ると、毎日約千人のみなさんが律儀にクリックしてくださっているので申し訳ないので簡単に・・たまに来ますね。リコー・キャディーです。程度は悪くは無さそうですが、露出計がダウンです。

 

オーナーさんからストラップの吊環がグラグラしているとのことでしたが、このカメラはストラップの捻じれ防止のために固定してなくてEリングで抜け止めされているだけなのでグラグラはしますね。一応、ガタ分のワッシャーを追加しておきますけど、たぶん変わらないと思います。

 

シャッターユニットを分離するためにストロボのリード線の半田を外しますが、何故かアース側(黒)の半田が溶けません。強度を必要とする部分でもないのに?

 

 

セイコーシャッターは特に不具合は無いですが分解洗浄をして組みます。

 

 

スローガバナーはユニット式ではなく、地板の軸に組み立てるタイプ。

 

 

冨岡光学のレンズは曇りませんね。

 

 

シャッターを組み込んで清掃した絞りリングなどを組んで行きます。

 

 

何故かヘリコイドの回転が非常の重かったですので、ネジのラップ作業をしてから一番軽いヘリコイドグリスを入れておきます。

 

 

アンダーカバーの三脚ネジ部分の陥没があります。修正をしておきます。

 

 

PENと酷似したブライトフレーム付きファインダーはPENのものより金型がシャープでコンパクトです。カバーもちゃんと金属製です。

 

 

で、清掃のために対物レンズと前面ガラスの接着を外すのですが、微妙にPENとは要領が違っていて外しにくいです。前面ガラスのブライト側はPENでは磨りガラスですが、リコーはオートハーフも同様にマットのフィルムを挟んであります。RICOHのロゴを入れるための処理でしょう。PENでは対物レンズは同じものが2枚重ねで使用されますが、キャディーはレンズのサイズが異なっています。タイトなスペースに収めるための設計でしょう。

 清掃をした対物レンズと前面ガラスを接着しました。この時代はハーフミラーが金コートですので劣化が進んで剥離し易いので注意が必要です。

 

 

セレンは殆ど起電していませんので、他の個体から調達しますが、並べてみるとサイズが違いますね。(上が今回修理機で下が調達機)上の方が製造は後になります。今回は集光レンズも含めてセットで交換することで解決します。しかし、下のセレンは昭和36.7.3製造と記載がありますから、このカメラの製造開始1961年7月と正に製造開始直後のセレンが元気に生きていて後期のセレンがダウンをするという。単に環境のせいとばかり言えない原因があるのではと考えています。

PEN-Sなどとは違って露出メーターとASA表示機を内蔵させるためにファインダーが極力コンパクトに設計されているんですね。裏蓋も蝶番式だし、PEN-Sなどより先進的なモデルと思いますが、それだけでは販売が伸びないところが難しいところですね。

 

なかなかカメラらしいデザインではありますが、もう一ひねりデザインのコンセプトが弱い気がしますね。距離や絞りリングなどは表面処理はPENなどより上質で腐食劣化がないのも特筆しておきます。

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