にゃんこな日々

ネコ風ライフをつらつらと・・・

【映画】『あなたへ』

2012年09月28日 | MOVIE
『あなたへ』(2012年/東宝)
監督:降旗康男。
出演:高倉健。田中裕子。佐藤浩市。ビートたけし。大滝秀治。

ある日、富山にある刑務所で指導技官として働く倉島の元に、亡くなった妻・洋子から「故郷の海に散骨して欲しい」と書かれた絵手紙が届く。そして倉島は妻と一緒に旅をしようと自ら改造していたバンに乗り込み遠く長崎の海を目指す。

この作品はみんなが言ってるけど、ホントに健さんの映画。健さんでしか作られない映画。「不器用ですから」の台詞通り、健さんは決して器用な役者さんではないですよね。でも映画に対する真摯な態度が不器用だからこそスクリーンを通じで私たちの元に届き、この映画いいよなぁ~・・・ってなんかだまされたようになる(笑)。芝居のうまい下手で言うと健さんって上手い俳優さんではないと思うんだけど、観ている私たちを見事に騙すんだから名優なんでしょうね。
子供のいない夫婦。慎ましやかにゆったりと暮らしていた二人に別れが訪れ、妻は夫を残し先立つ。悲しみを胸に秘めじっと心の中で妻を思う夫。そんな夫に妻が残した絵手紙。悲しくもきれいな話です。ロードムービーとして倉島が出会う人たちもいい。みんな悲しいけど、ほんのり幸せなんですよね。
しかしビートたけしのあのキャラのあの設定はどうにかならなかったのでしょうか?いくらなんでも・・・ねぇ。(^-^;

-2012.9.26 アポロシネマ-

【映画】『鍵泥棒のメソッド』

2012年09月24日 | MOVIE
『鍵泥棒のメソッド』(2012年/)
監督:内田けんじ。
出演:堺雅人。香川照之。広末涼子。荒川良々。

35歳の売れない役者・桜井は、金もなく仕事もない。自殺を決意するも失敗するが、銭湯の入浴券をみつけ思い立って行った銭湯で分厚い財布を持つ男を見かける。そしてその男が銭湯の中で転倒し気を失う。ふと目に入ったその男の脱衣場の鍵を自分の鍵とすり替えるが、なんとその男は転倒し頭を打ったことで記憶喪失になり売れない役者桜井として生活をし始める。そしてそのままその男と入れ替わった桜井だったが、その男の正体はコンドウという殺し屋だった。

実はこの監督の評判のいい前作「アフタースクール」も「運命じゃない人」も見てないんですよね。なぜだか見そびれてしまってそのまんま。で、さすがに今回は絶対に見ないとと思い、出かけたんですが・・・。練られてますねぇ。面白い。「え~!?」っていうどんでん返しじゃないのもまた面白い。うまく読めるような作りにしてあるんですよね。だから無理がない。と言っても桜井に関して言えば、鍵泥棒までは許そう、つい出来心でということで。しかし・・・そのあとはひどすぎないか?まあだからだらしなく売れない役者なんだろうけどね(笑)。それにしても記憶が戻ったあとの香川さんかっこいいわ。こういうかっこいい演技も出来る人なんですよね。考えたら私、この人の曲者演技しか見てないですからねぇ。映画自体は確かに面白かった。でも私はとにかくかっこいい香川さんがよかった(笑)。そういやさ・・・長いことキュイーンってなってないよなぁ(笑)。

-2012.9.23 MOVIX堺-

【映画】『最強のふたり』

2012年09月19日 | MOVIE
『最強のふたり』Intouchables(2011年/仏)
監督・脚本:エリック・トレダノ。オリヴィエ・ナカシュ。
出演:フランソワ・クリュゼ。オマール・シー。オドレイ・フルーロ。アンヌ・ル・ニ。

パラグライダーの事故で頚椎損傷となり、首から下の感覚がなく体を動かすことが出来ない富豪のフィリップの家で介護人の面接が行われていた。誰もがきっちりと面接を受けている中、一人異彩を放つ黒人青年のドリス。順番を飛ばしさっさと不合格にしてそのサインを失業保険受給のための書類にしてくれと言う。介護など全く経験がないであろうドリスをなぜかフィリップは雇うことにするが・・・。

