今なにしてる         (トミーのリペイント別館)

カメラ修理などについてご紹介します。
富塚孝一
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OMEGA Geneve をレストアするの巻

2013年12月20日 00時05分38秒 | インポート

Img_319255 オメガ・ジュネーブのO/Hご依頼です。オメガの中では廉価版のモデルで、上級にはシーマスター、コンステレーションなどがあったそうな。1970年代のモデルで、Cal 565 5.5振動のロービートを搭載しています。この個体は、お父様から譲られた時計とのことで、大切にお使いになられているようですね。画像の後ろは私の愛用している同モデルです。では、と裏蓋を開けてみると・・あらパッキンが入っていませんね。これで長期にお使いになられていたのでしょうかね。水気が浸入した可能性があって、ローターなどが腐食しています。

Img_319445 機械を取り出してケースとベルトは研磨洗浄します。風防ガラスは傷とクラックがありますので、純正新品と交換します。

Img_320561 機械を分解して超音波洗浄をしたところ。幸い内部にまでは水気は侵入していないようです。しかし、長期間オーバーホールはされていないようで、ホゾ穴の油はカラカラの状態です。天真の磨耗が心配です。現状は60秒/日程度遅れるようです。

Img_321051治板の赤機械はカッコ良いですね。精密で非常に組みやすい機械と思います。

Img_321117 これで組立完成。自動巻きユニットは洗浄注油済みですが、ケースにセットの後で取り付けます。

Img_324066 文字盤はデッドストックの新品と交換しています。やっぱり新品はきれいですね。シンプルなインデックスです作りは良くて、機械にピタッと合います。セイコーよりも高精度と思います。

Img_324277 針付けをしました。針は先端の丸いタイプが一般的ですが、この個体は剣型のスリット入りが付いています。研磨したケースに、ご希望でカレンダーレンズ付きの風防を選択して圧入してあります。このケースはベゼルが無いため、風防内側のテンションリングで留まっています。

Img_324326 裏蓋と機械留めもデッドストック新品と交換します。

Img_324411 機械をケースに収めて自動巻き機構を取り付けました。

Img_324646 組立は完成です。光っていますが、ケースはヘアラインを入れてあります。文字盤と風防ガラスを交換していますので、新品のような美しさです。

Img_325301 専用ベルトもヘアライン研磨洗浄をしてあります。