にゃんこな日々

ネコ風ライフをつらつらと・・・

『岳 -ガク-』

2011年05月25日 | MOVIE
『岳 -ガク-』(2011年/日本)
原作:石塚真一。
監督:片山修。
出演:小栗旬。長澤まさみ。佐々木蔵之介。市毛良枝。渡部篤郎。
北部警察署山岳救助隊に配属されたばかりの椎名久美は、いきなり遭難者救助を目の当たりにする。そしてその遭難者を一番に発見救助したのは、山岳救助ボランティアの島崎三歩。彼は山を愛し、その山へやってくる人々を愛する根っからの山バカ。そんな三歩の山以外何にも囚われない大らかさに翻弄されながらも、救助隊員として成長していく久美。

原作がいい!ということでコミックレンタルして読んだ。ほとんどイッキ読みなくらいに面白い話で、山賛歌で人間賛歌で、とことん山バカな三歩が魅力的で、山好きじゃなくっても十分楽しめる良い作品だったんで、この映画化はすごくうれしかった。しかも予告で見た小栗くんが、三歩にしては小綺麗すぎるけど(笑)、純粋バカで、さわやかで、この小栗くんは大好きだと思える雰囲気だったんで、もう期待度アップ。・・・が、いかんせん原作は一話完結っぽいストーリー展開だから、どの話を持ってきてどう膨らませてしっかり2時間の映画にするかって言うのが一番難しいところなんだろうけど、その一番難しいところが、あまりにも難しすぎたのか、なんだかなぁ~な結果になっちゃってて、あーもったいない。山の映像はいい。山バカな三歩くんの小栗くんも魅力的だ。それなのに物語がイマイチなんですよねぇ。久美ちゃんの親父の話なんて、なんでそんなことする必要があるの?な改悪だし・・・。わざわざ使い古されたような父親の遺志をついで・・・みたいな話、原作にないんだから、くっつけることないじゃない?山が好きな人がいて、山で元気をもらう人がいて、山で途轍もない試練を受けて、それでもまた山に来る人がいて、生きて戻れなかった人もいて、山を通して描かれる等身大の人間たちの物語。それだけでいいのに・・・。本当はこの作品、一話完結の連ドラで見たいな。というのが正直な感想だったりします。

-2011.5.16 MOVIX堺-

『アンノウン』

2011年05月19日 | MOVIE
『アンノウン』Unknown(2011/米)
監督:ジャウム・コレット=セラ。
出演:リーアム・ニーソン。ダイアン・クルーガー。ジャニュアリー・ジョーンズ。

植物学者のマーティン・ハリスは学会に出席するために妻エリザベスと共にベルリンを訪れていた。ホテルに到着してすぐ忘れ物に気づいたマーティンは慌てて空港へと引き返すが、途中交通事故に遭遇する。事故のせいで虚ろになった記憶をたどり何とか妻のいるホテルを思い出し妻と再会するが、妻は彼を知らないと言い、妻の横にはマーティン・ハリスと名乗る男がいた。混乱するマーティン。そして彼の命を狙うものが現れる。必死に暗殺者の手を逃れ、自分を取り戻そうと奔走するマーティンだが・・・。

予告の感じだと、普通の人間が理不尽な陰謀に巻き込まれた?って感じだったので、実のところあまり期待してなかった。もうとにかくリーアム・ニーソンが出てるだけでいい!ってつもりで出かけたのですが・・・。いやぁ堪能した。『96時間』以降、かっこよすぎるじゃないですか!?な活躍。うれしい限りです。でもこの作品の紹介で「遅咲きのアクションスター」なんて記事があったんですが、彼遅咲きじゃないし、アクションスターじゃないし・・・ま、それだけ彼が映画好き以外にも認知されたってことなんでしょうね。

で、作品は・・・。ネタばれします。






これ、みんなどのあたりで気づくんだろう?(笑)。私はタクシー運転して逃げるカーチェイスで気づきました。だってどう考えたってただの植物学者があんなに運転うまいわけがない!こりゃマーティンただ者じゃないな。あ、そういえば空港で入国理由の学会で・・・というのに妻が「それだけじゃないのに」なんて言ってたな・・・なんて思い出す。明らかにされる彼の正体。「おぉ!そうきますか!」ツッコミだすとキリがない感じがしないでもないですが、まあまあ・・・面白かったんだからいいじゃないか!と素直に楽しめる人向きの作品ですね(笑)。私はとにかくリーアム・ニーソンが出ずっぱりでかっこよかったからそれで良し!であります。『96時間』でもかっこよかったし、あちらの方がアクションも多かったんですが、私はこちらのリーアム・ニーソンの方が好きだな。ちょっと頼りなかったり困ってたり、苦悩してたりする方が好みなようです(笑)。

-2011.5.11 MOVIX堺-

『ミスター・ノーバディ』

2011年05月14日 | MOVIE
『ミスター・ノーバディ』MR.NOBODY(2009年/仏・独・カナダ・ベルギー)
監督:ジャコ・ヴァン・ドルマル。
出演:ジャレッド・レトー。サラ・ポーリー。ダイアン・クルーガー。

2092年。ニノ・ノーバディと名乗る118歳の老人が、死を目前として病院のベッドに横たわっていた。彼は世界最高齢で、そして最後の「死ぬ」人間だった。誰一人として彼の過去を知るものはいない。こっそり彼の病室を訪れた新聞記者が彼の過去を聞きだそうとする。そして語られる彼の過去。両親の離婚。父と残るか母と行くか?二者択一を迫られた9歳の少年の未来が行くとおりにも分かれていく。