あまりにも評判がいいので、早く観に行かなければ!と焦ってしまった映画です。確かにいい。しかもこれは実話を元にしているとか。そうですよね、実話じゃなきゃ、この物語は思いつかない。だって介護者は真面目で親切じゃなきゃいけないというのが世間一般で、いくら気難しく今ある生を達観してしまっているようなフィリップを明るく生に対して前向きにするなんて話であっても、きっと「あり得ない!」って即座に却下されると思いますもん。でも実話なんです。あり得るんです。と安心して見られる。
介護の経験もなく、しかも前科もあるというドリスをなぜ雇ったんだとフィリップに尋ねる友人に、フィリップは彼は自分に同情しないと答えるセリフに胸が締め付けられた。そうなんですよ、どうしても同情してしまうんですよ。憐憫ほど人の心を傷つける感情ってないだろうなと思う。ところがドリスにはそんな感情は全くない。なんせ熱湯をかけても熱さを感じないフィリップの足で遊んでしまうくらいですからねぇ。ただ教育がないだけ?いや、貧困層で育って前科があったりするものの、ドリスはちゃんと人を人としてあるべき姿で見ることが出来る人なんだと思う。もう一つ私の心に痛かったシーンが、フィリップを車イス用のワゴンに乗せるシーンでドリスは荷物みたいに出来ないといい、シートのかかったマセラティをみつける。そんな発想はなかったなぁ。確かにそうですよね。乗り降りが楽だから車イス用の車がある。これって車イスの人が楽だから?乗せる介助者が楽だから?いや、何も車イス用の車は荷物みたいだからダメだ!って言うんじゃないんですよ。そういうことにすら気づいていなかった自分が情けなかった。ドリスにとってフィリップは車イスに座っているけれど、車イスとセットではないんですよね。なんか自分のダメさ加減をいろいろと気付かされた作品でした。
ホントに笑って泣いて、いい作品でした。なんでもハリウッドでリメイクが決まってるとか・・・うーん。どうなんだろ?いいじゃないこのオリジナルのフランス映画で!と思ってしまう。ハリウッドもホントにネタないんだねぇ。

-2012.9.19 TOHOシネマズ鳳-

【落語】第67回新開地寄席

2012年09月17日 | 落語会
第67回新開地寄席(2012.9.19 新開地まちづくりスクエア)
-演目-
桂治門さん「真田小僧」
桂雀喜さん「うなぎ」
月亭八天さん「粗忽長屋」
桂千朝さん「住吉駕籠」

2回目の参加の新開地寄席ボランティアです。まずは設営。今回は高座の裏のいい加減さも知る(笑)。前はしっかりしわをのばして丁寧に、そして後ろは「適当に突っ込んどいてください」(爆)。ま、そんなもんでございますよ。
前回よりも客数が少ないとのこと。当日のお客さんが多く来てくれるといいんだけどねぇ。と言いつつ座席を少な目にセッティング。当日の人数は予想通りでまずまず座席は埋まりました。開催側にまわると一席でも多く席を埋めたいと自然に思っちゃうもんなんですよね。

お初の桂治門さん。真面目な好青年風で、舞台もイメージそのまま。最近ならではこそなのでしょうが、前座さんは必ず携帯電話の電源をお切りくださいって言うんですが、それがマクラとしてそれぞれに工夫してて、案外前座さんの力の見せ所なんじゃないかな?とふと思う。治門さんのはホントに工夫されてて面白かった。
「真田小僧」というのは初めて聴く噺だったんですが、なんで「真田小僧」なんだろう?ってすごく不思議だった。帰ってきて調べると、あー、なるほど。真田の話が出る前で終わってるからわからなかったんですね。

「うなぎ」は好きな噺なんですよ。あの「どうぞお二階へ!」の繰り返しが好きで楽しみだったんですが・・・。ふむ・・・。なんかイマイチ物足りない(爆)。ま、楽しんだんだからいいんですけどね。

月亭八天さんは以前繁昌亭で拝見しているので今回は2回目。もっとお若いのかと思っていたらもう52歳でいらっしゃるとか。マクラは老眼と歯のお話。コンタクトで部分入れ歯で、毎夜ハメをはずしてられるとか(笑)。
「粗忽長屋」はタイトルこそ有名なので知ってましたが、噺を聴くのは初めて。「長屋」と付くから長屋での噺なのかとずーっと思ってました。あまり長屋は意味ないんですね。この日一番楽しみました。

