デジカメが違うので見にくくてすみません。以前にセイコー・クラウンのO/Hをされたオーナーさんから2個の時計が来ています。簡単にUPしておきます。この手巻きの時計はセイコー5328-5000となっていますが、中身の機械はスイス製の138001という機械が使われています。クォーツ時代になってから、スイスから機械を輸入してセイコーで組み立てたものらしいです。振ると短時間は動きますが、すぐに止まります。油切れでしょうね。
たぶん婦人用(女持ち)の機械ではないでしょうかね。小さくて組立しにくいので私は苦手です。それほど古い機械ではないので、部品の仕上げは今風の安っぽい感じです。
はやっ。文字盤の留めがネジではなく偏心カムのようで、それが緩めても抜けてこないという分解しずらす構造。流儀が違うのでやりにくいです。
どちらもワンオーナーですが、やはり大切に扱われていた個体は、同じ時を経過してもきれいですね。当時、アルバイトをして購入されたそうです。スピードタイマー6139-6031は今でも人気のモデルです。SSベルトも純正でこれだけでも価値があります。58秒で停止するという、このモデルには良くある故障で、技術解説書にも修理方法の記載があります。
プッシャーボタンに腐食がありますね。文字盤はきれいな方ですが、一度オーバーホールをされているのかな? ちょっとすり傷と小窓の変色。
小窓の針を抜くのは苦手なんです。
あら、香箱車の蓋が外れていますよ。これで動いていたわけですね。
クロノグラフは部品点数が多くて小分けで管理しないと間違えます。すべて超音波洗浄をしたところ。
各部の摩耗や腐食は少ない個体です。解説書の手順通りに組み立てていきます。
一応動く状態まで組み立てて作動を見ています。
素性の良い個体と楽観していたのですが、何故か受けに歪があって、ネジを締めると不調になる不安定な現象の解決に時間が掛かりました。文字盤と針を着けます。
ストップウォッチ秒針がどう調整しても0時ぴったりにならない。急速復帰をさせると緩み易いので、ここの軸は角型になっているため、最初に圧入された位置で針側の取付け内径が変形をしており微調整が困難なのですね。
洗浄をしたケースに機械をセットして自動巻き機構を取り付けます。
最後に回転錘を付けて組立は終了。
実用キズはありますが、ベルトもオリジナルで、ワンオーナーで大切にされて来たのが分かりますね。輸出を意識した大型のケースで、標準的な日本人にはちょっと大きくてなにより重い時計ですが、70年代の時代の流行だったようにも思います。6139の中では、最も人気のあるデザインだと思います。