にゃんこな日々

ネコ風ライフをつらつらと・・・

【落語】動楽亭 昼席

2013年06月19日 | 落語会
動楽亭 昼席(2013.6.19)
-演目-
桂吉の丞さん「時うどん」
桂ちょうばさん「おごろもち盗人」
桂福矢さん「笠碁」
桂勢朝さん「紙入れ」
 仲入
林家染二さん「皿屋敷」
桂ざこばさん「青菜」

天気予報通りの雨でした。雨の動楽亭には魔物が棲んでいる・・・ってことで、ちょっと不安な思いで出かけたのですが、悪天候にも関わらずまぁまぁ入ってました。もしかしたら最近は余程でない限り一桁なんてありえないのかな?

前座の吉の丞さん。雨降って蒸し暑いのに「寒いなぁ~」って「時うどん」でした(笑)。「今何時だい?」ってやるのを物陰から見ていた男が、翌日その手をマネするというバージョンでした。私は二人で食べに行って「ひっぱりな!」って二人の時そのままを一人でやっちゃうバージョンの方が好きだな。

ちょうばさんはネタ出ししていない会では、その場所にあったネタをするようにしてるってことで泥棒の噺。なんでも大阪は窃盗なんかの犯罪率が日本一なんだそうです。
この噺は初めて聴く噺だったんですが、「おごろもち」って何?ですよね。帰ってきて調べました。「モグラ」のことだそうです。もうちょっと突っ込んで調べてみました。大阪弁だそうです。「中南近畿と四国で「おんごろもち」と言う。「もぐら」は、関東とその周辺、南西九州で主に言われていた言い方。奥羽では「もぐらもち」、北陸や出雲で「もぐろ」、北近畿で「むぐろ」、東九州などで「おぐらもち」と、よく似た言い方が多い。伊豆諸島や琉球ではこの言い方がない。」だって。
私生粋の大阪人ですが、「おごろもち」なんて聞いたことない!「もぐら盗人」でいいやん。って感じですな。(^-^;

福矢さんの「笠碁」も初めて聴く。碁がたき同士が「待った」「待たない」でもめて、それでも長雨が続くと二人で碁を打ちたくなり・・・という子供みたいな旦那さん二人の話なんですが、調べてみると人情噺に分類されるようですね。大人気ない二人が妙にかわいく思える噺でした。

前の福矢さんも初めてだったんですが、次の勢朝さんも初めて。そして演目の「紙入れ」も初めて。これだけ初めてが続くとなんだか得した気分になります。
Yahooのニュースで「矢口真里電撃離婚で「間男ネタ」を高座にかける噺家が急増中」なんてのがあったんですが、まさしく勢朝さんもこの流れで「紙入れ」です(笑)。しかも「二階借り」や「風呂敷」よりも「紙入れ」の率が高いとか。
それにしても落語に出てくる間男されちゃう旦那さんってなんかみんないい人ですよね。

中入のあとはお目当ての染二さん。動楽亭での染二さんは初めてです。染二さんの声が大きいのは知ってましたし、他の場所ではそんなに気にもならなかったんですが、声でかい(笑)。寝てた人いたら絶対に起きただろうな。動楽亭っていい感じで声響くんでしょうね。
ネタは私が聴くのは三度目の「皿屋敷」です。動楽亭ってアウェイ感があるのかな?以前聴いた「皿屋敷」の方が面白かった。ま、自分の会とははじけ度が違うから仕方ないか。

本当は松喬さんだったんですが、体調不良により降板。代演はざこばさんです。そのざこばさんも病院からの帰りだとか。「もうさ、若くないんだからさ、もうちょっと酒控えようよ。」と知り合いだったら声かけてるな。酒ってさ認知症の要因にもなるんだよ。
演目は「青菜」。酒出てきますね(笑)。この「青菜」最高でした。ざこばさんのあの妙な間が、この噺にぴったり。それでなくても私この噺の奥さんが押入れから出てくるシーン大好きなのに、最初青菜を断られて押入れから奥さんを出せないと困るシーンで爆笑。ざこばさんの落語聴くの何回目だろ?私この「青菜」一番好きかも。

【映画】『クロユリ団地』

2013年06月09日 | MOVIE
『クロユリ団地』(2013年/)
監督:中田秀夫。
出演:前田敦子。成宮寛貴。勝村政信。手塚理美。

介護士になるための学校への入学を機に学校近くのクロユリ団地へと引っ越してきた明日香は、隣室から聞こえる奇妙な音と早朝から鳴る目覚まし時計の音に辟易していた。そしてある日明日香は隣室が気になり、隣室を訪ねた明日香はそこで亡くなっている老人をみつけてしまう。その日から明日香の回りで起こる怪現象。老人を救えなかったという罪悪感から、その怪現象は老人が自分を責めているのだと思い込み日に日に精神的疲労を募らせていく。

