にゃんこな日々

ネコ風ライフをつらつらと・・・

【観劇】『藪原検校』

2007年06月08日 | STAGE
『藪原検校』
作:井上ひさし。
演出:蜷川幸雄。
出演:古田新太。田中裕子。壤晴彦。段田安則。六平直政。他。
江戸中期の塩釜の地。小悪党の魚売り七兵衛と醜女だが気立てのよいお志保との間に一人の男の子が生まれる。しかし、お志保と世帯を持ち改心したはずの七兵衛がお産の費用欲しさに行きずりの座頭を殺したことが巡る因果となったのかその子も盲だった。その事実に苦悩し七兵衛は自害。その子は塩釜の座頭・琴の市に預けられ、杉の市という名をもらう。手癖が悪く手が早い杉の市は、十三才で女を知り、師匠の女房にまで手を出し、やがて悪事の限りを尽し、藪原検校にまでのぼりつめるが・・・。

いきなり津軽三味線のような奏法で鳴り響くギターの音。えぇ!ギターでこういう音、奏法が出来るんだ!すげぇ~!としばし呆然となる。そして始まる舞台。なんて濃厚な作品なんだ。まず出ているメンバーが濃い!で、物語がこれまた濃い!稀代の悪党藪原検校のピカレスクロマン。エロいし、ラストはエグい!(笑)。すごいわコレ。素人目の私には『天保十二年のシェイクスピア』の方がいいようには思うんですけどね、でもこれはこれですごい。この作品では役者の底力というか、どうだこらぁ!これがプロだぜ!っていうようなものを突き付けられたような気がする。古田さんの「早物語」もすごいけど(なんでも台本12ページだそうです)、出ずっぱりの語り手、壤晴彦さんがすごいわ。物語の進行役なんで決して目立たないんだけど、この人のうまさがなければこの作品成り立たないんじゃないでしょうかね。そつがないし、無理がない。極めつけ声がいい。
やっぱり舞台っていいですねぇ。こうして生で役者の力をまざまざと見せつけられるんですから。真剣勝負の面白さ・・・ですかね。

-2007.6.7 シアターBRAVA!-

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4 Comments

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どこで見つけたの~? (kayoko)
2007-06-09 14:19:29
演劇でよさそうな演目って評判も聞かないうちに、何ヶ月も前からどうやって調べてチケット買うの?
ブローウエイから持ってきたからいいのかと思って大枚はたいてなんにも出てこなかった経験から・・・
派手な宣伝には、気をつけようと思っているけど。

ご紹介の作品。これ、いい!演劇界の巨匠の演出。やっぱり只者じゃないですね。
田中裕子。好きです。案外愛しています。
なので、見れないの残念です。
でも、とめさん情報だと、どんな演技だったのかしら???
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チラシですよ。 (とめ)
2007-06-10 00:06:24
Kayokoさ~ん。
この作品は2月に『朧の森に棲む鬼』を観に行ったとき座席に置いてあったチラシで知りました。
以前BSで『天保十二年のシェイクスピア』観てたんで、井上ひさし作、蜷川幸雄演出にしっかりと反応致しました。
やはりここいらは固いんじゃないですかね。
田中裕子さんもよかったですよ。艶っぽくけだるい雰囲気が素敵でした。ただちょっとああいう話し方なので、ちょっとセリフが聞きづらい感じがしましたけどね。
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井上ひさしは天才 (kayoko)
2007-06-11 14:57:09
だよね~。
私、実は舞台版の「蜘蛛女のキス」見たとき、
英語の台本を単純に訳しただけだったからか、すごくセリフにひっかかるところが結構あったの。
それから、演出!
もう、ひどかったなんてもんじゃなかったわよ~~。
あの「蜘蛛女のキス」を、ミュージカル版だったら、まだわかるわよ。宝塚みたいな、お目目にお星様がきらきら・・みたいな演出にしちゃって・・・

出演者の髪の毛の色。着ている物。確か映画だと、拷問による血のりが付いたシャツをバレンティンが着ていたのに、美しく演出したいのか、そこらのユニクロTシャツ着ていたし・・・
ほんとうにこの物語りを「愛して」作ってくれたのか?て思いましたよ。あまり悪口はいいたくないけど・・・

巨匠のものをもっと見て演出してほしかった。
田中さんは舞台女優ってかんじじゃないのかもね?
「火火」よかったですよ。
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愛わかりますよねぇ。 (とめ)
2007-06-11 21:17:31
Kayokoさ~ん。
新たにそれを手がけようとするものの、元のモノ
原作とか・・・)に対する愛ってすごくよくわかりますよね。
オリジナルや原作の方がいいって作品は確かにたくさんありますけど、愛が感じられない作品ほど頭くるもんないですよね。だったらなぜ作った?って(笑)。
私も『蜘蛛女のキス』は大好きな作品なんで、見てたらきっと腹たったかも・・・。
昨年好評だったので今年も再演される『レインマン』はよかったですよ。もしチケットとれるのだったらお勧めです。11月にパルコ劇場のようですよ。
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