ミリタリーウォッチは魅力的で私も好きなのですが、このモデルはハミルトンがアメリカ軍に納入した官給品のMIL-W-46374Bで、1982年製です。バネ棒が嵌め殺しなので兵隊用でしょうね。オーナーさんが過去にデッドストック品を購入して使用されていたとのことですが、残念ながら風防にクラックが入っています。じつは、このクラックが成長してしまう失敗をやらかしました。
手巻き7石の機械ですが、ハミルトンと言っても機械はスイス、エボーシュのINT7420/4と刻印されています。ドゥローヴェの7420と同じとか?? オーナーさんからは最初から5分以上進んで、ハック機能が働かないとのことでしたが、構造的にハック機能はありませんね。歩度はデータが取れないような滅茶苦茶な状態です。ヒゲゼンマイの絡みを疑いますが、一般的な耐震装置はなく、弾性樹脂が耐震装置の代わりをしているようです。
機械の設計はオーソドックスなもので、特に問題はありませんが、作りはあまり上質ではありません。使い捨て仕様なのかな?輪列を組んでいきます。
コハゼも材質のバネ性を利用したシンプルなもの。角穴車もペラペラですね。
案の定、ヒゲゼンマイが接触していましたね。一応、作動を開始しました。
一一般的な耐震装置ではないですね。簡略化ということでしょう。
ヒゲゼンマイの絡みを修正して、まぁまぁの歩度を示してきましたが、片振りは調整しきれません。
過去に分解歴なしですからきれいな文字盤と針に返って扱いが慎重になります。H3と放射能マーク(長針の陰)は夜光塗料にトリチウムが使われていることを示しています。しかし、現在は殆ど発光しないようです。
ケースに収めて完成。左は民生用のカーキですが、文字盤の数字や針の色は、やはり本物には敵いませんね。風防の傷を研磨しておいたところ、気が付くとクラックが大きくなっていて大失敗です。
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