普通なら、私はこの作品は絶対に観に行かない。なぜって・・・ダメなんだよホラーは。ところが、ガイドという仕事でこの作品を観に行かないといけなくなり、とにかく腹を括って劇場へ。
ところが・・・怖くない。え?しかもなんともあざといカメラワークにまずむかつく。なんなんだよ!そして物語。だからなんなんだよ!勝手に人んちずかずか入ってんじゃねぇよ!もうわけわかんない流れに呆れていた。そして振り向くじいさん!「うわ!高橋昌也さんじゃあないですか!」少し前NHKだったか・・・の番組で高橋さんを拝見し、年いかれたなぁ~と思ってたからすぐに高橋さんだとわかったんですが、まさかまさか・・・こんな役しますか?(^-^; ある意味私にはショックでしたよ。そして、なんなんだかなぁ~って思って見ていたんですが、手塚理美さん扮する霊媒師の除霊の儀式のシーンに思いっきり吹き出しそうになりなんとか堪える。なんであんなおばさんばっか集まってんのよ?恐山のイタコを意識してるのか?あの団体見て笑うなって言う方が無理だ。床をかきむしる前田敦子のシーンにもこれまた吹き出しそうになって必死に堪えた。ま、これは演技がヘタすぎたからなんだが・・・。で、焼却炉のミノルくん。溶けてどうすんだよ?あんたはチャッキーか?
映画が終わり呆れ果てている私に一緒に観に行った人が、「これホラー?」と一言。その一言に今まで耐えていた笑いが噴き出しちゃったよ。ホラー映画終わった途端爆笑する奴ってきっと迷惑だったとは思うけど、でも爆笑できる映画だったんだもん。
ジャパニーズホラーと呼ばれる作品群が好きな人がこれ期待して観てたら爆笑どころか大激怒だな。
友人同士盛り上がりたい人は、この作品レンタルに出来るようになったらみんなでワイワイ観ると、盛り上がること間違いなしだな。突っ込みどころ満載。
今回、自分のお金は払ってないんだけど、久々に金返せ映画に出会ったな。

-2013.5.31 アポロシネマ-

【映画】『くちづけ』

2013年06月01日 | MOVIE
『くちづけ』(2013年)
監督:堤幸彦。
出演:貫地谷しほり。竹中直人。宅間孝行。平田満。麻生祐未。

埼玉県にある知的障がい者のグループホーム「ひまわり荘」。そこにマコという障がいを持つ娘を抱える漫画家の愛情いっぽんが住み込みで働くためにやってくる。マコは男性を極度に恐れるために、このホーム一番の問題児うーやんの存在が気がかりだったいっぽんだが、その思いは杞憂に終わり、マコはうーやんに寄り添い、二人は結婚するんだとまで言い出す。ただマコだけを必死に守ってきたいっぽんは、このホームでやっと穏やかに暮らせるものと思っていたが・・・。

この作品の舞台版は劇場で2回。WOWOWで1回観ていて、とても好きな作品です。劇場でも大泣きしましたからね。東京セレソンデラックスらしい、笑いあり、涙ありの物語で、でもその中でもこの作品は手放しで感動したとだけ言える作品ではなくって、苦いものを残す作品です。それがなんと映画化される・・・というか映画化されていると知ったのは劇場公開の少し前で、これはぜひとも観に行かなければと要チェックとなってました。
早々に観に行って、まあびっくりしましたよ。なんたって舞台版とほとんど変わってないんですから。セットまでほぼ一緒(笑)。しかも舞台と同じくほぼ全編ひまわり荘の中だけで描かれる。いいのか悪いのか・・・(^-^; 私は舞台版が好きなので、別にいいんですが、やはり映画ということで、映画ならではの描き方もちょっとは期待していたわけで、そこは肩すかし食らった感じかな。ただ舞台版と大きく違っててこれはどうよ?と思ったのはクライマックスのいっぽんとマコのシーンのカメラぐるぐる。(^-^; あそこはねぇ、いいシーンなんだよ。なのにあれはないよ・・・。別にカメラぐるぐるしなくったって、あんなカメラワーク素人映画じゃないんだから・・・。

ここからは、舞台版のとき感想書かなかったので、ちょっと映画、舞台関係なくこの「くちづけ」という物語の感想を。
以前「海洋天堂」という作品を観たときにこの作品のことを思い出したんですが、ラストは「海洋天堂」の方がいいです。こちらも永遠に大人になることのない子供を持った父親を描いた作品で、こちらの場合はまずはじめに無理心中を考えます。でもそれに失敗して、次になんとか自分が生きている間に息子が自分がいなくなってもなんとか生きていけるようにと、バスの乗り方を教えたり、必死に一人で少しでも日常生活が送れるようにといろんなことを教えます。「くちづけ」ではやっとみつけた終の棲家のつもりのひまわり荘が無くなってしまうという、なんで今なんだよ?というタイミングがいっぽんを追い詰めてしまったのかもしれないですが、袴田さんのセリフ「やれば出来たんじゃないかよ・・・」に尽きるんですよね。あきらめちゃいけないんです。土壇場で助けを求めようと夏目ちゃんに電話したけど、タイミング悪く彼が東京に行ってしまうと聞いて、それ以上何も言い出せなかった。いっぽん先生の優しさが仇になる。「迷惑かけたくなかった」って言い訳よくありますが、迷惑かけていいんだと思います。絶対にどんな形でも人って一人じゃ生きていけないんです。とにかく「しんどい、助けて!」言いましょう。そしてその「助けて」を聞いた人、自分に何も出来なかったら、誰かに「助けてって言ってるんだけど、どうにか出来ないだろうか?」って投げかけて。必ずどこかにつながるはずだ。私はそう信じてます。人ってそんなに捨てたもんじゃないですよ。でも私の考えは性善説ではないんですよ。私は性悪説の人です。人間なんてろくなもんじゃないって思ってます。でも、ろくなもんじゃないけど、生まれてきた以上、なんとか善でありたいと思うから必死によく生きようとするんだって思ってるんですよ。だからこそ繋がる。そう思ってます。
現実問題、福祉に関しては綻びだらけで、いろいろ大変なことばかりです。でも、まずは国ではなく人を信じるところから始めるしかないんですよね。「海洋天堂」でも最後は民間で、人でしたしね。

-2013.5.29 MOVIX八尾-