千朝さんの落語は初めてです。かっちりお話するタイプの方のようですね。「住吉駕籠」は米二さんで2回聴いていて、米二さんの「住吉駕籠」が好きなもんだから、どうも比べちゃっていけませんでした。(^-^; 他の演目だったら受けるイメージもっと違ってたのかもしれません。

終演。お客様が出られた後は速攻で撤収!きれいに片付いたホールは祭りの後のようにじんわりと寂しいものです。

次回、第68回新開地寄席は11月18日。午後3時開演。桂雀三郎さん「高津の富」。桂三金さん「奥野君の選挙」。桂えっと・・・あと二人誰だったっけ?(爆)フライヤー持って帰ってくるの忘れちゃたよ。(^-^; 演目だけは覚えてる「まめだ」と「つる」だ。とりあえず・・・チケットは\1,500 売り切れ必至ですので、078-576-1218でご予約を!

【映画】『るろうに剣心』

2012年09月15日 | MOVIE
『るろうに剣心』(2012年/)
監督:大友啓史。
出演:佐藤健。武井咲。蒼井優。江口洋介。香川照之。

明治11年。東京では人斬り抜刀斎を名乗る男による人斬り事件が続いていた。ある日その抜刀斎を探していた神谷道場の神谷薫は、一人の流浪人と出会う。廃刀令の時代に逆刃刀を手に放浪するその男こそ本物の人斬り抜刀斎、緋村剣心だった。神谷道場の土地を狙う無法者を剣心が倒したことで、剣心は神谷道場に居候することになるが・・・。

私はこの原作のファンだ。原作本はもちろん全巻持っているし、アニメ版も観ている。だからこれが映画化、実写化されると聞いたときは微妙だったんですよね。やはり思い入れが強いから。で、まず予告を見て、これはなかなか・・・という気になり、上映されてからは、まずまず好評だったので、安心して劇場へと出かけた。
うん。悪くない。でも原作ファンとしては、やはりちょっと微妙。鵜堂刃衛をラスボスに持ってきて、まずまずうまく物語をまとめてるとは思うんだけど、なんか物足りないんですよね。映画としてはいい作品になってると思いますよ。アクションもいいし。原作への思い入れがないならおすすめの娯楽作品ですね。ということでここでは私がちょっとなぁ・・・と思った点を書いて行こうと思います。まず、高荷恵。やっぱキツネ系じゃないとダメでしょう。メイクでキツネ系にしてるけどどう考えても蒼井優ちゃんってイタチだよ。斉藤一。江口さん悪くないんですよ。悪くないんだけど、なんでこんなにしっくりこないのかな・・・と思って思い至った点が声!斉藤って無口なタイプで、江口さんもそういう風に演じているんだけど、江口さんの声って無口な声じゃないんだよ。なんかすごく変な言い方なんだけどね、友人にこの話したら納得してもらったんだけど、おしゃべりな声と無口な声ってあると思うんですよね。で、江口さんの普通のしゃべりはどちらかというとおしゃべりな声。だからもう少し意識して発声して欲しかったな。ま、アニメの鈴置さんの声がイメージとして残ってるのもあるんでしょうけどね。あと外印さんいらなくね?そもそもあれ外印さんのキャラじゃないし・・・。あと心の一方を破ったあとの薫殿しゃべりすぎ(笑)。いつ終わるんだ!?って思ってたら一緒に見に行った友人も同じこと思ってたらしい。(^-^;
この後もまた映画化するのかな・・・。するとしたら京都編だけど、京都編は長いからまとめるの難しいだろうねぇ。もし京都編やるなら瀬田宗次郎は神木くんがいいな・・・などと思ってたりする。

ま、なんだかんだ言ってますが、十二分に楽しんだんですけどね(笑)。

-2012.9.5 MOVIX堺-

【落語】動楽亭 昼席

2012年09月12日 | 落語会
動楽亭 昼席(2012.9.12)
-演目-
桂小鯛さん「やかん」
桂しん吉さん「金明竹」
桂三喬さん「借家怪談」
桂文太さん「厩火事」
 中入
露の新治さん「ごんべえ狸」
笑福亭福笑さん「渚にて」

私はここ、天王寺から歩いて行くんですが、暑い!
到着したのは会場5分前でしたが、階段下まで並んでらして、私の並んだところはちょうど日向になったとこ。(^-^; やはり来年は日傘を買おうと動楽亭の幟に誓う。

