先日、素晴らしいコンディションのPEN-FVをお持ち頂いたオーナーさんから、レンズ2点のメンテナンスご依頼です。しかし、いつもながら素晴らしいコンディションの個体を見つけられると感心してしまいます。両方とも、特に問題はないほどきれいなレンズです。
しかし、精密に見て行くと、両方とも分解歴はあるのですね。まず、38mmパンケーキから。変なところに引っかき傷がありますねぇ。レンズは軽い汚れ程度ですが、パンケーキの持病のヘリコイドグリスが抜け気味で、リングの逆転でコクッとしますね。
マウント部のスリ割が痛んでいます。
ヘリコイドの長さがこれしかありませんからね。定期的なグリス交換が必要です。分解洗浄の上、グリス交換とレンズの清掃をしておきます。
絞りリングの可動個所にも軽くグリスを塗布して組み立てます。
ヘリコイドガタが消えて良いコンディションのパンケーキとなりました。
こちらは20mm f3.5。レンズの曇りのない個体は希少です。こちらのレンズも過去に分解されていますね。しかし、プロのお仕事と思います。
多段ロケット式の前群も分解を受けている。
こちらのスリ割もね。ここは、緩み止めの接着が強いので、ぴったり合ったドライバーで慎重に回さないとスリ割を壊す危険が高いです。
レンズは、結露による汚れと、ヘリコイドグリスの硬化により、ピントリングの回転が重い状態です。鏡胴を分離してグリスを入れ換えます。
後玉を清掃して組み立てます。
前群は清掃を受けていますが、程度は良好です。
これで2本完成です。前後のレンズキャップも付属しており、素晴らしいコンディションでしたね。