今なにしてる         (トミーのリペイント別館)

カメラ修理などについてご紹介します。
富塚孝一
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最近珍しいPEN-SCALEの巻

2018年07月02日 19時22分00秒 | ブログ

「遅れて来たペンマニア」さんが何やら見つけて来ましたよ。PEN-SCALE(距離計)ですね。クラカメブームの頃も見つけるのは大変でしたが良く見つけましたね。貴重なケース付。

 

しかし、コンディションは良くありません。元々、グリコのオマケみたいな作りだったので精度は期待できません。二重像も全く見えませんね。

 

基線長は30mm。測定範囲 0.6m~5.0m PENなら目測で充分な気が・・ダイヤルが僅かしか動きません。

 

取付シューのネジに腐食があります。

 

 

ダイヤルが動かない原因ですが、そもそもダイヤル軸がカムになっていて、片側がカシメられている片持ち構造なんですね。それによって、カシメにガタが出て来るとカムの当たりも大きく変化して精度に影響します。この個体はガタを修正するために裏側からカシメ部を叩いているためにダイヤルが回転しなくなっています。

ダイヤルが可動範囲で動くように修正しましたが、ガタは多くなります。一応再カシメをしておきますが気休めですね。作りが悪いのです。

 

すべて洗浄したところ。ハーフミラーの蒸着は金コートのため非常に弱く、かなり剥離しています。板厚が特殊なので交換用ミラーのストックがありません。

 

ダイヤル軸(カム)のガタが大きいのでダイヤルと本体カバーとの間にスペーサーを作って挟みます。これで片持ちによるガタが軽減されてカムの当たり精度が上がります。(たぶん)

 

どうせ使わないでしょ。で、ハーフミラーは蒸着が残っている部分を使うように接着しています。中央、金色の部分が二重像。

 

前面ガラスもクリアーになってきれいでしょ。文字の色入れもやり直してあります。

 

PEN-Sにセットしてみました。カッコイイね。当時、このアクセサリーの必要性を感じて購入された方は少なかったのではないでしょうかね。生産数も少ないので現存もまぼろしとなっているのでしょう。今まで、革ケース付は見たことがありませんでしたので、コレクターさんとしては掘り出し物を見つけられましたね。

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