「やあ、またお会いしましたね」の小鯛さん。この「やかん」って噺は初めて聴きました。そういや小鯛さんの高座はもう何度も拝見させていただいてますが、今のところ一度も演目がかぶってない。前座のこの位置の方では珍しいですね。それだけ手持ちのネタが多いってことなんでしょうかね。

しん吉さんは初めましてです。めくりの字を「桂ーん吉」と読まないようにとのこと。確かにそう読める!でも実はこの寄席文字習いたいんですよねぇ・・・。ちなみにわたくし書道二段です。ただしお手本がないと書けません(爆)。
「金明竹」って有名な噺ですよね。タイトルだけ知ってました。そうですか、こういうお噺だったんですか。でも本日は野良の旦那さんで終了。どっかでフルで聴きたい噺ですね。

続いては三喬さん・・・。以前この方にここで5名のときに思いっきり手抜かれたので、あまりいい印象ないんですよね。お客さんの数が多いとちゃんとするんだ。前座じゃないんだから一桁の客数でまともにやってられるかって感じなんですかね。と、言いながらも笑いましたよ。面白かったですよ。でもね、自慢じゃないがあたしゃ根深いんだよ。きっとこの方見るたびずーっと思うでしょうねぇ。(^-^;

中トリは文太さん。初めてお目にかかります。高座にあがられるとき「おや?」と思う感じがあり、お体お悪いのかな?と思ってて、ネットで文太さんでググったたら・・・。目が不自由でいらっしゃったんですね。それであがりにくそうだったんだ。でも高座ではそんなことは全く感じられず、さすがの中トリです。この方の他の噺も聴きたいなぁ。田辺寄席メインっていうのかどうかわかりませんが、田辺寄席で聴けるんですね。機会があれば行ってみたいと思います。

中入り後は本日の私のお目当て露の新治さん。繁昌亭で「狼講釈」を聴いてから、またこの方の落語聴きたいと思ってたんですよ。それに先日の彦八まつりで友人がこの方にサインを頼んだんですが、その対応がこれまた好感度抜群。この日の出演を知っていたので絶対に行くと決めておりました。「ごんべえ狸」これまた初めて聴く噺です。同じ狸が登場する「まめだ」より私はこっちの方が好きだ。噺としては「まめだ」の方がしっかりしてるとは思うんですが、「まめだ」はかわいそうだから嫌だ。人間がかわいそうなのは平気なんだけど動物がかわいそうなのは私ダメなんだよ。やんちゃな狸のかわいいオチですよね。それとやはり私はこの方の声好きだな。

本日のお目当てのもう一人。落語界の最終兵器←勝手に命名。の福笑さん。やっぱり最終兵器でした(笑)。すごいわこの人。笑いましたねぇ。レナウン娘で笑ってしまう自分が悲しかったですけどね。もしかしたらダイハツミゼット知ってるのも悲しいことなのかもしれない(笑)。物語があるんだかないんだか全くわからないお噺で、もうただただ反則技の連続のように笑かされてしまう。「水平線」ごときで笑ってしまう自分が情けない。でも完全に福笑マジックにやられてるんでしょうねぇ。前回この方を拝見したのは雀のおやどだったんで、普通に羽織脱いでらっしゃいましたが、今回は脱いで袖へ投げてました。初めて見ましたよ羽織投げる人(笑)。確かに雀のおやどだと投げ捨てても拾ってくれる人いませんもんね。繁昌亭なんかの袖まで距離があるところでも投げ捨てるんでしょうか?見てみたい。乱暴なようでいて、やはり高座を下がるときはとても丁寧なんですよね。今度はこの方の古典も聴いてみたいな。

【映画】『ステキな金縛り』

2012年09月09日 | MOVIE
『ステキな金縛り』(2011年)
監督と脚本:三谷幸喜。
出演:深津絵里。西田敏行。阿部寛。中井貴一。

三流弁護士の宝生エミは、事務所のボスから最後のチャンスだと妻殺しの容疑で逮捕された矢部五郎の仕事を任されるが、矢部の主張するアリバイはなんと「旅館で金縛りにあっていた」というもの。そしてアリバイの証明のためにその旅館を訪れたエミは、その日矢部を金縛りにあわせていたという落ち武者の幽霊、更科六兵衛と出会い、彼に証人として出廷してもらうことにするが・・・。

