にゃんこな日々

ネコ風ライフをつらつらと・・・

【舞台】いのうえ歌舞伎<黒>『乱鶯』

2016年04月24日 | STAGE
いのうえ歌舞伎<黒>『乱鶯』

演出:いのうえひでのり。
作:倉持裕。
出演:古田新太。稲森いずみ。大東駿介。山本亨。大谷亮介。橋本じゅん。高田聖子。

いつものように盗みに入った鶯の十三郎一味を待ち受けていたのは黒部源四郎率いる北町奉行所の同心たちだった。手下たちは悉く惨殺され、十三郎だけは辛くも逃げ出し、瀕死の状態で倒れているところを小橋貞右衛門に助けられ古びた居酒屋鶴田屋で看病されることに・・・。名を問われ「源三郎」と答える十三郎にすべてを承知の貞右衛門は「すっぱり足を洗え」と諭し立ち去る。あれから七年。貞右衛門と共に十三郎を助けてくれた鶴田屋の主勘助は五年前に他界。今はその女房お加代を支え板前源三郎として働いていた。その源三郎の前に小橋貞右衛門の子息、御先手組組頭小橋勝之助が現れる。「火縄の砂吉」という盗賊を追っているという勝之助に源三郎は、貞右衛門への恩を返すために協力することにするが・・・。

幕間に流れている曲がなぜか懐かしい時代劇の主題歌や主題曲。時代劇好きの私はすごくうれしかったのですが、この作品を観てその選曲に大いに納得。まさしくこの作品は時代劇。今までだって時代劇あるじゃない。と言われるかもしれませんが、お侍さんとかが出てくる時代の作品だからって時代劇ではないんですよ。この作品はまさしく娯楽の王道だった時代劇と同じ時代劇なんです!あ~・・・あんた何言ってんの?って言われそうだなぁ。うまく説明できないのがもどかしい!でも時代劇好きならばわかってもらえるはずだ!とにかく面白れぇんだよ!そしてこの本いいですわ。もちろん新感線ならではの面白さはあるんですけど、この本は新感線じゃなくっても絶対に面白いはずだ。映画にしたっていいんじゃないの?って私は思う。この物語はいい!好きだなぁ。で、そんなに面白い本。いのうえさんの演出で新感線で面白さ倍増って感じ?(笑)。主役の古田さん、たばこを吸う間もないくらいに出ずっぱりだとか・・・確かに。疲労度半端じゃないんじゃないのかな。しかも冒頭とラストの殺陣もあるし。大忙しです。そのせいか体重のせいか、年齢のせいか、殺陣シーンが全盛期からすると重たかった。ちょっと残念。単純にいい人役、勘助役の粟根さん。場面は変わり七年後、勘助は五年前に亡くなった・・・って。「え!?何それ!?あれで終わり!?」密かに粟根ファンである私は軽くショックを受けて頭ぐるぐるしましたよ。でもこれから観る予定の粟根ファンの方々。安心してください。はいて・・・じゃない、出てきますよ!(笑)。今回お目当ての大谷亮介さん。出番少ない!(笑)。でも冒頭の第一声かっこよかった。途中反物くるくる~って伸ばしちゃうシーンも何気にお茶目で素敵でした。とにかく面白かった。もう一回見たいくらいに堪能した。いいですよこれ。再見できない私は指折り数えてゲキ×シネを待ちたいと思います。

-2016.4.23 梅田芸術劇場メインホール-

【映画】『幸せをつかむ歌』

2016年04月07日 | MOVIE
『幸せをつかむ歌』RICKI AND THE FLASH(2015年/米)
監督:ジョナサン・デミ。
出演:メリル・ストリープ。ケビン・クライン。リック・スプリングフィールド。

ロサンゼルスの小さなライブハウス。ステージに立つのはリッキー&フラッシュという若くはないバンド。ボーカルのリッキーはバンドだけでは食べていけないので昼はスーパーのレジ打ち。実は彼女ロック歌手という夢が捨てきれずに三人の子供を夫の元に残して離婚していた。そんなある日元夫から娘のジュリーが夫に捨てられ離婚したことで精神的なダメージが強く助けてやってくれと連絡がくる。早速インディアナポリスへと向かう。高級住宅街にある家に到着したリッキーは完全に場違い。飛行機代で手持ちのお金が全くなくなったリッキーはそのまま元夫の家に泊まり込み、娘のジュリーと向き合い、今は家を出ている二人の息子とも再会するが・・・。

冒頭のライブハウスのシーンに「見に来てよかった!」という気になる。結構単純である(笑)。往年のロックのヒット曲だけではなく、なんとレディガガ!まさかレディガガの楽曲を歌うメリル・ストリープを見られるとは思いませんでしたよ。このメリル・ストリープ演じるリッキー、本名はリンダなんだけど、私は歌手!ロッカーなのよ!ってな感じで子供を放って家を出て離婚したんだろうな・・・というのが現在のスタイルでなんとなくわかる。ライブハウスのステージ上だけのファッションならともかく、普段も濃いメイクにロッカーな髪型。タトゥにアクセサリージャラジャラですからねぇ。しかもその恰好でインディアナポリスの高級住宅街の元夫と娘のいる邸宅を訪れるんだけど、元夫も娘も、久しぶりに食事でもとやってきた息子も驚かないんだからすごい(笑)。奔放な母親、自分たちを捨てた母親。憎しみや恨みはきっと彼らの中にあったとは思うけど、心底憎めないできたんだろうな。そんな気がした。自分の父親の介護のために家を空けていた現妻が帰宅。生みの母親であることを訴えるリッキーに、あなたが知っているのは小さい頃だけ、私が育ててきたんだと怒りをぶつける現妻。いつも送っていたカードなども嫌がるあの子たちに書くようにと私が書かせていたんだと本当のことをぶつける。傷心で戻ったリッキーにバンドのギターで現彼でもあるブラッドは言う。「愛するのは親の義務だ。君の使命だ」と。子供たちから愛してもらえないようなことを自分はした。でも私は子供たちを愛しているきっとリッキーはそう気付いたんでしょうね。ここからの展開はとても素敵です。ラスト、よくあるパターンの大団円。いいんじゃないですか。親子で歌う「Drift Away」気持ちのいいラストです。劇場で私のななめ前に座っていた女性がこのシーンで体を左右にゆすってノリノリで見てらっしゃいました。その気持ちよくわかるよ!って微笑ましく思えましたよ。今すごくこの作品のサントラが欲しい!って思っている・・・きっと密林あたりでポチッってしてしまうんだろうな。(^_^;)

-2016.4.6 シネリーブル梅田-