昔観た『スライディング・ドア』も電車に間に合っていれば、間に合わなかったら・・・で物語が二つに分かれる作品で、好きな作品の一つなんだけど、こちらは二通りどころか、なんでも12通りに分かれてるとか・・・。頭の悪い私は見ている間呆然としてしまった。こっち選んでこうなって、また戻ってこっち選んで・・・と頭の中の交通整理が必要で(笑)。「たられば」こうしてたら・・・こうだったら・・・。人は誰しも自分の人生の中で必ずと言っていいほど思い、考えることだと思う。それを投げかけ見事に世界に残った唯一の死ぬ人間ニモという老人という設定で彼の過去を12通りにも描いてる手法には本当に驚かされる。でもこの12通りにも分かれる物語の中には37歳から現在の118歳までのニモはいないんですよねぇ。それがまたうーん・・・と考えさせられるところで。しかもニモ老人の語る過去には真実はなかったわけで・・・。面白い・・・けど、私にはちょっと難しい作品でしたね(笑)。

-2011.5.6 シネ・リーブル梅田-

『八日目の蝉』

2011年05月11日 | MOVIE
『八日目の蝉』(2011年/日本)
原作:角田光代。
監督:成島出。
出演:井上真央。永作博美。小池栄子。田中哲司。森口瑤子。

不倫と知りながらも秋山と付き合う野々宮希和子は、妊娠し相手に請われるままに堕胎し、結果子供を産めない体になってしまう。やがて秋山夫婦には子供が生まれ、ある雨の日、秋山の家を訪れた希和子は、夫婦の留守に赤ん坊を連れ出してしまう。自分が生むことの出来なかった子の名前、薫と名付け、逃亡の日々に怯えながらも親子として必死に暮らす希和子。4年の時を経て希和子の逃亡生活は終わる。しかし実の両親の元に戻った薫・・・恵理菜は実の家族になじめないまま成長し、自らの人生を歪んだものにした希和子を恨むことでしか自分を保てないでいた。そんな恵理菜の前に現れたフリーライターの千草。彼女の登場で自らの過去と向き合うことになる恵理菜だが・・・。

この作品を観てからかたり日が経っているんだけど、なぜかうまく感想を書けずにいた。いい作品だと思うし感動したし、出演者がみんないい・・・とりわけ小池栄子さんって以前からいいよなぁ・・・と思ってたから、やっぱりいいわすごいって思ったり。でもこう全体的にまとめられなかったんですよね。それはやはり私が希和子と千草にしか感情移入出来なかったせいなのかな?なんて思ってみたり。そしてやっとその原因がわかりました。この作品って現実に起こった「日野OL不倫放火殺人事件」が元になってるんですね。この作中、実の母の描き方がいくらなんでもやっと手元に戻った娘に対してそれはないだろう?って感じだったんですが、実際の事件の話を読むと「ああ・・・」と納得出来る。この作品は「自分探し」&「贖罪」の物語なんだろう。ラストとその後・・・を考えるとなんてこの作品は暖かい作品なんだろうと思える。幸せをつかむのは本当にむずかしい。この物語の登場人物は今までに、そしてこれからに大なり小なり幸せを手にする。その幸せに対する代償はある意味大きいけれど。特に秋山の妻恵津子の代償は大きすぎるかもしれない。作中では希和子の家を訪れて罵倒するシーンが少しあっただけだけど、現実の事件を重ねると、もしかしたら希和子をとことん追い詰めたんだと考えられる。すると母として4年の年月を奪われたから、恵理菜に対してちゃんと母親出来なかったのではなく、どこかで自分が希和子を追い詰めてしまった結果の4年だと思う気持ちが希和子を責めながらも自分を責めている結果として考えられるんじゃないだろうか?恵理菜はきっと自分の子を抱いて恵津子の元へとやってくるだろう。そのとき恵津子の贖罪の日々は終わるんだと思う。

-2011.5.1 MOVIX堺-

『孫文の義士団』

2011年05月04日 | MOVIE
『孫文の義士団』(2009年/中国)
監督:テディ・チャン。
出演:ドニー・イェン。レオン・ライ。ニコラス・ツェー。ファン・ビンビン。

1906年10月。イギリス領香港に、清朝打倒を掲げる革命家孫文が武装蜂起のための密談に来航するとの情報が入る。西太后は総勢500人もの暗殺団を香港へ差し向け孫文暗殺計画を進める。それに対し、なんとしても孫文の密談を成功させ孫文の命を守るべく中国同盟会の香港支部長シャオバイは同志を集める。孫文が香港に到着し、同志たちとの密談を終わらせ帰航するまでの1時間。何があっても孫文を守り抜く。綿密な計画の元、運命の日がやってくる。

もうとにかくかっこいい!孤高のヒーローもかっこいいのはかっこいいですが、やはりこういうグループ物(っていうのか?)はいいなあ。個々のキャラがそれぞれにいい味だして、いい見せ場があって、見飽きる場面が全くない。そしてこの作品はそれぞれのバックボーンは語られすぎることもなく無駄がない。もうとにかく守る側がかっこいいんで、誰を守ってるかなんてもうどうでもいい!って気になる(笑)。タイトルが「孫文の義士団」だから守ってるのは孫文なんだと意識出来るってぐらいだ。イケメン若手のニコラス・ツェーをかっこいい位置に配してないのもいいんだ。臭豆腐を売っている大男が、これまたかっこいいんだよ。最後まで本当の名前を知らなかったからニックネーム的に「臭豆腐!」って呼ばれるんだけど最後に「俺の名前はワン・フーミンだ!」って言うシーンに私は感動!かっこええ!その前のシーンもかっこよかったんですが。ああ、やっぱり私は脇の渋いとこに惹かれるんだな。こういう「漢」な映画は大好きだ。

2011.4.26 なんばパークスシネマ-