三谷さん好きなんだけど、なんだかもういいかな?と劇場には出かけなかったこの作品をDVDにて鑑賞。
評判のよかった作品のようなんだけど、私としては劇場まで行かなくてよかったかなという感じですね。
私は三谷作品の『有頂天ホテル』でしみじみ思ったことが、この作品でも如実に表れていた。つまり、この人は虚構の世界で物語を描かせたらうまいし面白いんですよ。見るこちら側も知らない世界であり得ないだろう!って思いつつもなんだか納得してしまう。って感じ。私がこの人の監督作品で一番好きなのは『ラヂオの時間』。『マジックアワー』も私は大笑いした。でも『みんなの家』や『有頂天ホテル』はダメだった。そしてこの作品も同じ。幽霊を法廷に出廷させる。あり得ないことを堂々とやってしまうのはOKなんですよ。でもその流れの中で普通にあり得ないことを入れちゃうとつぶれてしまう。たとえば、日が暮れないと出廷できないからと時間稼ぎでいきなり阿部寛さん扮する事務所のボスがタップダンスを踊るなんて、はっきり言って笑えない。そしてなぜだかいきなり事務所のボスが急死。その臨終にあの世の公安官にメッセージを託すなんて、死を安直に扱いすぎて笑えない。ラストの裁判が終わり、再び六兵衛がやってきたとき、エミの心は満たされ、すでに彼の姿が見えなくなっているという描写はうまいと思いましたけどね。この手の娯楽映画で140分は長いわ。もっとすっきりまとめられるはず。やはり、もうこの人の映画はいいかな。舞台はもちろん観に行きたいですけどね。舞台の方が絶対にいい。

-2012.9.9 DVD鑑賞-

【落語】50回桂米二不定期落語会

2012年09月08日 | 落語会
第50回桂米二不定期落語会(-2012.9.6 太融寺-)
-演目-
桂優々さん「四人ぐせ」
桂米二さん「時うどん」
桂南天さん「書き割り盗人」
桂米二さん「菊江仏壇」


受付で「アウェイ違うで、ホームやで」と言われてしまった。(^-^; でもあの雰囲気が・・・と言うと「あそこは特別」とのこと。失礼いたしました。ということでホームでの落語会でございます(笑)。

優々さんの「四人ぐせ」。この噺は聴いたことあるようなないような・・・。特徴のある癖のある四人が集まって、その癖をやってしまったら一万円ということで、それぞれなんとか工夫をつけて自分の癖を封じようとする噺で、オチがきれいに決まる面白い噺ですが、優々さんの噺とすれば前回音太小屋で聴いた「花ねじ」の方が好きだな。

米二さんが「時うどん」ってなんだかすごく不思議だったんですよね。で、優々さんの「四人ぐせ」は米二さんが稽古をつけて、「時うどん」は南天さんに稽古をって言ったらテープありますからと、南天さんからテープを借りて覚えたとか。どうやら中堅になってからネタおろしした噺のようです。
冒頭、若手だとそのまんま夏場でも「寒いなぁ」ってやっちゃって、客席の60%が「暑いっちゅうねん」と心の中で突っ込みを入れていることをスルーして噺は続く。というパターンになるんですが、さすがです。「寒い」って言いません。ま、当たりまえっちゃあ当たり前なんですが(笑)。月が明るいから下向いて歩けばなんか落ちてたら拾える。ということでもし一両が落ちてたら・・・次々と落ちているものを半分わけするという掛け合いが続きうどんの半分わけへ。で、成功例が終了したところで、時間の説明が。あれ?なんかこのパターン知ってる。と思ってたら、そうそうWOWOWでやってた枝雀さんの特集のときにかかった「時うどん」がこのパターンだった!でも枝雀さんのは、時間の説明のあと時計の話になって、洗濯機になってとマクラに戻ったようになって、前半の話覚えてますか?という状態になったんですが、米二さんはちゃんと時間の説明だけしてすぐ噺に戻りました。いやあ面白かった~!また聴きたいな。

南天さんの「書き割り盗人」一度も聴いたことのない噺だったんですが、面白い!この噺好きだあ!・・・ところが、途中ですごいサイレンの音。あまりにもけたたましので南天さん、「えらい外がにぎやかやけど、うち紙多いから危ないな・・・」などと噺の中に実際のサイレンを取り入れ、一所懸命絵を描いていた甚兵衛さん、家が気になるからとそそくさと帰ることに(笑)。うまいなぁ。

そして最後は「菊江仏壇」。You-Tubeで米朝師匠の「菊江仏壇」を見つけて見たことがあるんですが、確かにあまり後味のいい噺ではないですね。この若旦那、ホントにろくでもねぇ野郎だ。なんだかなぁ~な噺なんですが、酔っ払いのくだりが面白い。でも好きになれない噺だなぁ。大ネタなんだそうですけどね。

落語会が終わり、外に出るとすごい消防車。一体何があったのか気になり当日、翌日ともに検索するもみつからず。新聞だと載ってたのかな・・・。

【落語会】第22回「彦八まつり」

2012年09月03日 | 落語会
第22回「彦八まつり」(2012.9.2)

このお祭りの存在を知ったのは4,5年前。行きたいなぁと思いつつも出かけたことはなく、昨年は行く気満々だったんだけど、なんとなく行きそびれたらなんか台風がすごかったらしい。
で、これだけ落語聴きに行くようになってる今年。これ外すわけにはいかないだろうと、よし行くぞ!と友人に声をかける。いやあ、だって落語会と違ってなんかココは一人は寂しいし(笑)。一人目にはふられたけど二人目はちょうど誘いをかけてくれようとしていたところだったとかで、連れもって出かけられることに。
まず現地について、「うわ、お祭りやん」と訳のわからない感動をする。すごい賑わいだ。まずは奉納落語会のチケットを買うために並ぶ。11時からの発売で早めに着いていたおかげで、整理番号15、16といい位置をキープ出来た。
チケットをゲットしたので境内を一回り。「うわー、落語家さんいっぱい」とこれまた当たりまえの感動をする。一緒に行った友人がサインペンを持ってくるようにって言ってて「なぜ?」と思っていたら、結構皆様、気軽にサインに応じて下さるんですね。結局私は誰からももらいませんでしたが。

奉納落語会の開演は13時。場所は参集殿。
-演目-
桂吉の丞さん「つる」
桂壱之輔さん「ぜんざい公社」
桂出丸さん「上燗屋」
桂梅団治さん「寝床」
-中入-
桂福楽さん「京の茶漬」
桂雀松さん「宇治の柴舟」

なぜか遭遇率の高い吉の丞さん(笑)。この人の落語を聴いていると高校球児を思い出す。ホントにいつも一所懸命!って感じなんですよね。
続く桂壱之輔さんは初めてなんですが、なんとネタが「ぜんざい公社」。これは1週間前に聴いたばかり。いくら演者が違うからと言っても、1週間に一度聴く噺ではないですよねぇ。(^-^; 面白かったですが、やはり面白さは半減でした。
出丸さんは、たぶん二回目。以前は「禁酒関所」を聴いたんですが・・・あら、酔っ払いばっかりだ(笑)。ぜひ次回は酔っ払いの出ない落語を聴きたいものです。
梅団治さんも初めて。「寝床」は以前、動楽亭で染丸さんで聴いたことがあるんですが、命をとられる浄瑠璃。すごすぎますよね(笑)。
中入り後は福楽さん。この方も初めて・・・だと思っていたら「あれ?・・・あ!」5年前に行った「繁昌亭 年越しオールナイト落語会」に確か出演なさってたはず。ベース漫談やってらっしゃったんで、それで調べたらやはりこの方でした。すごく落ち着いた落語で、また聴きたいなと思いました。この「京の茶漬」は米二さんで以前聴いているんですが、この噺の雰囲気は福楽さんの方が好きだな。
トリは雀松さん。この方は3回目か4回目。わかってるだけに落ち着きます。で、マクラが!なんと二葉ちゃんがつかってる「アホが何人」ってやつ。同じ話でも間が違うとこんなにも違うのかと、勉強になりました。って客の私が勉強してどうする?って話ですがね(笑)。最初、若旦那が患って寝ている・・・恋煩い・・・「あ、崇徳院ね」って思ってたら、惚れたのは絵!?同じ流れできて違う噺。こんなのあるんですねぇ。一緒に行った友人によるとこの噺、あまりかからないとか・・・。いやあ、得した気分です。

でもこの落語会いいわ。客席のノリもよくって、客席の雰囲気ともども落語を楽しめた。こういう落語会いいなぁ。

落語会が終わって、富くじに並ぶ。なんか並んでばかりのような気がするんですが、ま、イベントってそんなもんでしょう。並んで買った富くじは残念ながら残念賞のLEDライトでしたが、とにかく楽しんだ一日でした。